第7回

わたしの庭どうぐ <第7回> 「移植ゴテ」は“掘る”だけでない

ガーデニングを快適に! 使いやすい道具やおしゃれなガーデニングウェアを身に着けて、庭しごとを楽しく行ないましょう。「庭どうぐ」の基本の選び方、豆知識、おすすめなどを、園芸グッズの企画・開発も行なう武藤良幸さんが伝授します。

 

片手で穴を掘る「移植ゴテ」。使い方はそれ以外にも

目盛り付きの移植ゴテ。球根を埋める深さを測るときにも便利
目盛り付きの移植ゴテ。球根を埋める深さを測るときにも便利

「移植ゴテ」という庭道具があります。これをスコップやショベル(シャベル)と呼ぶ人は多いようです。
スコップは掘るというより、物をすくい取るためのもの。ショベルは足で踏み込む力を使って、大きく深い穴を掘るためのもの、という規格が日本にはあります。地域や使う人によって呼び方はそれぞれと思いますし、どのように呼んでも自由ではありますが、小さな苗を植えるときに片手で穴を掘る庭道具には、「移植ゴテ」という名前があることも知っておいてください。

 

その移植ゴテ、100円均一ショップからホームセンター、キャンパー御用達のアウトドアショップまで、ピンキリの価格でさまざまなものが売られています。それらをまるっと「小さな穴を掘るためのもの」として見てしまうと、何をどう選べばよいのか迷ってしまいますね。
移植ゴテにはいくつかの種類があり、自分と自分の庭に合ったもの、用途に合ったものを選ぶこともガーデナーとしてステップアップするための大切な足掛かりです。

 

移植ゴテを選ぶには、どんなシーンでどう使うかをイメージする必要があります。そもそも、移植ゴテは小さな穴を掘るためのものと書きましたが、実は「掘る」だけでなく、「切る」「均す」「叩く」「削ぐ」「測る」といった使い方もできます。

 

「掘る」…土だけでなく、土の中にある石やゴミを掘り出す役割。
「切る」…根を切る目的で、移植や株分け、雑草抜きに欠かせない役割。
「均す」…デコボコになった土を平たく均す役割。
「叩く」…土で水鉢や畝(うね)を成形して固めるための叩く役割。
「削る」…コテの縁で、ゼニゴケや雑草をガリガリと削ぎ取る役割。
「測る」…植える間隔や深さを測る役割。球根を埋める深さを測る目盛り付きの移植ゴテもある。

空洞や継ぎ目がない、アルミ一体成型の軽量で頑丈な移植ゴテ
空洞や継ぎ目がない、アルミ一体成型の軽量で頑丈な移植ゴテ
根切りに特化した移植ゴテ。「山菜掘り」と呼ばれることが多い
根切りに特化した移植ゴテ。「山菜掘り」と呼ばれることが多い
縁の細かいギザギザは根切りだけじゃなく、草刈りにも便利
縁の細かいギザギザは根切りだけじゃなく、草刈りにも便利
ハート形の珍しい移植ゴテ。表土を削ったり、株分けの際にも威力を発揮
ハート形の珍しい移植ゴテ。表土を削ったり、株分けの際にも威力を発揮

ベランダのプランターなら掘る役割だけでも十分ですが、締め固まった庭の土だとどう使うか、自分のガーデニングスタイルには何が必要かをイメージして、先端や縁が鋭利なもの、錆に強いもの、幅が細いもの、長いものといったさまざまな形や種類を見極めるとよいでしょう。

 

もし迷ったら、テコの原理でハンドル(持ち手部分)に大きな力を加えても壊れそうにない、タフな1本を選んでみてください。固い土を掘り起こしたり、埋まっている石を掘り出そうとして移植ゴテが折れ曲がってしまうと、ガーデナーの心も一緒に折れてしまいかねません。長く使えて愛着が持てる1本からスタートして、自分の庭や用途に合った複数の移植ゴテを揃えていくのもおすすめです。

この記事を書いた人

武藤 良幸

武藤 良幸

「momiji合同会社」代表。「momiji(もみじ)」は人と園芸、人と庭をつなぐための会社。若い園芸家や庭師を育て、彼らの道具や新しいガーデニンググッズの企画・販売を行なう。また、おしゃれな道具など介し、園芸・ガーデニングの普及活動に努めている。

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