第2回

8月に行くべき稚内のガーデン観光

広い北海道に点在するガーデンも飛行機を利用すればひとっ飛び。貴重な旅の時間を効率的に使ってガーデンを旅しましょう。第2回目は8月に行くべき「稚内空港」。日本で3番目に広い湿原「サロベツ湿原」とフェリーを利用し離島「礼文島」へ。高山植物を求めて湿原の散策や礼文島のトレッキングコースを楽しみます。


稚内空港から出発するガーデン観光

日本で3番目に広い湿原
利尻礼文サロベツ国立公園「サロベツ湿原」

北海道稚内市・豊富町・幌延町にまたがるサロベツ湿原は日本で3番目に広い大湿原。面積は6,700haと、山手線の内側よりも広いです。地平線の彼方にそびえ立つような利尻山を望む雄大な景色は素晴らしく、利尻礼文サロベツ国立公園に指定されています。また、多くの野鳥にとって重要な中継地であることから、ラムサール条約湿地にも登録されている湿原です。
湿原とは、その地に生える植物が枯れ、分解されないまま泥炭となって蓄積していった湿った草原のこと。泥炭層の蓄積や湿原の発達の程度によって「低層湿原」「中間湿原」「高層湿原」の3種があり、サロベツ湿原ではすべての湿原を見ることができます。
サロベツ湿原は、寒冷な気候と水分が多い環境であったことから枯れた植物が分解されにくく、その中でも「高層湿原」が広く発達。平地の高層湿原としては日本最大の規模を誇ります。平地でありながらさまざまな高山植物が見られることが特徴で、春から秋にかけて貴重な高山植物が厳しい環境の湿原に彩りを添えてくれます。
季節ごとに違った色合いを見せる木道。
7月はノリウツギが咲き並ぶ
季節ごとに違った色合いを見せる木道。
7月はノリウツギが咲き並ぶ
サロベツのさわやかな夏に似合うタチギボウシ
サロベツのさわやかな夏に似合うタチギボウシ
食虫植物のモウセンゴケ
食虫植物のモウセンゴケ

湿原内を散策できる一周1kmの木道の散策路では、雄大なサロベツの自然を全身で感じ、木道際に咲き並ぶ自然のままの花たちを楽しめます。
7月下旬には、ノリウツギやタチギボウシ、モウセンゴケなどが見頃を迎え、8月上旬にはナガボノシロワレモコウやサワギキョウ、エゾナミキソウなどが続きます。8月中旬のお盆を過ぎると、一気に秋の気配を感じさせるハンゴンソウやキツリフネなどが咲き、8月下旬はエゾリンドウやウメバチソウが見頃になるなど、まるでリレーするように1~2週間程ですっかり花の様子が変わっていくので、訪れる時期によって、その時の自然の花風景を味わえるでしょう。

お盆を過ぎると一気に秋の雰囲気に。
秋空にそびえ立つ利尻山を遠くに望む広大な景色
お盆を過ぎると一気に秋の雰囲気に。
秋空にそびえ立つ利尻山を遠くに望む広大な景色
エゾリンドウはサロベツ湿原のお花の最終ランナー
エゾリンドウはサロベツ湿原のお花の最終ランナー
楚々と咲く、ミヤマアキノキリンソウは、秋の深まりを感じさせる
楚々と咲く、ミヤマアキノキリンソウは、秋の深まりを感じさせる
秋の湿原に星々のように咲くウメバチソウ
秋の湿原に星々のように咲くウメバチソウ

【稚内空港からのアクセス】

車で国道232号もしくは国道40号を経て道道444号を走行し、約45分。
交通機関を使用する場合は、稚内空港からリムジンバスで稚内駅へ、稚内駅から特急「宗谷・サロベツ」札幌行へ乗車し豊富駅で下車。豊富駅からはサロベツ交通(株)の乗合交通もしくはハイヤーを利用。

 

