ヘリオトロープを上手に冬越しさせる
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春になったらしたいことを、今からリストアップ! 計画的に季節の恵みを楽しみます。 …香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。
かりの あさの
ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。
日ごとに雪解けが進み、冬から春に季節が移っていることを感じますね。室内で越冬させているレモンバーベナの葉や、オールシーズン役立つ甘夏(あまなつ みかん)の皮などを乾燥させるのが、最近の日課になっています。お茶で飲んだり、さまざまなシロップを作るときの風味づけに利用します。
北の大地の春は、本州より1カ月遅れ。その後は、遅れを取り戻すかのようにいっせいに花が咲き出して、スピード感もボリュームもいっぱいに華やかなシーズンを迎えます。
仕事も繁忙期に入っていくので、時間に追われ気味になり、自宅での食生活やせっかくの庭での楽しみがおろそかにならないよう、春になったらしたいことを今からリストアップしています。「桜の葉の塩漬け」「ビネガーシロップの仕込み」「苺(イチゴ)のサンドイッチ作り」「旬のアスパラ料理」などなど…。
庭の桜は、葉を摘んで乾燥させます。お茶にすると香り豊かで美味しいんです。
また、摘んだ葉を塩に漬けて、数日後に下処理をしてから梅酢に漬けておくと、「桜餅の葉」ができあがります。あの香りは、桜の葉に含まれるクマリンという成分が塩に反応して生まれるのです。桜の花も一緒に漬けると、なお楽しめますよ!
また、まん丸のチャイブの花をお酢に漬けるだけで、「チャイブビネガー」ができあがります。ピンク色になり、ネギのような甘い風味が酢に移ります。料理の味つけに使えるので、焼き魚にさっとかけたり、お醤油との相性も◎。チャイブの花が咲く時期のお楽しみビネガーです。
地もののイチゴが出回る頃には、「イチゴのビネガーシロップ」も作ります。イチゴ、氷砂糖とお酢を瓶に入れるだけ。氷砂糖の代わりに蜂蜜を使うこともできます。
お砂糖を使う場合は、必ずお酢と砂糖を鍋に入れて沸騰させ、冷ましてから使用します。発酵してしまうためです。 あえてフタを密閉せずに、イチゴと砂糖だけでつくる発酵シロップもありますが、こちらは手間をかけて面倒を見られる方にはおすすめです。
イチゴのサンドイッチもよく作ります。生クリームとイチゴをたっぷり挟んで、カット面を意識するといろいろな断面を楽しむことができ、ケーキに負けない魅力的なデザートにもなります。
アスパラも楽しみの一つ。道内産アスパラはファンが多いですよね。
1日で10cm以上成長する力強い生命力は、アスパラの栄養素と関係しているのかもしれません。疲労回復におすすめです。
地元ならではの贅沢な使い方。アスパラを1本まま、薄くスライスされた豚肉をくるくると巻いて焼き上げます。お肉の内側に味噌を塗って、シソやイタリアンパセリなどを一緒に巻くのもおいしいですよ。
季節を追って、さまざまなことを楽しめる暮らし。その季節にしか味わうことができない魅力とともに、その季節にしかできない仕込みのタイミングも逃せません。
もうすぐ訪れる“春にしたいこと”から、リストアップしてみませんか。いずれは1年を通して計画を立てられるようになって、毎年の楽しいサイクルになっていくといいですよね。
ハーブ研究家。(株)ルピシア グルマン顧問。ハーブを取り入れた植栽デザインや料理の提案、また、ハーブ講座の講師として活躍。日本園芸協会ハーブコーディネーター、JAISハーブ学習指導員、JEAJアロマテララピーアドバイザーほか。 自宅の庭で100種類以上のハーブの植栽、野菜栽培を楽しむ。かりのあさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。
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