かりのあさのさんの With the Herb ~<前編>甘くておいしい! ボリュームたっぷり“おやつ系サンド” ~旬のフルーツサンド
niwacul編集部
今回も、宿根草やハーブ類を植栽したガーデンを1つご紹介します。 …香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。
かりの あさの
ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。
前回に続いて、ハーブを使った宿根草ガーデンを紹介したいと思います。
私がお手伝いをしている、ニセコにある「ルピシア」のクラフトビール工場前にも、宿根草のガーデンがあります。
世界の紅茶を扱うショップとして、ご存じの方もいるでしょう。ニセコにはルピシア工場のほかに、ブティック&レストラン、ニセコ道の駅のショップ、そしてクラフトビール工場があります。
ビール工場のガーデンも今年で3年目を迎えるので、ボリュームアップしてくると期待しているところです。緩やかな斜面と、しっかりと傾斜のついた法面(のりめん)に宿根草やハーブ類を植栽しています。
赤い外壁の「工場」と呼ぶには気が引ける素敵な建物では、数種類のクラフトビールを製造しています。壁の色と花色が調和するように、落ちついたトーンの中間色の花々をチョイスして、グラス類も多く入れています。手間が少なく管理できるよう、グランドカバーに適した植物も多用しています。
通路の縁に「エリカ(ヒース)」をグランドカバーとして利用しているエリアがあります。這い性の品種のエリカは、常緑で白やピンク色の花を咲かせ、木質化していき、性質も丈夫です。
ほかにはラミウム、リシマキア、ワイルドストロベリーなどもグランドカバーとして利用しています。また、傾斜の強い法面にはツルニチニチソウを植栽。いずれ、表土を覆って隠してくれることを期待しています。
エキナセア、トリトマ、アナベル、ヤロウは同じ白っぽい花でも、縦に花穂を伸ばすもの、丸く平たい形状のもの、小さな花が集まって咲くなど、さまざまな花の形があります。グラス類をプラスして近くにまとめると、そのまとまりが白いコーナーとなり、遠目に見ても存在感のある演出になります。
オレンジとブルーの対照的な花色を組み合わせた植栽も。エキナセアとアガパンサス、ラベンダーが赤色の壁に映えます。銅葉のヒューケラ、フウチソウなどのグラス類もプラスして、落ち着いた雰囲気に仕上げています。
植栽デザインのポイントとしては、花色や花の形を組み合わせながら「小さなエリア」をいくつもつくり、全体をまとめています。各エリアが一つの“小さな庭”のように、その小さな庭がいくつも集まって、大きな庭になっているイメージです。
一年草を入れずに宿根草だけで仕上げているので、盛大な華やかさには欠けるかもしれませんが、落ち着いた風景が周りの山々や空に馴染んでくれることを願っているところです。
これから草取りの日々が待っていますが、“できる範囲”で行なうようにしたいと思っています。「完璧を目指さなくても大丈夫」という気持ちも大事です! 負担に思うことを減らし、楽しい気持ちで植物と触れ合うことが“長く続けるコツ”かもしれませんね。
ハーブ研究家。(株)ルピシア グルマン顧問。ハーブを取り入れた植栽デザインや料理の提案、また、ハーブ講座の講師として活躍。日本園芸協会ハーブコーディネーター、JAISハーブ学習指導員、JEAJアロマテララピーアドバイザーほか。 自宅の庭で100種類以上のハーブの植栽、野菜栽培を楽しむ。かりのあさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。
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