北海道の花育て「7月」―宿根草・草花のこと

バラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理を専門家がお伝え。

教えてくれる人!

高林 初さん(イコロの森)
苫小牧市にある観光庭園「イコロの森」勤務。宿根草のガーデンデザイン、園内の管理などを担当。

高林 初さん(イコロの森)
高林 初さん(イコロの森)

夏の主な作業は「花後の花切り」

 初夏から夏にかけては宿根草が次々と咲いて、庭は最も華やかに。咲き終わる花も出てくるので、この時期の主な作業は、花後の「花切り」になります。
 開花が終わった花は随時「花切り」を行なうと、開花期間を長く楽しめます。例えば、サルビア類、ネペタ、ゲラニウムなどです。

 一度しか咲かない種類も、花切りを行なってタネを付けさせないことで、株を充実させられます。ただし、アスチルベやエキナセア、エリンジウムなど、秋以降にシードヘッド(花後に付けるタネの姿)を楽しみたい場合は、あえて花切りをしないでおくのもよいでしょう。

 そのほかの作業は、地面が見えている場所では雑草がどこからでも生えてくるので、雑草取りを行ないます。この時期に庭の中で目立つ雑草といえば、背の高いヒメジョオン、アワダチソウなど。

 宿根草の株が大きく成長し地面を覆っているような庭ですと、雑草自体が植物の陰になり生えにくいので、草取りの手間は減ると思います。

「イコロの森」の初夏の宿根草ガーデン。写真はボーダーガーデン。たくさんの花が咲き揃ってくる

手前のブルーの花はゲラニウム。開花期間を長く楽しめる花の一つ

ネペタも開花期間が長く、ボーダー花壇の手前などの彩りに重宝。花壇の角(コーナー)などにも

アスチルベは、花はふわふわとした花穂に。花後は花切りせず、秋のシードヘッドを楽しめる

初夏からの「イコロの森」は、テーマ分けされた「ホワイトガーデン」や「ローズガーデン」も魅力

そのほかの管理

水やり
庭の宿根草は、自然の降雨に任せてよいでしょう。日照りが長く続くような場合は、植物の状態を見て潅水(水やり)をします。

肥料
夏の暑い時期には控えてください。

病害虫
見つけ次第対処します。よく観察して、兆候が見られたらすぐに対処することも大切です。適切な株間を確保し、通気性もよくしておきましょう。また、株元にマルチングを施すのも予防になります。主な病害虫の対処は次の通り。

・うどん粉病
植物が混み合っているようなら、間引くなどして通気性を保ちましょう。症状が現れたら、その葉を取り去ります。適切な薬剤を使う方法もありますが、重曹(じゅうそう)やお酢を水で薄めたものをスプレーして、広がるのを防ぐことも。

・アブラムシ
手やブラシなどでこそぎ取ります。専用の殺虫剤をアブラムシに向けてスポット散布します。

今から植えるなら!

これからの季節は曇りの日を選んで植えるとよいでしょう。植え付けたら、水をたっぷり与えまます。また、マルチング(株元にバークチップなどを軽く敷き均す)を行なうことで、乾燥や地温の上昇を防ぐことができますので、ぜひ行ないましょう。植え付け後しばらくはよく観察し、土が乾いたら潅水を行ないます。

niwaculスタッフの庭から
niwaculスタッフの庭から

大株のポット苗を2つに分け、最近植えたばかり。
「なるほど、マルチングをするとよいのか」(niwaculスタッフ)

種類による手入れのポイント

今年植えたばかりの株(初年度の株)
・開花後、花切りを行ない、タネを結実させないこと。
・周囲の雑草をていねいに取り除いて、養分やスペースを株に集中させます。


繰り返し咲く種類
・次に咲く花芽(つぼみ)のすぐ上で花切りをします。


シードヘッドが楽しめる種類
・花後はそのまま花切りをしないでおいておくと、秋以降に個性的なタネを付けた姿を楽しめます。
(例)アスチルベ、エキナケア、アスクレピアス、エリンジウムなど。

エリンジウム
エリンジウム

こぼれ種で増える種類


(例)ラティルス、ケントランツス、エリゲロン、アルケミラ モリスなど。


増やしたい場合…花切りを行なわず、タネを落とすのを待ちます。翌春タネから育ったものは、庭の中で適切な株量や配置など、バランスを見ながら残したり、取り去ったりします。

増やしたくない場合…順次花切りを行ないましょう。

エリゲロン
エリゲロン

球根類
・咲き終わった花は花切りを行ない、葉が緑色で残っている場合は施肥を行ないます。葉がすべて枯れたら、種類によっては掘り取って、暗く涼しい場所で、通気性よく保管し、秋の植え込みを待ちます。

お話を伺った人

高林 初(イコロの森)

高林 初(イコロの森)さん

英国Writtle College(リトルカレッジ)にてガーデンデザインを学ぶ。現在は苫小牧市にある「イコロの森」に勤務。宿根草ガーデンの管理・栽培等を担当する。

この記事を書いた人

niwacul編集部

niwacul編集部

北海道のガーデニング&カルチャーWEBマガジン「niwacul(ニワカル)」編集部。ていねいな暮らしを楽しむガーデナーによる、北海道の生活情報発信メディアです。

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