
今週の花(1月25日)ホスタ~花紀行
走川 貴美
エルミタージュ=隠れ家的な、走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」を紹介します。冬の期間は、印象に残るガーデン・花をピックアップしてお伝え。
撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美
「アルケミラ モリス」は、とても便利な花です。花壇の縁取りに使ったり、植栽の埋めに使ったり、グラウンドカバーのようにも使えて、球根が終わった後を隠してくれたりします。そんなことで我が家はたくさん植えています。
中でもおすすめは、球根花の周りに植えておくこと。ムスカリ、チューリップ、シラーなどの花が終わった後の見た目をカバーするのには最適です。花色もムスカリやシラーのブルーと、アルケミラ モリスの黄色~ライムグリーンがよくマッチします。また、オレンジ系の植栽とも合いますね。
また、こぼれダネでよく増えて、手間いらず。一番花が終わったら根元からカットするとまた新芽が出て、きれいな黄色い小花を咲かせます。庭の花を摘んで生けるときも、合わせる花のクッションになってくれますし、花色が邪魔をしません。
イギリスで訪ねたガーデンでも、あちらこちらに植えられていました。
アルケミラ モリスを利用した植栽、色彩デザインはもちろん、構造物も含めた空間の美しさに魅了されます。
ロンドンのガーデニングスクールで習った校長先生のお宅に見学に行った時のことです。ナショナルトラストの家を借りて、庭をきれいに手入れしていました。
入り口からの両脇に長く奥へと、ムスカリとアルケミラ モリスが混植されていて、とてもきれいでした。5月末だったので、アルケミラ モリスはまだそんなに大きくなっていませんでしたが、ムスカリが終わる頃にちょうど花が咲いて覆うようになるのがイメージできました。
その近くには大きなコンテナも置いてあり、ピンクのチューリップにワスレナグサ(勿忘草)が覆うようにふんわりと咲いていて、そんな組み合わせは見たことがなかったので、とても印象的でした。今から20数年前のことですが、今でもはっきりその光景が浮かんできます。
この記事を書いた人
「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。6年前から長沼町に移り住み、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。
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