■サロベツ湿原センター
住所:北海道天塩郡豊富町上サロベツ8662番地
TEL:0162-82-3232

※詳しくはHPをご覧ください。

高山植物を求めて
礼文島トレッキング

日本最北端の離島、礼文島を歩く
日本最北端の離島、礼文島を歩く

礼文島には7つのトレイルコースがあり、手軽に楽しめる初心者コースから上級者向けコースまで、それぞれ異なる魅力が満載です。中でも、美しい景色に加えてたくさんの高山植物と出会えるのは、「桃岩展望台コース」「礼文林道コース」「岬めぐりコース」の3コース。「桃岩展望台コース」付近にある高山植物群では、国指定の天然記念物に指定されるほど希少な植物たちが咲き乱れ、「礼文林道コース」ではレブンウスユキソウ群生地を散策できます。

礼文町の「町花」に指定されている、礼文島を代表する高山植物 レブンウスユキソウ
礼文町の「町花」に指定されている、礼文島を代表する高山植物 レブンウスユキソウ
夏の終わり頃からピンク色の花を咲かせる キタノコギリソウ
夏の終わり頃からピンク色の花を咲かせる キタノコギリソウ
こちらも「礼文」を冠する高山植物の レブントウヒレン
こちらも「礼文」を冠する高山植物の レブントウヒレン

7月下旬から8月にかけては、レブンウスユキソウをはじめ、ダイモンジソウ、ウメバチソウ、レブントウヒレン、キタノコギリソウなどが見頃に。これらは「桃岩展望台コース」「礼文林道コース」「岬めぐりコース」全てで多く見られます。礼文町の町花でもあるレブンウスユキソウは、見頃を終えた後もドライフラワーのような姿で長く残るので、晩秋までその姿を見ることができます。どのコースも海を眺めながら歩くので、海の青と植物の緑のコントラストを楽しみながら、自然を満喫できます。夏期はウニ漁や昆布漁も行なっているため、時間帯によっては磯舟での漁の様子や昆布干の様子が見られることもあるでしょう。

また、6月から10月は7つのトレイルコースを巡る「礼文島トレイルセブンキャンペーン」を開催中。制覇したコース数によってオリジナル景品をもらえます(専用のスタンプカード300円の購入が必要)。1コースより対象となるので、礼文島のトレッキングを楽しむ際には、ぜひチェックを。

【稚内空港からのアクセス】
稚内空港からフェリーターミナルへは、市街地の「駅前ターミナル」を経由して「稚内港フェリーターミナル」へ向かう『空港連絡バス』の利用が便利。移動時間は約35分で到着します。稚内港フェリーターミナルから、香深港行きフェリーに乗船し礼文島香深港フェリーターミナルへ。所要時間は約2時間。各トレッキングコースへはレンタカーのほか、路線バスやハイヤーを利用。

 

■礼文町観光案内所(礼文島トレッキング)
住所:北海道礼文郡礼文町大字香深村字トンナイ
TEL:0163-86-2655
営業:8:00~17:00
期間:4月~10月
※詳しくはHPをご覧ください。

稚内空港で見つけた
おすすめのおみやげ

「蛸と昆布のアヒージョ」 1,080円
「蛸と昆布のアヒージョ」 1,080円

ミズダコと昆布の旨味が濃厚なアヒージョ。加熱調理済で温めるだけで食べられます。常温保存OK。

「利尻らーめん味楽(ミラク) 焼き醤油味 乾麺(1人前)」 333円
「利尻らーめん味楽(ミラク) 焼き醤油味 乾麺(1人前)」 333円

利尻島で行列ができるラーメン店「利尻らーめん味楽」の袋麺。人気店の味をお家で手軽に味わえます。

■ANA FESTA(稚内空港ターミナルビル2F)

住所:稚内市声問村声問6744

営業:10:30~17:00

※運航便の時間により変更する場合があります。

ガーデンへ向かう途中のお立ち寄りスポット

8月は、ウニやタコしゃぶなど期間が限られる旬なご当地グルメが楽しめる時期です。ランチやお茶など休憩しながら稚内観光を楽みましょう!

