第14回

グリーンシーズンの庭の花やハーブを思い返して

今年も残すところ10日ほど。今回は、グリーンシーズンを振り返ってみます。…香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。

プロフィール

かりの あさの

ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。

 

今年は根雪が遅いですね…なんて言っていましたが、一気にたくさん積もり、氷点下の寒さも一緒に連れてきたようです。雪が積もってくれると、「庭のバラの心配が減る」というのはガーデナーあるあるですね。 もう師走…。季節の移り変わりを植物を通して感じ取れる幸せをかみしめながら、今回はグリーンシーズンの花やハーブを思い返してみたいと思います。

 

今シーズンはコロナ禍でのスタートとなりました。雪が解けて最初に庭で咲くブルーの小花の絨毯が、庭しごとのスイッチを入れてくれました。また、雨不足の夏でしたが、バラの花は雨で傷むことも少なく、長く楽しむことができました。雨続きの年や、晴天が続く年など、その年によって気候の違いや変動にも敏感なのがガーデナーですよね。

ブルーの小花が春を告げるブルンネラ。斑入りの葉や銀葉の品種もあり、カラーリーフとしてもシェードガーデンなどに利用できる
ブルーの小花が春を告げるブルンネラ。斑入りの葉や銀葉の品種もあり、カラーリーフとしてもシェードガーデンなどに利用できる
イングリッシュローズの‘レディエマ ハミルトン'。オレンジ系の可愛い花が私は好き。香りもよい
イングリッシュローズの‘レディエマ ハミルトン'。オレンジ系の可愛い花が私は好き。香りもよい

北海道とは思えない猛暑日が続いた夏でしたが、庭に出ては、さわやかなミントのような香りがするミントゼラニウムの葉を指で擦って、清涼感を味わいました。外出時にも葉を摘み、車内の送風口に差し込んで香りを満喫しました。

ミントゼラニウム。ミントのような香り、ふかふかの葉の手触りもよい
ミントゼラニウム。ミントのような香り、ふかふかの葉の手触りもよい

成長が遅いカレーリーフは今年に入ってから初めて花が咲いて、とても嬉しかったです。カレーを作る際に葉を使っています。アジアンチックな香りが食欲をそそり、大好きなハーブの一つです。その後は実を付けています。
また、大株になっているレモンバーベナを思う存分使って、コーディアル(シロップ漬け濃縮ドリンク)を作りました。奥深いレモンの香りのコーディアルを水で薄めて水筒に入れ、仕事などに持って行くことも多くありました。自分で育てたハーブが、こんな風に日常の中でおいしくいただけることに、心がほっこりします。

カレープランツは戸外越冬できないので、鉢植えで育てている。冬は屋内で管理
カレープランツは戸外越冬できないので、鉢植えで育てている。冬は屋内で管理
レモンバーベナの葉は、レモンに似たさわやかな香り。コーディアルにしたり、野菜類のオイル漬けやハニーナッツの香りづけなどに重宝。冬は屋内で管理する
レモンバーベナの葉は、レモンに似たさわやかな香り。コーディアルにしたり、野菜類のオイル漬けやハニーナッツの香りづけなどに重宝。冬は屋内で管理する

監修先のニセコにある「ヴィラ ルピシア」のガーデンも、猛暑と雨不足対策に悩んだシーズンでした。スタッフお手製の散水ホースやスプリンクラーに助けられ、大きく成長した株にたくさんの花を咲かせ、春から晩秋まで計画したように順番に咲き変わっていきました。アナベルのそばに植えたさまざまな色のポピーが春先に可憐なシーンを演出してくれたのも、印象に残っています。また、宿根草主体のビール工場のガーデンでは、エキナセアとアガパンサスのコラボに心が躍りました。

ポピーの春らしい彩りが印象的。「ヴィラルピシア」のガーデンは、一年草が次々と咲き変わって楽しませてくれた
ポピーの春らしい彩りが印象的。「ヴィラルピシア」のガーデンは、一年草が次々と咲き変わって楽しませてくれた
エキナセアとアガパンサスのコラボ。年々大株になってくれることを楽しみにしている
エキナセアとアガパンサスのコラボ。年々大株になってくれることを楽しみにしている

暑さで庭に出る時間が減ってしまったので、せっかく咲いている花たちを切り花として室内で楽しむことも増えました。
また、収穫したホップで毎年リースを作るのですが、今年の実は少し小さめでした。砂利まじりの土壌でも2階の屋根まで届く勢いで成長するホップは圧巻で、夏のリース作りには欠かせない大切なハーブです。

庭の花々をせっかくなので切り花にして飾り付け
庭の花々をせっかくなので切り花にして飾り付け
勢いよく伸びて可愛い実を付けるホップをリースに
勢いよく伸びて可愛い実を付けるホップをリースに

今の庭は、真っ白な世界――。長い冬をやり過ごし、また春に花たちに出会うまで、華やかなグリーンシーズンを撮り溜めた写真を眺めながら過ごす日々です。

 

2021年、「風葉香つれづれ日記」を読んでいただきありがとうございました。

来年は、どんな年になるでしょう。また皆さんと一緒にハーブやお花、ガーデン、そして、おいしいレシピなどを楽しめるよう、のんびりゆったりとご紹介していけたらいいな…と思います。

 

それでは皆さま、心穏やかな年末年始をお過ごしください。

10日前の庭(上)と、今の庭(下)の様子。先週の大雪で、たった1日で庭は真っ白に
10日前の庭(上)と、今の庭(下)の様子。先週の大雪で、たった1日で庭は真っ白に
ドウダンツツジが来シーズン用の小さな芽を付けている。白い雪に映えてきれい。植物の力強さにはいつも感心する
ドウダンツツジが来シーズン用の小さな芽を付けている。白い雪に映えてきれい。植物の力強さにはいつも感心する

この記事を書いた人

かりの あさの

かりの あさの

ハーブ研究家。(株)ルピシア グルマン顧問。ハーブを取り入れた植栽デザインや料理の提案、また、ハーブ講座の講師として活躍。日本園芸協会ハーブコーディネーター、JAISハーブ学習指導員、JEAJアロマテララピーアドバイザーほか。 自宅の庭で100種類以上のハーブの植栽、野菜栽培を楽しむ。かりのあさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。

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