第38回

今週の花(4月25日) 春の訪れ part.2

エルミタージュ=隠れ家的な、走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」を紹介します。北海道にも、いよいよ春の訪れです。

撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美

 

先週に引き続き、我が家の庭の“春の花たち”の開花状況です!

待ちに待った「カタクリ」が、花を咲かせました。まるでバレリーナみたいです。チュチュ(スカート)を着けて、踊っているような花の姿。毎日庭へ見に行き、もう少しもう少し…と見守ってきましたが、やっと咲いてくれました。植えてからもう何年にもなるのに数輪しか花を付けないので、大切に見守って、私にとっては春の楽しみの一つになっています。

カタクリの花。反り返る花びらは、日差しを受けて透き通るような美しさ
カタクリの花。反り返る花びらは、日差しを受けて透き通るような美しさ

数年前に東北を旅行していたとき、満開のカタクリの里に出会いました。ピンク色の絨毯のようでした。これを維持するのは、大変な努力がいると聞きました。アリがタネを運び、芽を出すまでに8年から9年かかるのだそうです。

 

函館にも群生地があり、料亭のご主人が朝摘みしたものを椀ものの上に一輪、あんかけで出してくれました。「春のほんの数日しか出せない椀です」とご主人。私たちは、ありがたくいただきました。
この花の根から片栗粉が作られるのが、本当の片栗粉です。今はジャガイモのでんぷんが主流ですね。

エゾエンゴサク。きれいなブルーの花色に、見とれてしまう
エゾエンゴサク。きれいなブルーの花色に、見とれてしまう

「エゾエンゴサク」も咲き出しました。このブルーの色は、なんて素敵なのでしょう。花言葉は、「妖精たちの秘密の舞踏会」というそうです。そんな感じ、しますね。そっと咲いて、そっといなくなるのですから。カタクリと一緒に咲くとピンクとブルーの花色のコラボレーションがとても素敵ですね。

そばには、「エゾナニワズ」が咲いています。北海道に広く分布している小低木で、黄色い花がとても愛らしいです。
カタクリ、エゾエンゴサク、エゾナニワズも庭の日陰のエリアで咲いて、春はこれらの花を見つける喜びにあふれています。

エゾナニワズ。枝先に黄色い花を複数輪付ける。花には香りもあるみたい
エゾナニワズ。枝先に黄色い花を複数輪付ける。花には香りもあるみたい

日なたの方は、ラッパ水仙、ムスカリ、オンファロディス、プルサティラ(西洋オキナグサ)、スミレ、ヒマラヤユキノシタなどが咲き出して、賑やかになってきました。春は花色が日々増していき、とても楽しいですね。

ラッパ水仙。ラッパ状に突き出た花の形が特徴。この花が咲くと、庭が一気に明るくなる
ラッパ水仙。ラッパ状に突き出た花の形が特徴。この花が咲くと、庭が一気に明るくなる
ムスカリ。ブドウのような小花が咲く。背丈も小さく、モコモコと顔を出す様子が可愛い
ムスカリ。ブドウのような小花が咲く。背丈も小さく、モコモコと顔を出す様子が可愛い
スミレ。春に咲く野草の一つ。深い紫色の花、可憐な姿が魅力
スミレ。春に咲く野草の一つ。深い紫色の花、可憐な姿が魅力
ヒマラヤユキノシタ。楕円形の葉と、独特のピンク色の花が特徴。春先の寒い時期から、わりと長く咲く .
ヒマラヤユキノシタ。楕円形の葉と、独特のピンク色の花が特徴。春先の寒い時期から、わりと長く咲く .
オンファロディス。濃いブルーの花を咲かせる種類。ボリューム感が出てくる
オンファロディス。濃いブルーの花を咲かせる種類。ボリューム感が出てくる

「ソメイヨシノ」も蕾(つぼみ)が膨らんで来たので、もうすぐ我が家の“開花宣言”が出せそうです。長沼の遅い春が、動き出しました。
次は、サクラの花が咲く庭風景もお伝えできそうですね。

西洋オキナグサも蕾(つぼみ)から次々と花が開き、より華やかに
西洋オキナグサも蕾(つぼみ)から次々と花が開き、より華やかに

この記事を書いた人

走川  貴美

走川 貴美

「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。6年前から長沼町に移り住み、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。

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