
北海道の花育て【5月】バラ 春に行なう移植とその方法・手順
曽根 浩太
北海道でのバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理を専門家が伝授。ここでは「芝生」についてお伝えしていきます。
赤石 恵一さん
造園店「エルガーデン」代表。個人の庭から、公共の緑地帯の緑地帯の維持管理・工事まで行なう。
北海道の2月は、一年で最も寒い時期。芝生もじっと雪の中で春を待っている状態です。庭に出ても作業をすることがありませんので、雪解け後のお庭のプランニングを行なう時間にしてはどうでしょうか。
プランニングのヒントとして、紙に簡単な図面を起こし、庭の現状を記載してみることをおすすします。変更したい部分を書き込むと、頭で考えたイメージがはっきりと見え、作業に移る際とても役に立つと思います。
例えば、頭で考えている内容を、下記のように簡単に図面に書き出したり、印をつけてみるだけも大分違います。
●日当たりは…
・この場所だけ日当たりが悪く、芝が生育不良だった。
・庭木が大きくなって、日差しが芝に十分に当たらない。
●水はけは…
・雨が続いたとき、この部分の水はけが悪かった。
●エリアは…
・もう少し芝の部分を広げたい。または、狭くしたい。
・この部分は人が歩くので、敷石も設置したい。
●お手入れは…
・春になったら、エアレーション作業と目土作業をしないといけない。
このように、変更や改善したい部分は誰しもあるかと思います。これらの項目をメモにして図面に書き込んでおくと、春になって庭作業をされる際に役に立つと思います。
また、現実と夢とは多少違っていたりはしても、少しでも思い描く庭に近づくために、ガーデナーの皆さんは努力されていることでしょう。
例えば、「広さが多少あるので、宿根草と芝とのコラボを楽しんでいます」「バラの庭を引き締めるのには、芝のグリーンも必要だよね」「芝が好きなので、全部芝にしています」「狭い庭だけど、子供と芝生の上で遊んでみたい」など、芝庭の形態もさまざまです。
冬の北国のガーデニングは心も体もリセットの時間と考え、来シーズンの庭に思いをめぐらせて、十分にプランニングを楽しみながら春を待つのもよいと思います。
雪が降る前に、道具類の整備は済ませましたか? 庭しごとに追われ、なかなか整理・整備できず機械をそのまま物置にしまってはいませんか?
私もその一人ではありますが、芝生の管理における道具・機械などのメンテナンスを雪解け前に済ませておけば、春先から芝のお手入れをスムーズに始められます。
●芝刈り機(機械式)
エンジン式のロータリーモアや電動式のバリカンタイプなどの種類があります。機械裏にへばりついた刈り草の除去と清掃・刈刃の点検、手動時のヒモの傷み確認、オイルのチェックはご自身でもできますので、シーズン前に行なうとよいです。機械式の場合は、エンジンが不調なら購入時の専門店で見てもらうのが賢明です。
●芝刈り機(手動式)
一般的な芝刈り機は、リール式の手押しタイプが多く使用されています。作業や清掃後には、刃合わせの状態を確認することが大事で、芝がスパッと切れる状態に維持しておきます。回転部に潤滑スプレー(オイル)なども施すとよいでしょう。
●肥料散布機
農家で使用される大型のものではなく、小さなタイプも販売されています。用意しておくと、均一に化成肥料が散布できておすすめです。使用後は必ず、肥料を残さないことが大事。また回転部分が錆びやすいので、常にきれいにしてから保管するようにします。
●そのほかの道具
芝の管理に使う道具は、ほかに散水道具、エアレーション作業に使う穴あけ道具(エアレーター)、雑草除去用の手鎌(カマ)などがあります。
また、余談ですが、今はロボットタイプの芝刈り機(お掃除ロボットの芝刈り機版)も出ている時代です。管理しやすい道具が次々出てきますが、使った後の清掃は忘れずに行なってください。
この記事を書いた人
恵庭市にある造園店「エルガーデン」代表。公共の緑地来の維持管理・工事をはじめ、個人の庭の設計・施工などのも行なう。芝庭・バラの庭を得意とする。ご自宅の庭では、バラの庭づくりを長年楽しんでいる。
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