第29回

今週の花(2月7日)シダ類~花紀行

エルミタージュ=隠れ家的な、走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」を紹介します。冬の期間は、印象に残るガーデン・花をピックアップしてお伝え。

撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美

今回は、前々回の「ホスタ」に続いて、日陰向きの植栽(葉もの)シリーズです。庭の中でも、日陰のエリアはどうしても手抜きになってしまいますよね。物置き場所のような状態になったり、見ないことにしていたり…と扱いが悪くなってしまいがち。
そんな時、シダ類を植えてみませんか? 手もかからず、肥料いらずで簡単に育てられます。花こそ咲きませんが、春の芽吹きはやわらかな色調のグリーンがおいしそうに見えるくらいです。

 

オシダは大きく葉を伸ばし、周りをすっぽり隠してくれて存在感もありますので、針葉樹の下にぴったりの植栽です。

オシダ
オシダ
針葉樹の下は通年日陰になるエリア。大きく葉を広げ、周囲を埋めてくれるオシダが重宝
針葉樹の下は通年日陰になるエリア。大きく葉を広げ、周囲を埋めてくれるオシダが重宝

パーゴラの下も、絡まる植物が茂ってくると日陰になってしまいます。夏の暑い日にその下で飲むお茶は格別ですが、足元に植えられた植物はちょっと日当たりが悪くてかわいそう…。そこで我が家では、石板やレンガを多用して、その間に日陰に強いものを植えています。ホスタやクリスマスローズ、ヒューケラなどと一緒にシダ類も。小さめのシダとニシキシダです。やわらかい光がちょうどよく当たって、癒し効果も十分。本当に落ち着く空間になっています。

ニシキシダ
ニシキシダ
石板やレンガの床材の間に植栽して、デザイン性もよく
石板やレンガの床材の間に植栽して、デザイン性もよく

また、大きな広葉樹の下も夏場は葉が茂ってきて、日当たりは十分とは言えません。そんな場所でもシダ類にとってはよい環境です。クリスマスローズ、シダ、アイビーなどを這わせて、グリーンのグラデーションを楽しんでいます。

落葉性広葉樹の足元に設けた花壇。クリスマスローズ、シダ、アイビーなどを這わせて
落葉性広葉樹の足元に設けた花壇。クリスマスローズ、シダ、アイビーなどを這わせて

イギリスで見た例です。フラワーショーではシダ類をアクセントに使っていましたが、やはり木陰のエリアを想定しているようでした。また、カラフルな植栽の中で、空間を埋めるように使う手法も素敵でした。

葉を広げるシダがアクセントになって、空間に動きが加わる。ショーガーデンから
葉を広げるシダがアクセントになって、空間に動きが加わる。ショーガーデンから
華やかな植栽の中に数種類のシダ。空間を埋めて、花色へとつながるように。ショーガーデンから
華やかな植栽の中に数種類のシダ。空間を埋めて、花色へとつながるように。ショーガーデンから

「シシングハースト キャッスル ガーデン」では植栽のポイントに利用されていましたし、「ベス・チャトー ガーデン」ではウッドランドエリアとウォーターガーデンエリアが魅力あふれる空間に。
カントリーサイド(田舎まち)の道路脇のお宅でも、通りに面してさりげなくシダが植えられていて、家の周りをグリーンの植栽で包み込むように演出していました。

空間の中心に、植栽のポイントとしてシダが利用される。シシングハースト キャッスル ガーデンから
空間の中心に、植栽のポイントとしてシダが利用される。シシングハースト キャッスル ガーデンから
ベス・チャトー ガーデンのウッドランドエリア。水辺や花壇のコーナーに大型のシダ類を植栽
ベス・チャトー ガーデンのウッドランドエリア。水辺や花壇のコーナーに大型のシダ類を植栽
通りに面した一般のお宅。家の周りのグリーンの演出に、シダが使われている
通りに面した一般のお宅。家の周りのグリーンの演出に、シダが使われている

北海道でも、至る所でシダを目にしますよね。こちらの気候に適した植物と言えそうです。オシダは大きくなるので小さな庭では邪魔になりそうですが、ニシキシダなどはあまり大きくならないし、色合いもシックなのでおすすめです。植栽の一つに、検討してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

走川  貴美

走川 貴美

「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。6年前から長沼町に移り住み、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。

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