第24回

室内から庭へ出した鉢植えの管理について

今回は、室内から外へ移動した鉢植えの管理についてお伝え。 …香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。

プロフィール

かりの あさの

ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。

 

 

レンギョウやツツジ、梅、いろいろな花木、春咲きの球根花や宿根草の花々も同時に咲き出して、一気に華やかな季節となりました。ガーデナーの皆さんは、毎日庭に出てお手入れを楽しんでいることと思います。
また、外では越冬できない植物を、鉢植えで室内管理していたものも庭に出し始めている頃と思いますので、今回は、室内から出した鉢植えの管理についてお話ししたいと思います。

室内管理していたローズマリーの鉢植えを戸外へ。春の風に当たり強い紫外線を浴びて、環境の変化にきっとお疲れ
室内管理していたローズマリーの鉢植えを戸外へ。春の風に当たり強い紫外線を浴びて、環境の変化にきっとお疲れ

まずは鉢底を見てみましょう。鉢底の下穴から根が出ていたら、根詰まりを起こしているので植え替えが必要です。今より大きくしたくなければ、底の土を優しく崩して、少し根をカットしてから同じ鉢に植え直します。株をより大きく育てたい場合は、同じように根元を整えてから一回り大きな鉢に植え替えてください。
また、下穴から根が出ていなくても、鉢植えの表土に根が網目のように細かく見えているときも、根詰まりのサインです。

 

鉢植えは、植物の種類にもよりますが、早いものですと2年くらいで植え直しや植え替え(鉢増し)が必要になるものもありますので、以前はいつ行なったのかを記録しておくと、次のタイミングもわかりやすくなりますよ。

室内管理していたレモンバーベナとオリーブ。春の日差しを感じて、レモンバーベナが勢いよく葉を茂らせる
室内管理していたレモンバーベナとオリーブ。春の日差しを感じて、レモンバーベナが勢いよく葉を茂らせる

冬の間、大株のレモンバーベナやオリーブの鉢植えも室内管理をしていました。特にレモンバーベナは、室内で春の日差しを感じると、上の写真のようにニョキニョキと勢いよく葉を茂らせます。このまま庭に出してしまうと、必ずと言ってよいほど、春の寒風と強い紫外線に当たって新芽が枯れてしまうため、庭に出すタイミングで刈り取っています。新葉を付けた枝を短くカットし、新しい芽を促してあげましょう。
刈り取ったら捨てずに、やわらかな香りを蓄えた葉をお茶やお風呂に入れて利用しています。

刈り取ったレモンバーベナは、お茶にしてすっきりとした味わいを楽しんだり、お風呂に入れて香りに癒される
刈り取ったレモンバーベナは、お茶にしてすっきりとした味わいを楽しんだり、お風呂に入れて香りに癒される
カットした鉢植えは、外に出して新芽を促す。環境に慣れてくるとたくさん芽吹いてくる
カットした鉢植えは、外に出して新芽を促す。環境に慣れてくるとたくさん芽吹いてくる

レモンバーベナは「もしかして枯れてる?」と思うような枝の色をしていので、諦めて処分してしまう人も多いのですが、そんなときは枝先を折ってみてください。中心が黄緑色なら生きている証拠です! これはレモンバーベナに限らず、木質化する植物に共通する確認の仕方です。覚えておくとよいですよ。

 

カットしたレモンバーベナの鉢植えは、庭へ出して外の環境に慣れてくると、小さな芽がびっちりと芽吹いてきます。ここまでくれば安心です。時々、芯止めをしながら枝葉を増やしていきしょう。
たくさんの葉を付けて、こんもりとした姿に仕上がります。我が家では上だけに葉が茂るように(スタンダード仕立てのように)して、下方の枝葉はみんなカットしています。

玄関先で元気に育つレモンバーベナ。上方にこんもりと葉を付けている
玄関先で元気に育つレモンバーベナ。上方にこんもりと葉を付けている

ミントゼラニウムも同じように管理しています。室内管理で枝が間伸びしてヒョロヒョロになっているので、思い切ってカットします。すると脇芽が日差しを浴びて成長を始め、盛夏になる頃にはモリモリとした株姿に。
成長芯を止めることを「摘芯」「ピンチ」「芯止め」などの呼び方がありますが、ある程度のところで成長していく枝先を止めることで、脇芽が増えて株が充実し、見応えのある株姿に仕立てることができます。

成長すると、こんもりと葉を茂らせる。ミントゼラニウムの葉は摘んで料理やスイーツに添えて、エディブルフラワーとして利用している
成長すると、こんもりと葉を茂らせる。ミントゼラニウムの葉は摘んで料理やスイーツに添えて、エディブルフラワーとして利用している

室内管理していたものを戸外に出すということは、環境が大きく変わり、植物が受けるストレスは思っているより強いものです。少しでも負荷を減らして、環境に慣れやすいようにという意味も含めて、思い切ってカットしてみましょう。
庭仕事が一段落してゆっくりと庭を眺められる時間ができる頃には、みすぼらしく見えた株の姿も忘れさせてくれるほど、脇芽がぐんぐん成長して、充実した株の姿を楽しませてくれます。

庭のハーブたちが大きく育つ最盛期ももうすぐ! 庭を歩くとあちらこちらでハーブが香る。写真は自宅裏のエリア
庭のハーブたちが大きく育つ最盛期ももうすぐ! 庭を歩くとあちらこちらでハーブが香る。写真は自宅裏のエリア

この記事を書いた人

かりの あさの

かりの あさの

ハーブ研究家。(株)ルピシア グルマン顧問。ハーブを取り入れた植栽デザインや料理の提案、また、ハーブ講座の講師として活躍。日本園芸協会ハーブコーディネーター、JAISハーブ学習指導員、JEAJアロマテララピーアドバイザーほか。 自宅の庭で100種類以上のハーブの植栽、野菜栽培を楽しむ。かりのあさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。

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