第23回

今週の花(12月7日) ジギタリス~イギリス花紀行

エルミタージュ=隠れ家的な、走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」を紹介します。冬の期間は、印象に残るガーデンから、花をピックアップしてお伝え。

撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美

「ジギタリス」の花。背の高い花穂が揺れる姿は、洋風の宿根草ガーデンの定番
「ジギタリス」の花。背の高い花穂が揺れる姿は、洋風の宿根草ガーデンの定番

先週ご紹介したデルフィニウムと並んで、イングリッシュガーデンに欠かせないのが「ジギタリス」です。下向きのベル形の花を穂状に付ける姿が特徴的。その花の形状から、英名で「フックスグローブ(キツネの手袋)」とはよく言ったものです。

ベル形(袋状)の花が、キツネの手袋のよう―。花色は白、ピンク、アプリコット、黄色、紫などさまざま。草丈は種類により大小ある
ベル形(袋状)の花が、キツネの手袋のよう―。花色は白、ピンク、アプリコット、黄色、紫などさまざま。草丈は種類により大小ある

寒さには強く、夏の暑さには弱いので北海道向きと言えます。しかし、この頃はこちらも随分気温が高くなるので消えてしまうこともあります。
今年の暑さは異常でしたね。ダメになる株が、多分出てくるのではないかと思います。ジギタリスは二年草、または短命な多年草(宿根草)といわれており、元々そんなに長い間宿根しません。我が家では、あちらこちらにこぼれダネで芽を出しているものを集めて、1カ所にまとめて植えています。そのため花色はさまざまですが、割と白やピンクが多め。アプリコットはどうも弱いらしく、いつも買い足しています。

我が家の庭。通りから目につく場所は華やかな植栽。初夏は、背の高いジギタリスがアクセントに。背景にはクレマチス、宿根スイトーピーなどのつる性植物を合わせて
我が家の庭。通りから目につく場所は華やかな植栽。初夏は、背の高いジギタリスがアクセントに。背景にはクレマチス、宿根スイトーピーなどのつる性植物を合わせて

20数年前、始めてイギリスに行き車で移動しているときに、道端や草原にすくっと立っているジギタリスを発見して、「あら、もったいない」と思ったものです。ヒナゲシと同じように野良生えしているのです。

 

湖水地方にある「ピーターラビット博物館」では、たくさんのジギタリスが使われていました。もちろん絵本の中にも出てくるのですが、いかに一般的な花かわかりますね。
チェルシーやハンプトンコートのフラワーショーでも多くのデザイナーが使っています。

宿根草やバラとともに咲いて、空間を華やかに演出。ジギタリスの草姿を手く利用。写真は、「モティスフォントアビー&ガーデン」から
宿根草やバラとともに咲いて、空間を華やかに演出。ジギタリスの草姿を手く利用。写真は、「モティスフォントアビー&ガーデン」から
生け垣に沿って点在して咲く、白花のジギタリスがリズミカルなアクセントに。写真は、「ブレッシングハム ガーデン」から
生け垣に沿って点在して咲く、白花のジギタリスがリズミカルなアクセントに。写真は、「ブレッシングハム ガーデン」から
「ハンプトンコート フラワーショー」にて。茶~オレンジ~赤の色合いでまとめた植栽デザイン。ジギタリスの花穂がよいアクセントになっている
「ハンプトンコート フラワーショー」にて。茶~オレンジ~赤の色合いでまとめた植栽デザイン。ジギタリスの花穂がよいアクセントになっている
ブルー系の花をベースに、ジギタリスのピンクやアプリコットカラーを差し色にして。やわらかな雰囲気。「ハンプトンコート フラワーショー」から
ブルー系の花をベースに、ジギタリスのピンクやアプリコットカラーを差し色にして。やわらかな雰囲気。「ハンプトンコート フラワーショー」から
エリアごとに物語のワンシーンが展開していく中で、たくさんのジギタリスが使われていた。「ピーターラビット博物館」の植栽の一部
エリアごとに物語のワンシーンが展開していく中で、たくさんのジギタリスが使われていた。「ピーターラビット博物館」の植栽の一部

背丈が大きくなるので後方に植えるか、センターに植えるかするとよいと思います。花穂が全部開いたら茎の根元でカットすると、脇芽が出てきて、また花を咲かせることができます。株を増やしたいときは花穂を切らず、タネを付けさせます。すると、あちらこちらにタネが飛んで芽を出します。気に入った色の花が咲くかどうかはわかりませんけど…、増えることは確かです。

我が家の庭では、自然と咲かせてナチュラル風にしたり、たくさん咲かせて華やかに…など、演出を楽しんでいる
我が家の庭では、自然と咲かせてナチュラル風にしたり、たくさん咲かせて華やかに…など、演出を楽しんでいる

この記事を書いた人

走川  貴美

走川 貴美

「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。6年前から長沼町に移り住み、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。

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