第14回

ポタジェ流 手前みそづくり【動画あり】

今回は、ポタジェで育てた大豆を使って、手前みそ(お味噌)を仕込みました――。 季節ごとの野菜やハーブ、果樹、お花など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。

プロフィール

藤井 純子さん

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとしてセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。野菜ソムリエ、ハーバルセラピスト。

 

 

「寒仕込み」という言葉はご存じでしょうか。寒仕込みとは、1月の寒の内と呼ばれる「小寒」(1月5日)から、2月3日の「節分」までの約30日間に、味噌(みそ)や日本酒、醤油(しょうゆ)などを仕込むことをいいます。節分の翌2月4日は「立春」。春が始まる日となります。
寒さが厳しいこの時期は、空気中の雑菌が少なく発酵食品の仕込みに適していると言われており、気温が低く発酵に時間がかかることで、ゆっくりと熟成させるメリットもあります。

 

「手前みそ」というと、自分で自分を褒めることの意味もありますが、「手前」は「自分」のこと。自分の手で行なうこと。古くは、味噌は自家製で、それぞれ自分の作った味噌を自慢し合ったことから、そのように使われるようになったようですね。

 

手前みそ。ポタジェで収穫した大豆を使ったお味噌
手前みそ。ポタジェで収穫した大豆を使ったお味噌

健康志向の高まりや、在宅時間が長くなったことで、自宅でお味噌をつくる人も増えていますね。我が家も8年ほど前、知り合いの野菜ソムリエから教わったことがきっかけで、毎年この時期にお味噌をつくるようになりました。

 

「ポタジェで育てた自家製大豆で、お味噌を作ってみたい!」と思うようになり、珍しい品種の大豆を育てています。ただし、それだけで全部は賄えないので、自家製のほかの豆も少量加えてお味噌づくりを楽しんでします。そんな気軽な気持ちで楽しむのもおすすめです。

 

特に気に入っているのは「鞍掛豆(くらかけまめ)」。青大豆の一種ですが、味が濃くとてもおいしい品種です。若さや(サヤ)のうちは枝豆として楽しみ、残りはお味噌用と翌年用のタネにしています。
そのほかにも、「黒豆」や「黒千石(くろせんごく)」などもおすすめです。コクのあるお味噌に仕上がりますよ。

気に入って、ポタジェで育てている鞍掛豆。豆の模様も面白い
気に入って、ポタジェで育てている鞍掛豆。豆の模様も面白い
写真左が黒豆、右が黒千石。種類により豆の大きさが異なる。どちらもコクのある味わいに
写真左が黒豆、右が黒千石。種類により豆の大きさが異なる。どちらもコクのある味わいに

大豆は、「カッコウが鳴いたら種(タネ)をまくとよい」と言われています。札幌では、5月末~6月はじめにタネまきをします。

大豆(黒豆)の生育の様子。ポタジェにタネをまいて2カ月ほど
大豆(黒豆)の生育の様子。ポタジェにタネをまいて2カ月ほど

見逃してしまうほど小さいですが、とても可愛らしい花が咲きます。花の色は品種によって変わります。鞍掛豆はピンク色。黒豆は白色。

大豆(枝豆)の花。とても小さいけれど、マメ科特有の花の形をしてるのが面白い
大豆(枝豆)の花。とても小さいけれど、マメ科特有の花の形をしてるのが面白い

「手前みそ」づくり

用意するもの

・大豆 1kg
(今回は、購入した有機栽培「とよまさり」750g、「鞍掛豆」(自家製)250gを使用)
・米麹 1kg(生麹を使用)
・天然塩 500g(塩切り用450g、最後の振り塩用50g)

 

・大きめの鍋や圧力鍋、ザルやボウル、おたま などの調理器具 
・マッシャーやクッキングカッター
・漬物用袋、もしくは大きめのトレー
・保存容器
・食品用消毒アルコール(35度以上のウオッカ、焼酎などでも可) など

作り方

1. 準備。大豆を洗い、3~4倍の水に18時間以上浸す。すると豆は約2.5倍に膨らむ

 

