
北海道の花育て【3月】―樹木・花木のこと。春先の雪害対処と石灰硫黄合剤の注意点
森 正浩
北海道でのバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理を専門家が伝授。ここでは「芝生」についてお伝えしていきます。
赤石 恵一さん
造園店「エルガーデン」代表。個人の庭から、公共の緑地帯の緑地帯の維持管理・工事まで行なう。
庭の芝面もすっかりと雪は消え、そろそろ芝生の新芽が青く見え始める頃でしょうか。水が引いた後の最初の作業は、ゴミや冬の間にできたサッチなどの除去。清掃もすでに済んでいることと思います。芝面は清潔に維持するようにしましょう。
また、エアレーションや目土散布はGW頃(今の時期)が作業適期となり、芝面の清掃→エアレーション作業→目土散布作業→施肥工を一連の流れでスムーズに進められると思います。作業の進め方は、【4月】の記事を参考にしてください。
新規で庭に芝を張りたいと考えている場合は、5月中に行なうとよいでしょう。
床土の条件ですが、芝は通気性のある土を好みます。もし普段から排水性が悪い場所では、排水の対策や土壌改良が必要となりますので、検討してみてください。排水のよい好条件の場所でも、水はけのよい客土を最低10~15cmを敷き均してから、芝張りを行なうことをおすすめします。
床土をつくる際のコツは、しっかりとした転圧と水勾配(水平よりわずかに傾斜させた勾配)をつけて整地を行なうことです。根の活着をよくするためにも、しっかりと転圧を行ないましょう。
芝生は、ロール状になったものが搬入や作業も行ないやすくおすすめです。準備するものと基本的な作業の流れは、次の通り。
芝生、スコップ、レーキ、トンボ、肥料、ローラー(なければ板などで代用)、鎌(かま)、ふるい、目土もあるとよいです。
芝生は、北海道では庭芝・公園芝・良質芝などの名前で流通しています。ケンタッキーブルーグラスを主体にしたロール状のものが多く、サイズは基本30cm×2m(1.8m)。
1. 床土を作る
広い場所でなければスコップで15~20㎝程の深さで耕す。元肥を同時にすき込んでもよい。ゴミや雑草、石などを取り除き、水はけが悪い環境では土壌改良も行なう。
2. 整地する
耕した後はレーキやトンボを使い、くぼみがないように均す。特に真ん中にへこみがあると水が溜まる要因に。水勾配も考慮して作業を行なう。最後にローラーなどで転圧して仕上げる。板の場合は上に乗って転圧する。
3. 芝を張る
整地した床土に芝を配置。ロール芝のサイズを考慮して並べる。べた張りで、施工場所の形に合わせて間隔をあけずピッタリと張る。コツは、1カ所に真っ直ぐな基準線を設けるときれいに仕上がる。
4. 転圧して仕上げる
ローラーできっちりと転圧作業。ローラーがなければ板で代用。目土があれば隙間や切り口に覆土することも有効。
5. 芝生に散水
最後に、たっぷりと水を与える。芝張り後は最初の1週間が大事で、発根を確認するまで乾かないように注意する。その後は、乾いたらたっぷりと散水し、メリハリをつけて行なうことが必要。
芝張りする際、四角いエリアや曲線が多いなどさまざまです。基準線を設けて平行に張ることがポイントになります。
●四角いエリア
基準線に平行して、隙間なく芝生を張っていく。
●曲線を描くエリア
変形や曲線を描くエリアは、その中心となる場所に水糸を張って基準線をつくる。
この記事を書いた人
恵庭市にある造園店「エルガーデン」代表。公共の緑地来の維持管理・工事をはじめ、個人の庭の設計・施工などのも行なう。芝庭・バラの庭を得意とする。ご自宅の庭では、バラの庭づくりを長年楽しんでいる。
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