第24回

今週の花(12月13日) アマの花~花紀行

エルミタージュ=隠れ家的な、走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」を紹介します。冬の期間は、印象に残るガーデン・花をピックアップしてお伝え。

撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美

宿根アマの花。優しい、澄んだブルーの花色
宿根アマの花。優しい、澄んだブルーの花色

「アマ」の花をご存じでしょうか? 北海道では昭和30年頃まで栽培されていたというので、見たことがある方がいるかもしれません。私も20数年前、伊達に住んでいる友人のお庭で「宿根アマ」を見たときに、「懐かしい…」と感じたので、子供の頃に見ていたのかもしれません。

宿根アマの花の見ごろは6~7月、澄んだブルーの花色がさわやか
宿根アマの花の見ごろは6~7月、澄んだブルーの花色がさわやか

アマには一年草と宿根草があります。冷涼な気候を好む植物なので、北海道にはぴったりの花です。

 

一年草のアマは、茎の長い繊維用(布のリネンの原料)と、茎の短いオイル用(タネを使用する)があります。現在では、当別町でオイル用が栽培されています。「亜麻公社」さんは、体によいとされるオイル(亜麻仁油)やアマニオイルを練り込んだ石けんなど、いろいろなアマ由来のものを作っています。
7月はじめには"アマ祭り"を開催し、ブルーの花色が一面に広がる、見ごろのアマ畑を楽しむことができます。アマ関連のグッズ販売や糸紡ぎなどを体験できるイベントも行なっています。ここ2年ほどは、新型コロナウイルス感染症の影響で中止していますが、来年はできるとよいなと思っています。

一年草のアマの花
一年草のアマの花
当別町にあるアマ畑。一面に花色が広がる(亜麻公社)
当別町にあるアマ畑。一面に花色が広がる(亜麻公社)

フランス、ノルマンディ地方はアマの一大生産地です。2006年に、私も所属する「AMAサポーターズ倶楽部」主催でノルマンディに行きました。さすがアマの生産地らしく町中がアマで彩られていました。
アマの実入りパンを作っているパン屋さん、レストランのお食事にはアマの飼料を食べて育った豚や、牛、鶏の料理、ドレッシングは亜麻仁油入り、クロスは亜麻の生地。お会いした市長さんをはじめ、ご婦人の皆さんもアマを原料とするリネンのお洋服、襟元にはアマのタネのコサージュと、アマづくしで感嘆しました。
お土産屋さんもリネンのグッズやアマの花を絵付けした陶器など、恐れ入りましたというくらい…。

フランス、ノルマンディのアマ畑で、ブルーの花に囲まれてティータイムを楽しんだ。アマの実入りクッキーも
フランス、ノルマンディのアマ畑で、ブルーの花に囲まれてティータイムを楽しんだ。アマの実入りクッキーも
お土産屋さんにも立ち寄って。トートバックや手帳カバーなど、リネンの自然な風合いがよい
お土産屋さんにも立ち寄って。トートバックや手帳カバーなど、リネンの自然な風合いがよい

2008年、イギリスにも大きな生産者がいて、そこも見学させてもらいました。広大なアマ畑が印象に残ります。お土産に亜麻仁油を買ってきました。毎日、スプーン1杯飲むと体によいのだそうです。

イギリスで訪ねた広大なアマ畑。この生産者さんは、アマ栽培と牧場もしていた
イギリスで訪ねた広大なアマ畑。この生産者さんは、アマ栽培と牧場もしていた
収穫したアマは茎やタネに分けられて、さまざまなものに生まれ変わる
収穫したアマは茎やタネに分けられて、さまざまなものに生まれ変わる

私が愛でているのは、宿根のアマです。4~5年で勢いはなくなってくるのですが、2年目、3年目はとても大株になって見応えがあります。

ボランティアで2003年から「サッポロビール園前」と「アリオ札幌」の街路桝にたくさん植えています。見ごろは6~7月ですが、秋口までどこかしらで咲いています。可憐なアマの花を、ぜひ見てくださいね。

サッポロビール園前の宿根アマの彩り。2~3年で華やかな大株になって見応えも
サッポロビール園前の宿根アマの彩り。2~3年で華やかな大株になって見応えも

この記事を書いた人

走川  貴美

走川 貴美

「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。6年前から長沼町に移り住み、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。

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