[check] 大豆を浸す水は、浄水器の水やミネラルウォーターがおすすめです。

大豆をていねいに洗う
大豆をていねいに洗う
3~4倍の量の水に浸す
3~4倍の量の水に浸す

2. 大豆を煮る。浸しておいた水も一緒に、吹きこぼれないように大きめの鍋に移し替える。柔らかくなるまで3時間ほど煮る。圧力鍋を使用すると10~15分ほどで煮上がる。軽く指でつまんで潰れる状態になればOK

 

[check1] 時間があれば煮汁に漬けたまま一晩置いておくと、出た旨みを豆が再び吸収してさらにおいしくなります。

[check2] しっかり柔らかくなるまで煮ましょう。この後の潰す作業がラクになります。

浸した水もそのまま、豆と一緒に大きめの鍋に移す
浸した水もそのまま、豆と一緒に大きめの鍋に移す
柔らかくなるまで煮る。または圧力鍋で煮上げる
柔らかくなるまで煮る。または圧力鍋で煮上げる

3. 麹の塩切り。ボウルか漬物用袋に米麹(1㎏)と塩(450g)を入れ、手のひらで揉みほぐすように、均一になるように混ぜ合わせておく

米麹と塩を均一に混ぜてなじませる
米麹と塩を均一に混ぜてなじませる

4. 煮えた大豆を潰す。豆と汁をザルにあげて、マッシャーやクッキングカッターなどで大豆を潰していく。煮込んで一晩置いた大豆の場合は、もう一度火にかけて温めてから潰すとよい

 

[check] 煮汁は、硬さの調整の種水(煮汁100cc+塩10g)としても使用するので、捨てずにとっておきます。

煮えた豆と汁をザルにあげる。煮汁は種水に使うので、とっておく
煮えた豆と汁をザルにあげる。煮汁は種水に使うので、とっておく
クッキングカッターでペースト状にする
クッキングカッターでペースト状にする

5. 大豆と麹を一緒にしてこねる。塩切りした麹に、ペースト状の大豆を入れ、袋のままこねる。その際の大豆の温度は、人肌程度(35℃程度)がベスト。種水を少しずつ加えてこね、耳たぶぐらいの柔らかさにしていく

 

[check] 前年の味噌(種味噌)大さじ3程度を一緒に混ぜると、発酵、熟成が進みやすくなると言われています。まさに家庭の味。「手前みそ」の秘訣かもしれません。

前年の味噌も加える
前年の味噌も加える
袋のままこねるとよい
袋のままこねるとよい

6. 保存容器に詰める。容器は予めアルコールで消毒しておく。ハンバーグをつくる要領で空気を抜きながら丸め、容器に隙間なく詰めいく。発酵すると膨れてくるので、容器ギリギリまでは入れないようにすること

空気を抜きながら丸める
空気を抜きながら丸める
容器に詰めていく
容器に詰めていく

7. 塩をふる。容器に詰め入れたら、表面を一度しっかりと押さえ、残しておいた塩をふってラップをかけ、空気が入らないようにする。最後に、日付を記入しておく

 

[check] 空気に触れるとカビが生えやすくなります。塩とラップできっちりと密閉しましょう。必要に応じて、袋に入れた塩や小豆(あずき)などを、重し代わりにのせておいてもよいでしょう。

塩をふる
塩をふる
ラップで密封し、つくった日付を書いておく
ラップで密封し、つくった日付を書いておく

8. 保存場所。温度差の少ない冷暗所に置き、6~8カ月ほどでお味噌の完成。約3カ月後に天地返し(上下をひっくり返す)をすると発酵が均一になり、お味噌が美味しく仕上がる。もしもカビが生えてしまったときは、カビの部分を取り除けば大丈夫

 

自分で手作りした、無添加のお味噌は安心ですね。お野菜をたっぷり入れたお味噌汁などにしていただき、体の内側から健康に!
次回は、いよいよ春に向けて、「タネの準備、苗づくりの方法」をご紹介したいと思います。

この記事を書いた人

藤井 純子

藤井 純子

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。

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