第22回

今週の花(11月30日) デルフィニウム ~イギリス花紀行

エルミタージュ=隠れ家的な、走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」を紹介します。冬の期間は、印象に残るガーデンから、花をピックアップしてお伝え。

撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美

デルフィニウムは長い花穂が風に揺れ、庭にアクセントをつけてくれる。夏も涼しい北海道では枯れることなく、宿根草として毎年咲く
デルフィニウムは長い花穂が風に揺れ、庭にアクセントをつけてくれる。夏も涼しい北海道では枯れることなく、宿根草として毎年咲く

「デルフィニウム」とは、ギリシャ語でイルカを意味する「delphis」が語源で、蕾(つぼみ)のぷっくりとした形がイルカに似ていることから。和名は「大飛燕草(オオヒエンソウ)」で、花が燕(つばめ)の飛ぶ姿に似ているからだそうです。蕾や花の形から連想して、名前に動物や鳥がつくなんて面白いですね。

花の色や姿、花付きなどにより、いくつかの系統がある。華やかに咲くもの、きゃしゃな草姿に花数少なく付けるもの、中間的なタイプなど。写真は、ガーデナーの庭から
花の色や姿、花付きなどにより、いくつかの系統がある。華やかに咲くもの、きゃしゃな草姿に花数少なく付けるもの、中間的なタイプなど。写真は、ガーデナーの庭から

デルフィニウムといえばイメージされるブルーの花色。青い花が大好きな私にとって、育てたい植物ナンバーワンでした。昔はほとんど手に入らなくて、ずいぶん探しました。イングリッシュガーデンが日本でブームになった頃、やっと目にするようになり嬉しかったこと。でも価格がお高く、購入にはちょっぴり迷ったものです。
本州の友人が来ると、こちらの庭で育つデルフィニウムの大きさにびっくりされます。原産は標高の高い山岳地帯であることから、冷涼な気候を好み、耐寒性に強いこの花は、本州の暑すぎる夏を乗り切ることができないのですよね。ルピナスもそうです。そんな時はちょっと嬉しい気分になって、我が家の大きい花を自慢しちゃいます。

我が家の庭の、青い花を集めたコーナー。デルフィニウムは欠かせない花の一つ
我が家の庭の、青い花を集めたコーナー。デルフィニウムは欠かせない花の一つ
デルフィニウムとルピナスが点在してコラボする、初夏の庭。華やかな花シーズンへと続いていく
デルフィニウムとルピナスが点在してコラボする、初夏の庭。華やかな花シーズンへと続いていく

イギリスでもデルフィニウムは大きく育っていました。2mを超して咲く姿が、庭のアクセントとして役立っています。
青花のデルフィニウムには、補色となる黄色い花と合わせているところが多いようでした。その中でも、「グレートディクスターガーデン」の組み合わせは素晴らしかったと思います。また、私がロンドンのガーデニングスクールで教わった、キャシー・ブラウン先生の庭ではピンクの花と合わせていました。やわらかい優しい感じになりますね。
青花の濃淡の組み合わせも素敵です。これも多くのガーデンで目にしました。それらを見ながら「自分の庭には?}と思いをめぐらせ、あれもいいな、これもいいな…と散々迷うのです。結果的には、我が家の庭では青花のデルフィニウムとサーモンピンクの花を合わせた所と、ブルーの濃淡のコーナーをつくっています。今度は、ブルーと白をテーマにした一角をつくりたいなと思っています。

デルフィニウムの青と黄色い花の組み合わせ。配分の違いで印象も変化。写真は「グレートディクスターガーデン」から、以下同
デルフィニウムの青と黄色い花の組み合わせ。配分の違いで印象も変化。写真は「グレートディクスターガーデン」から、以下同
青花の濃淡の組み合わせ。デルフィニウム、ロシアンセージ、エリンジウム、キャットミントなど
青花の濃淡の組み合わせ。デルフィニウム、ロシアンセージ、エリンジウム、キャットミントなど
白花や淡い黄色、グリーンが多めになるとナチュラルな雰囲気。背の高いほかの花とともに風に揺れる姿が魅力
白花や淡い黄色、グリーンが多めになるとナチュラルな雰囲気。背の高いほかの花とともに風に揺れる姿が魅力
キャシー先生の庭では、デルフィニウムの背景にピンク色のつるバラ、足元にもピンクの花色を合わせて優しげな雰囲気
キャシー先生の庭では、デルフィニウムの背景にピンク色のつるバラ、足元にもピンクの花色を合わせて優しげな雰囲気

ロンドン市内の「リージェントパーク」は好きな場所ですが、ここの街路桝(ボーダー花壇)がとても素敵なのです。行くたびに必ず寄るのですが、ブルーの濃淡のデルフィニウムがすくすくと育っていて、その大きさとボリュームに圧倒されます。
市内で最も美しい公園と言われており、いつも多くのガーデナーが手入れをしています。中に動物園や野外劇場、「クィーンメアリーローズガーデン」などがある、とてつもなく広い公園ですが、隅々まで手入れが行き届いていて本当に感心します。近くにこんな素敵な公園があったら毎日でも通いたいと、いつも思うのです。

色の濃淡で表現した植栽デザイン。写真は「リージェントパーク」から、以下同
色の濃淡で表現した植栽デザイン。写真は「リージェントパーク」から、以下同
デルフィニウムのほかにも多種多様な植物を見ることができる。ロンドン市内にあり、日常的にもたくさんの人が訪れる場所
デルフィニウムのほかにも多種多様な植物を見ることができる。ロンドン市内にあり、日常的にもたくさんの人が訪れる場所

この記事を書いた人

走川  貴美

走川 貴美

「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。6年前から長沼町に移り住み、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。

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