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ガーデンデザイン:新谷みどりさん、笹川慎太郎さん(十勝千年の森)
急勾配な地形であり、水辺のある場所につくられたガーデン「プレイグラウンド」。その名の通り“遊び場”をイメージしたガーデンデザインが特徴です。
ここを手がけた新谷みどりさんは造園前、もともと恵庭市民の「憩いの場」であったこのエリアを視察に訪れた際、子どもたちが縦横無尽に駆け回ってる姿を見て、「市民の日常に溶け込んだ“憩い”の雰囲気を絶対残したい」と思ったそうです。ここにガーデンをつくるなら、この地形やもともと生えている植物にふさわしいガーデンにしようと考えました。
ガーデンは大きく分けて、「草原のエリア:グラスランド)」「森のエリア:ウッドランド」「水辺のエリア:ストリーム」となっています。
グラスランドは小さな丘になっており、斜面に連なるようにデシャンプシアなど軽めの印象のグラスを植栽しています。どの時々の光の受け方や風の当たり方で、季節ごとにその表情が変化するのも魅力です。
ウッドランドには、もともと樹齢約20年以上のシラカバが数本生えていました。シラカバが成長の早い木であったこともあり、その環境を変えず約25本のシラカバの苗木を植えました。すべての木が生長したら立派なシラカバ林となり、リラクゼーションの場としても喜ばれる場所になる予定です。
ストリームは、水路や池のあるエリア。水辺はそのまま生かし、さらに自然のイメージに近づけるため、あえて植物や花で埋め尽くさないようにしたり、野趣味のある石を据えたりしています。石は不揃いなものを選び、無造作にかつ人が乗っても安全なように配置することで、野山で過ごしているような雰囲気を演出しています。また、池の周りの雑草さえも抜かずにガーデンの一部に取り入れているという点も、「プレイグランド」ならではの独特の試みです。
あえて“作り込む”ことよりも、すでにある水辺や石、雑草までもを生かし、それらに合う植物を足す、という視点でつくり上げています。
「庭を楽しむというよりも、来る人それぞれに思い思いの癒しの時間を過ごしてほしい」と新谷さん。ここにしかない「プレイグラウンド」の野趣あふれる雰囲気の中で、ぜひ“癒しの時間”を過ごしてみてください。
「ガーデンフェスタ北海道2022」の開催前、たくさんのスタッフが関わって手入れや準備が行なわれていました。イベントがスタートし、夏に向けて植物も大きく成長して、より美しい風景が広がります。
【実績・受賞歴】●2012年「SGD Award 2012」大賞 国際賞 ●2015年「日本芝生文化大賞」大賞 ●2017年「土木学会デザイン賞」最優秀賞
北海道のガーデニング&カルチャーWEBマガジン「niwacul(ニワカル)」編集部。ていねいな暮らしを楽しむガーデナーによる、北海道の生活情報発信メディアです。
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niwacul編集部