第1回

ローズガーデンダイアリー<第1回> ~白い恋人パークから

バラの開花シーズンを通して、白い恋人パークから「ローズガーデン」で咲くバラたちを紹介していきます。北海道で育つ品種やその性質なども参考にしてください。手入れの際のエピソードや、テクニックなども。

ボリュームある“一番花”が咲く、アーチの彩りは見事!

「白い恋人パーク」に広がるローズガーデンは、建物に囲まれていて風などの影響が少ないためか、道央圏内ではバラの開花が比較的早い傾向にあります。特に今シーズンは、5月に驚くほど気温が上がったので「バラの開花がこれまでにないほど早まるのでは!?」と焦りましたが、6月に入って気温が落ち着き、ほぼ例年通りの開花時期(6月中旬~)を迎えています。今はつぼみを多数付け、咲き始めたバラも出てきています。

アーチのバラは‘クラウン プリンセス マルガリータ’と‘イングリッシュ ヘリテージ’(写真は昨年の様子)
アーチのバラは‘クラウン プリンセス マルガリータ’と‘イングリッシュ ヘリテージ’(写真は昨年の様子)

今回は、最もボリュームのある花を付ける「一番花」の時期に、ローズガーデン内でとても見栄えがする、アーチに誘引しているバラ 3品種を紹介をしたいと思います。扱いやすさ、花色・雰囲気のよさなど感じてください。

ガートルード ジェキル

少し寒さに弱いところがある品種です。凍害にあってしまう年もあり、春の冬囲い外しの際にはドキドキながらムシロを外しています。トゲが多く春の誘引作業も大変ですが、3連アーチの端から端まで咲く一番花の花数を見ると、そんなことはすぐに忘れてしまいますね。
遠目からも目を引く濃いピンクの花色で、アーチをくぐるとオールドローズの香りに幸せな気持ちになります。返り咲き性ですが、このボリュームの花数が見られるのは一番花のこの時期だけです。
【名前の由来】19世紀~20世紀初頭にかけて、英国で活躍したガーデンデザイナーの名前です。

ガートルード ジェキル Gertrude Jekyll
イングリッシュローズ 作出 イギリス(1986年) ロゼット咲き/強香(オールドローズ香)/樹高2.0m・樹幅1.0m
ガートルード ジェキル Gertrude Jekyll
イングリッシュローズ 作出 イギリス(1986年) ロゼット咲き/強香(オールドローズ香)/樹高2.0m・樹幅1.0m

 

クラウン プリンセス マルガリータ

トゲは少なく枝がしなやかで、誘引のしやすいバラです。ガーデンではアーチ側に伸びた枝は誘引しており、手前側はシュラブ樹形だからこそできる、ブッシュ仕立ての剪定をしています。しかし、植え床が限られた場所では、枝が通路に飛び出してしまう恐れもあるため、春の剪定時には芽の向きを確認にしがらの剪定を心がけています。
花色は濃いアプリコット色。うつむき加減に咲くので、アーチに誘引をすると花がこちらを向いてくれるように咲きます。フルーツの強い香りも魅力です。
【名前の由来】ヴィクトリア女王の孫娘で、スウェーデンのマルガリータ皇太子妃にちなんで名づけられました。

クラウン プリンセス マルガリータ Crown Princess Margareta
イングリッシュローズ 作出 イギリス(1999年) ロゼット咲き/強香(フルーティー)/樹高2.0m/樹幅1.2m
クラウン プリンセス マルガリータ Crown Princess Margareta
イングリッシュローズ 作出 イギリス(1999年) ロゼット咲き/強香(フルーティー)/樹高2.0m/樹幅1.2m

 

ロイヤル サンセット

数年前までは、毎年冬に枝枯れをして春には短くなっていましたが、この何年かは株も充実してきて、凍害にあわないようになってきました。充実した株にするには、いかに秋まで葉を落とさずに管理ができるかがポイント。それを教えてくれたバラの一つでもあります。…これで一安心と思っていたら、今度は株が充実したことで冬囲い作業が大変で、株全体を結束してムシロ巻きを終わらせた姿は、まるでオブジェのようにも見えます。

花色はオレンジ色、非常に大輪で、大人の手のひらサイズくらい大きく咲きます。平咲き特有の花もちはよくないけれど、株いっぱいに次々と開花をしてくれます。一番花が終わった後は透かし剪定、次の年への枝残しと手もかかりますが、ここまで大きなつるバラのお世話をなかなかできるものではないので、楽しみながら作業をしています。

ロイヤル サンセット Royal Sunset
ラージ・フラワード・クライマー 作出 アメリカ(1960年) 丸弁・平咲き/中香(ティー香)/樹高3.0m/樹幅1.0m
ロイヤル サンセット Royal Sunset
ラージ・フラワード・クライマー 作出 アメリカ(1960年) 丸弁・平咲き/中香(ティー香)/樹高3.0m/樹幅1.0m

ローズガーデンは、このあとバラが次々と咲く最も華やかな時期に入っていきます。ガーデンのバラは約200株。その時々に咲くバラたちをピックアップして、順次紹介していきたいと思います。

白い恋人パーク「ローズガーデン」。最盛期にはガーデンいっぱにバラの花色が広がる
白い恋人パーク「ローズガーデン」。最盛期にはガーデンいっぱにバラの花色が広がる

この記事を書いた人

田川昌広

2007年に石屋製菓入社。それまでは植物に興味がなかったが、入社を機に植物を手がけることに目覚める。「白い恋人パーク」のローズガーデンを含め、園内のすべてのバラを担当する。イングリッシュローズをメインに管理を行ない、バラの魅力を広めている。

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