多肉ライフ!春の庭仕事 簡易ハウスの設置と多肉コーナーづくり ~土屋千尋さん
土屋 千尋
もうすぐ春。今回は、気軽に育てて楽しめるハーブをご紹介します。 …香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家の、かりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。
かりの あさの
ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。
日々、日差しが強くなってきたように感じられます。植物たちも春を感じて、雪の下で準備を始めていることでしょう。
不思議なことに、冬から春に向かう時は、ほかの季節に移り変わるときより気持ちがワクワクしますよね。そして土が見え始めると、じっとしていられなくなるのは「ガーデナーあるある」の一つです。
今回は、気軽にハーブを育てて楽しむ、香りのある暮らしを提案してみたいと思います。
大きく立派に育てられなくても、いいんです…。
タネから育てた苗でも、苗を購入して植えたものでも、成長過程を見守って、大きく育ったハーブを暮らしや食生活にプラスして楽しんでみましょう。
庭で育てたハーブは、なんと言っても香りが素晴らしい。キッチンハーブの香りは、ほとんどが枝葉の裏側に小さな香りのカプセルを蓄えていて、それが弾けることによって香りを放ちます。
雨の日や風が強い日は香りは薄くなり、炎天下も乾燥から身を守るために精油成分を揮発させてしまうので、香りは薄くなります。ハーブは、日差しのやわらかい午前中の早い時間に収穫するのがおすすめですよ。
育てやすいハーブとして、イタリアンパセリがあります。ビタミン、ミネラルが豊富で、利尿や消化促進が期待できます。
バジルは、抗菌作用を持つほか、消化促進を期待できます。オリーブオイル、ニンニクやトマトとの相性がよいのは、ご周知の通りですね。
バジルはシソ科なので、ほかのシソ科のハーブ、大葉やオレガノなどとも相性がよく、ザクザク刻んだバジルと、大葉をたっぷりのせたペペロンチーノは大変味わいがよくおすすめです。
セージは、ハーブの中でも殺菌作用が高く、香りも個性的。お料理に使うときには、ほかのハーブとブレンドすると扱いやすくなります。殺菌作用を生かして、喉のうがいに使うこともできます。ハーブティーを淹れて冷ましてから、うがいしてみてください。
ローズマリーは、血流アップで有名なハーブ。おすすめは、フライドポテトの香り・風味づけに。ローズマリーの葉を刻んで、お塩と一緒にフライドポテトにぱらぱらと振りかけます。また、豚肉料理にもよく合います。
血流アップや集中力を維持したい時などにはローズマリーの香りを嗅いで、反対に、リラックスしたい時にはラベンダーの香りといったように、自律神経のスイッチの切り替えに応用するための研究にも、これらのハーブは使われています。
一年草のハーブは植えた年にそれなりに収穫できますが、宿根草ハーブはタネまきからスタートするとその年はあまり収穫できませんので、ある程度収穫を楽しみたい場合はポット苗がおすすめです。
スィートマジョラムは、オレガノの仲間で、より甘くスパイシーな香りがします。耐寒性の弱いハーブです。
蒸し暑さも、低温も苦手なスイートマジョラム。苗が小さなうちは多少気を揉みますが、香りが素晴らしく、トマトソースを作る際にはバジルと同じくらいメインの香りとして大切に感じます。
苗はあまり店頭で見かけないので、見つけたら買い時です!
レモンバームは、お茶にしてもよし、やわらかい葉はサラダにも使えます。ほんのりレモンの香りがする、扱いやすいハーブです。寒さにも強く、庭での越冬が可能です。
フェンネルの香りが好きな方には、ぜひ育てていただきたいのがフローレンスフェンネル。スィートフェンネルとは違って背丈は高くならないので庭の植栽向き。肥大する茎元をメインに食します。
フローレンスフェンネルをバターとニンニク、ブラックペッパーと一緒に炒めたものをバケットにのせていただくと、その風味がクセになります。
ハーブ以外にも、育てた野菜を一緒に使って料理を作ることができたらいいですね!
フレッシュハーブやホールスパイスを砕く際に、石臼(いしうす)を使うのですが、石が熱の上昇を抑え、フレッシュな香りが飛ぶのを防いでくれます。面倒な作業ではありますが、道具にこだわって作業自体を楽しむこともできますよ。
チョッパーも、意外と頻繁に使っていますね。こちらも野菜やハーブを細かくする道具、チョッパーサラダを作るときに役立ちます。不揃いのカット感がシャキシャキとした食感を増してくれます。
それぞれのハーブや野菜を使って、「おかず」を作り置きしておけば、ささっと済ませたいランチタイムには特に時短になります。彩り豊かに盛り付けて楽しめますよ。
ハーブはお花も食べられるものが多いです。水にさらしてきれいにしてから、パンケーキやパフェに飾り付けして楽しむことができます。
ハーブには食用できるもの、できないのものがありますので、わからなければ、必ず調べてから使うようにしましょう。また、高血圧の方はローズマリーを避けるなど、体調によって向き不向きがあります。ご自分の体調を考えて、上手にハーブやスパイスを取り入れていけるとよいですね。
ハーブ研究家。(株)ルピシア グルマン顧問。ハーブを取り入れた植栽デザインや料理の提案、また、ハーブ講座の講師として活躍。日本園芸協会ハーブコーディネーター、JAISハーブ学習指導員、JEAJアロマテララピーアドバイザーほか。 自宅の庭で100種類以上のハーブの植栽、野菜栽培を楽しむ。かりのあさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。
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