第2回

北海道の花育て【2月】ー 宿根草・草花のこと。宿根草の越冬と屋内管理する植物について

北海道のバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「宿根草・草花」についてお伝えします。

教えてくれる人

高林 初さん
苫小牧市にある観光庭園「イコロの森」勤務。宿根草のガーデンデザイン、園内の管理などを担当する。

高林 初さん(イコロの森)
高林 初さん(イコロの森)

積雪の少ない地域はマルチングで防寒を

宿根草は、土中の根が冬の積雪と低温下の中で、春をじっと待っています。北海道は気温がますます下がりますが、雪の布団のおかげで地中の温度が一定に保たれ、比較的安心して冬越しが可能です。

もし積雪が少なければ、気温がぐっと下がる前に腐葉土やウッドチップなどで株周りを覆って、雪の布団の代わりとします。幅は株よりも2~3周り大きめに、高さ(厚さ)は15~20cmくらい、たっぷりとマルチングを施しましょう。
春になったら、それらを周囲に敷き均します。雑草対策のマルチングにもなり、いずれ土にかえれば土壌改良にもなりますので、一石何鳥にもなります。

「イコロの森」の冬の様子。ガーデンは雪に覆われ、宿根草は雪の布団の中で静かに眠っている
「イコロの森」の冬の様子。ガーデンは雪に覆われ、宿根草は雪の布団の中で静かに眠っている
積雪のない場所や少ない地域では、ウッドチップで覆って防寒を施す
積雪のない場所や少ない地域では、ウッドチップで覆って防寒を施す

屋内に入れた植物は適切な温度下に

戸外越冬に心配がある種類やそのほかの草花で、屋内で冬越しさせている植物については、種類によって適切な温度の場所に置くことが最も大切です。北海道の冬の戸外では無理でも、本州の冬程度に気温が下がったところを好む植物はガレージや風除室が適切です。

鉢植えのクリスマスローズは風除室などで保管すれば、少し早くに開花させることができる
鉢植えのクリスマスローズは風除室などで保管すれば、少し早くに開花させることができる
鉢に植えた春咲きの球根。一度寒さに当てた球根を鉢に植え、ハウス内などで管理すると、ひと足早く芽出しの準備を行なえる
鉢に植えた春咲きの球根。一度寒さに当てた球根を鉢に植え、ハウス内などで管理すると、ひと足早く芽出しの準備を行なえる
球根も適切な管理をすれば、室内でも開花させて楽しむことができる。写真はスノードロップ
球根も適切な管理をすれば、室内でも開花させて楽しむことができる。写真はスノードロップ

一方、夏は戸外で平気でも、熱帯原産の植物ならリビングくらいの室温が必要になります。お手持ちの植物の特性をよく調べたうえで、室内のどこが最も適切なのか温度計を使って確認しましょう。それぞれの植物に応じて、明るさや湿度などもチェックが必要になります。

この記事を書いた人

高林 初

高林 初

英国Writtle College(リトルカレッジ)にてガーデンデザインを学ぶ。現在は、苫小牧市にある「イコロの森」の勤務、ヘッドガーデナー 。設計からメンテナンスまで庭づくりの幅広い経験をもとに、宿根草ガーデンの管理・栽培等を担当。

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