第3回

わたしの庭どうぐ <第3回>繊細なカットの場面で活躍のクラフトバサミ

ガーデニングを快適に! 使いやすい道具やおしゃれなガーデニングウェアを身に着けて、庭しごとを楽しく行ないましょう。「庭どうぐ」の基本の選び方、豆知識、おすすめなどを、園芸グッズの企画・開発も行なう武藤良幸さんが伝授します。

繊細なカットで活躍する「クラフトバサミ」

冬の庭を見るたび、シーズン中の反省や後悔をしつつも春からの構想についニヤニヤしてしまうのは、ベテランガーデナーの証、そうどこかで聞いたことがあります。もしかするとそんな冬こそ、ガーデニングが最も楽しい季節なのかもしれませんね。

 

春からの構想の一つで、ハサミを新調したいと思う人のご参考にでもなれたら嬉しいのですが、初回のコラムで少しだけ触れた、「先が細いクラフトバサミ」についてもう少し掘り下げてみます。

 

私の愛用のクラフトバサミ。刃物メーカー・坂源(さかげん)の製品。ミニフラワーメイク(写真下)と、ミニクリエーションF(写真上)
私の愛用のクラフトバサミ。刃物メーカー・坂源(さかげん)の製品。ミニフラワーメイク(写真下)と、ミニクリエーションF(写真上)

剪定バサミは、直径 1~2 ㎝程度の堅い枝をカットできるタフなハサミですが、草花や野菜のような直径数ミリ程度の柔らかい茎や薄い葉をカットするのはちょっと苦手。苗の摘芯や一年草の花がら摘み、菜園での収穫といった繊細なカットで活躍するのが「クラフトバサミ」です。

 

そこで紹介するのは、新潟県三条市の刃物メーカー・坂源(さかげん)の「ミニフラワーメイク」と「ミニクリエーション F」という2種類のクラフトバサミです。

2種類の違いとして、「ミニフラワーメイク」は錆(サビ)に強い無電解ニッケルメッキ加工に対し、「ミニクリエーション F」は汚れがつきにくいフッ素樹脂加工で、サイズや構造、切れ味はほぼ同じものです。ミニフラワーメイクのみ、刃元にワイヤーカット付きです。

坂源のワイヤー、リボンも切れる「ミニフラワーメイク」。以下同
坂源のワイヤー、リボンも切れる「ミニフラワーメイク」。以下同
ミニフラワーメイクはサイズ165㎜、刃元にワイヤーカット部分が備わる
ミニフラワーメイクはサイズ165㎜、刃元にワイヤーカット部分が備わる
細かなカットにも適し、汚れもつきにくい「ミニクリエーション F」。以下同
細かなカットにも適し、汚れもつきにくい「ミニクリエーション F」。以下同
ミニクリエーション Fは、フラワーアレンジや草花・ハーブ類のカットに便利。サイズ165㎜
ミニクリエーション Fは、フラワーアレンジや草花・ハーブ類のカットに便利。サイズ165㎜

クラフトという言葉から工作用のハサミをイメージされてしまうかもしれませんね。そんなハサミをどうしてガーデニング用として紹介するのか。その大きな理由が2つあります。

 

まず、1つめの理由。坂源のクラフトバサミは、お花屋さんがラッピングで使うことを想定していて、リボンや紙やフィルムのような、柔らかくて薄い素材をきれいにカットし続けられる高い精度があります。
また、忙しいお花屋さんが複数のハサミを持ち替えず、リボンから生花まで一本のハサミだけで使えるよう、一般的なクラフトバサミよりも刃や軸が丈夫につくられています。お花屋さんの使用に耐える強さがありながら、茎の断面が潰れたり、葉の切り口がささくれることなく、きれいにカットできる高精度のハサミです。カットした枝葉の断面がきれいということは、植物の健康維持にとって大切なこと。そしてそれが植物に対するガーデナーのマナーだと私は思っています。

 

2つめの理由。それは、刃先がとても見やすいということ。例えば、たくさんの花が咲き誇るペチュニアの中から1輪の花がらだけをカットしたいとき、花柄(かへい)という細い茎が刃先に見えていなければ、その花がらを確実にカットすることができません。大きくて分厚い刃の剪定バサミだと刃先の小さな対象物が見えにくく、細い茎や小さな葉を正確にとらえることが難しいのです。刃先の見えやすさは、細くて薄い刃のクラフトバサミならではであり、軽量小型で携帯しやすいという利点もあります。

 

このように、草花や野菜のメンテナンスに便利な坂源のクラフトバサミですが、堅い枝なら直径5㎜程度までしかカットできません。バラなど樹木の剪定にはノコギリやタフな剪定バサミに持ち変えましょう。

また、坂源のハサミが持つ特徴として、ハンドルの人差し指部分に窪みがあります。ここへ人差し指をかけて握ることで、ハサミが開きやすくなり、切るときの力も入れやすくなります。

人差し指のかけ方。窪みに指をかけてハサミを握る
人差し指のかけ方。窪みに指をかけてハサミを握る
窪みに指をかけて握ることで、女性の手にもなじんで刃が開きやすく、力も入れやすい
窪みに指をかけて握ることで、女性の手にもなじんで刃が開きやすく、力も入れやすい

クラフトバサミも剪定バサミと同じように、使い終わったら汚れを落とし、オイルで刃をコーティングしてあげましょう。堅い枝を無理にカットしなければ、頻繁に研ぐ必要はありません。
行きつけのお花屋さんや、お気に入りのガーデンのフローリストやガーデナーが普段どんなハサミを使っているか、そっと見てみるのもいいかもしれません。そこからあなたのガーデニングにつながるヒントやアイデアが浮かぶといいですね。

 

2022年がスタートしました。今シーズンは道具にも少しこだわって、快適で素敵なガーデニングライフを過ごすのはいかがでしょう。

カラーバリエーションもいくつかある。写真はミニフラワーメイク(協力:坂源)
カラーバリエーションもいくつかある。写真はミニフラワーメイク(協力:坂源)

この記事を書いた人

武藤 良幸

「momiji合同会社」代表。「momiji(もみじ)」は人と園芸、人と庭をつなぐための会社。若い園芸家や庭師を育て、彼らの道具や新しいガーデニンググッズの企画・販売を行なう。また、おしゃれな道具など介し、園芸・ガーデニングの普及活動に努めている。

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