
北海道の花育て【12月】バラ ~耐寒性の強弱よる「つるバラの冬囲い」
曽根 浩太
北海道のバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「宿根草・草花」についてお伝えします。
高林 初さん
苫小牧市にある観光庭園「イコロの森」勤務。宿根草のガーデンデザイン、園内の管理などを担当する。
雪が解け、春を告げる花が咲き始めます。北海道の野山ではフクジュソウやエゾエンゴサクが、花壇ではスノードロップやミニアイリス、シラー、クロッカスなどの小球根が咲きます。いずれも地面近くで小さく咲く花です。
雪解け後は、花壇に残った落葉や枯れ枝などをていねいに掃除してあげましょう。クリスマスローズやプルモナリアなど常緑や半常緑の種類は、雪の下で越冬した葉が傷んでいることがあります。茶色かったり、黄色かったりする葉を取り除きます。
掃除や傷んだ葉の処理が終わったら、「中耕」という作業を行ないます。植えてある植物の株と株の間の土の表面を、根を傷めない程度の浅さで軽く耕すことです。おすすめの手順は以下の通りです。
1. 花壇全体に腐植を敷き均す
腐植は動物性の牛ふんや馬ふん、植物性の腐葉土やバーク堆肥の両方を混ぜて使用するのがおすすめです。厚さは5cm~8cm程度。
2. 小さな熊手やフォークで表面を耕す
植えてある植物の根を傷めないよう、表面の数センチをひっかく程度で大丈夫です。腐植を加えてから中耕を行なうことで、土壌の通気性や水持ちをさらによくすることができます。
園芸店には多くの宿根草が並ぶようになりますが、北海道では庭に苗を植えるのは、気温が安定してくる連休(ゴールデンウィーク)頃まで待った方がよいと思います。積雪の多かった今シーズンは特に、状況を見極めながら庭の作業を始め、植え付け時期にも配慮しましょう。
英国Writtle College(リトルカレッジ)にてガーデンデザインを学ぶ。現在は、苫小牧市にある「イコロの森」の勤務、ヘッドガーデナー 。設計からメンテナンスまで庭づくりの幅広い経験をもとに、宿根草ガーデンの管理・栽培等を担当。
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