今週の花(1月12日) アルケミラ モリス
走川 貴美
エルミタージュ=隠れ家的な、走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」を紹介します。北海道にも花の最盛期がやって来ました。
撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美
我が家の庭では、築山の沙羅の木(ナツツバキ)が花を付け、夏本番を迎えようとしています!
庭は広いのですがその割にバラは少なく、植栽リストによると45本です。その中につるバラが何本かあって、大きく伸びるものは数本だけです。寒さで枝が「つる」にならないのです。
優秀なのは‘ポールズ ヒマラヤン ムスク’。3本ありますが、どれも大きくつるを伸ばし、庭の中心的な役割をしています。アーチやパーゴラを覆う姿は圧倒的です。お気に入りの一つ‘ロサ ムリガニー'は、今はまだほんの少しか花を咲かせていません。「シシングハースト キャッスル」のホワイトガーデンに咲いている有名なバラです。いつも7月上旬に満開になるので、もうすぐですね。このバラも寒さに強くて丈夫です。
残念なのは、我が家の庭ではつるバラならないものが多いことです。‘つるアイスバーグ’や‘ニュー ドーン’、‘ピエール ドゥ ロンサール’など…。それぞれブッシュやシュラブ樹形のように仕立てて花を楽しんでいます。寒冷地ならではの悩みですが、無農薬で育てられるのは寒さのおかげですね。
裏庭のブルーのベンチから眺める庭はボリュームたっぷりで、さまざまな香りが漂ってきます。蝶(チョウ)や蜂(ハチ)などの虫たちもいっぱい飛んでいます。左側は、これからクレマチスがアーチにこんもりと咲いてくれるのを待っているところです。中央では‘ポールズ ヒマラヤン ムスク’がパーゴラを覆って今が盛り。右側はバラ越しに納屋の赤い屋根が見えます。
のんびりお茶でもしたいところですが、お仕事で有料老人ホームのガーデンづくりをしている最中なので、なかなか時間が取れません。それでも、自宅の庭でなくともガーデンを手がけられるのは楽しく、気持ちも充実しています。
そこは入居者が車イスでも庭を散歩したり、自分で花や野菜を育てられるようにポタジェを作ったりしています。大きな野菜畑もあります。採れた野菜は入居者の皆さんの食卓に。そう考えると、育てることも楽しいでしょう! 外に出て自然に触れて、心身ともに豊かに暮らしていただけるように、私も日々邁進しているところです。
この記事を書いた人
「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。6年前から長沼町に移り住み、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。
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