第35回

今週の花(4月4日) プルサティラ・ブルガリス(西洋翁草)

エルミタージュ=隠れ家的な、走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」を紹介します。冬の期間は、印象に残るガーデン・花をピックアップしてお伝え。

撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美

プルサティラ・ブルガリス(西洋翁草)
プルサティラ・ブルガリス(西洋翁草)

そうそう、春一番に咲いてくる花の中にプルサティラ・ブルガリス(西洋翁草)があります。翁草(オキナグサ)なんて言う名前、面白いですね。白頭草(はくとうそう)などとも呼ばれるそうです。花後にできるタネには白く長い毛があり、おじいさんの白髪に似ているからとか、髭(ひげ)に似ているからですって。
ずいぶん昔に、ニセコで初めてこの花を見たとき、初夏だったのでもう髭のようなタネになっていました。ガーデンのスタッフさんに名前を聞いたところ、翁草と言われて、その形態から「ふーん、納得」と思ったものです。

花後のタネには白く長い毛があり、ふわふわとした様子がユニーク
花後のタネには白く長い毛があり、ふわふわとした様子がユニーク

日本の翁草は、本州から九州の山地に咲いています。環境庁の「植物版レッドリスト」では、絶滅危惧Ⅱ類にランクされているそうで、環境変化と乱獲が原因とか。西洋翁草と比較すると環境適応力が弱いことから、栽培するなら西洋翁草の方がよいと思います。暑さには弱いけれど、寒さに強いので北海道向きです。

雪がまだ全部解け切らないうちから、地面を押してにょきにょきと出て来ます。可愛い「芽出し」です。花は、最初は下向きに咲きだします。それから上向きになって開花させます。不思議な花で、株ごとに同じ花色がないのです。少しずつ色が違っています。ニュアンスカラーと言えばいいのでしょうか。鮮やかではありませんが、心惹かれる花色です。

少しずつ蕾(つぼみ)を膨ませ、花は最初は下向きに、徐々に上向きに咲く
少しずつ蕾(つぼみ)を膨ませ、花は最初は下向きに、徐々に上向きに咲く
1株1株、花色が少しずつ異なる不思議な花

 

そして、花後に付けるタネが髭ような姿になり始める頃、周りの宿根草が勢いよく伸びてきます。ですから、春を呼び込んで、次につなげてくれる花のような気がしています。

タネを付ける頃になると、ほかの宿根草が花を付けたり、背丈を勢いよく伸ばす。花色や葉色の中でふわふわとしたタネの姿がアクセントに
タネを付ける頃になると、ほかの宿根草が花を付けたり、背丈を勢いよく伸ばす。花色や葉色の中でふわふわとしたタネの姿がアクセントに

背丈が低いので、我が家の庭では通路の縁に植えています。上から見てもなかなか可愛らしい花です。黄色の花芯の何とも言えない、ほっこり感もいいですよ。

早春からずーと楽しませてくれる西洋翁草を、ぜひお庭の仲間に迎え入れ、育ててみてくださいね。

背は低く咲き、黄色い花芯との取り合わせも何とも愛らしい。春らしい、ほっこりとした気分に
背は低く咲き、黄色い花芯との取り合わせも何とも愛らしい。春らしい、ほっこりとした気分に
我が家の庭。春はこの花が園路を彩る
我が家の庭。春はこの花が園路を彩る

この記事を書いた人

走川  貴美

走川 貴美

「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。6年前から長沼町に移り住み、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。

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