漁期限定でオープンするウニ丼店
「ウニ丼とたい焼きのお店 ひいらぎ軒」

6月中旬から9月中旬、ウニの漁期に漁師が営むウニ丼店だけあって、クセがなく口の中でとろける濃厚な甘さは獲れたての美味しさです。漁期以外は道産小麦を使ったたい焼き店を営業しています。稚内空港からは車で約20分ほど

たっぷりのエゾムラサキウニを別盛りでいただく「ウニ丼」3,000円
小鉢は日替わり
たっぷりのエゾムラサキウニを別盛りでいただく「ウニ丼」3,000円
小鉢は日替わり
セルフリノベーションしたという店内はカウンター8席のみ
セルフリノベーションしたという店内はカウンター8席のみ

■ウニ丼とたい焼きのお店 ひいらぎ軒

住所:稚内市中央2丁目11-8

TEL:090-5950-0906

営業:11:00~15:00 L.O.14:30(9月中旬~翌6月中旬は~16:00)

定休日:不定(9月中旬~翌6月中旬は月・木曜)

ノシャップ岬近くの最北カフェ
「Shiffon de café(シフォン ド カフェ)」

店主が焼き上げるシフォンケーキやパウンドケーキ、さっくりと歯切れのいい自家製ベーグルが評判です。『宗谷黒牛』のハンバーグや、数量限定の「ウニパスタ」などランチも充実しています。

明るい陽が差し込む居心地のいい店内
明るい陽が差し込む居心地のいい店内
シフォンケーキはふわふわ&モッチリ食感 「シフォンプレート」450円
シフォンケーキはふわふわ&モッチリ食感 「シフォンプレート」450円
前日までの予約でテイクアウトできる「スモークサーモン&クリームチーズ」 600円
前日までの予約でテイクアウトできる「スモークサーモン&クリームチーズ」 600円

Shiffon de café(シフォン ド カフェ)

住所:稚内市恵比須4丁目6-34

TEL:0162-23-4646

営業:11:00~15:00 L.O.14:30

定休日:不定

素朴でやさしい味わいのベイク
bake cafe(ベイク カフェ) らふ

無添加と道産小麦にこだわるベイクカフェ。ほんのりとバターが香りホロリとほぐれる食感のマフィンやクッキーはおやつにぴったりです。米粉のガレットやパスタのランチも提供しています。

オシャレな店内。焼きたての「ダッチベイビーパンケーキ」もおすすめ
オシャレな店内。焼きたての「ダッチベイビーパンケーキ」もおすすめ
1.夏にぴったりな「モカチップフラッペ」540円
2.「いちごレアチーズマフィン」302円
3.「バナナマフィン」280円
1.夏にぴったりな「モカチップフラッペ」540円
2.「いちごレアチーズマフィン」302円
3.「バナナマフィン」280円

■bake cafe(ベイク カフェ) らふ

住所:稚内市富岡2丁目12-13

TEL:0162-73-5959

営業:11:00~18:00(L 11:30~L.O.13:30)

定休日:水・木曜

立ち寄りスポット
「キタカラ~KITAcolor~」

JR稚内駅に隣接しており、みやげ店や飲食店、映画館があり、道の駅、観光案内所、地域住民の交流スペースなど様々な顔を持った複合交流施設です。

旅の途中の休憩やおみやげ探しに
旅の途中の休憩やおみやげ探しに

■キタカラ~KITAcolor~

住所:稚内市中央3丁目6-1

TEL:0162-29-0277(株式会社まちづくり稚内)

営業:施設により異なる

定休日:日・月曜

稚内のご当地グルメ
「タコしゃぶ」

宗谷のミズダコの水揚げ量は日本一!5月~10月がミズダコの旬を迎えます。ミズダコを使ったタコしゃぶは、薄くスライスしたタコをダシにさっとくぐらせいただく稚内名物です。タコの旨味が凝縮したスープの〆は、ラーメン一択の絶品です。

新鮮なミズダコをしゃぶしゃぶでいただく 
※写真はイメージです
新鮮なミズダコをしゃぶしゃぶでいただく 
※写真はイメージです

暑い日々が続いていますが、稚内では8月の平均気温は20度前後。夏休みの避暑地としては、最適な場所です。稚内空港は東京(羽田)と札幌(新千歳)からの直行便が運航中、アクティブに夏を楽しむなら涼しい稚内ですごしてみるというのはいかがでしょうか?

 

※営業状況変更の可能性がございます。お出かけの際には各店舗・施設へお問い合わせください。
※各記載価格はすべて税込み価格となります。

この記事を書いた人

niwacul編集部

niwacul編集部

北海道のガーデニング&カルチャーWEBマガジン「niwacul(ニワカル)」編集部。ていねいな暮らしを楽しむガーデナーによる、北海道の生活情報発信メディアです。

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