はなふる “7つのガーデン” ~「ミチノモリ」

 
●ミチノモリ 
Woodland Wonders

ガーデンデザイン:高林初さん、北村真弓さん、田辺沙知さん(イコロの森)

季節の移ろいを楽しむ“森のさんぽ道”

ガーデンのデザイン・植栽を手がけた一人、「イコロの森」の高林初さんにお話しを伺った
ガーデンのデザイン・植栽を手がけた一人、「イコロの森」の高林初さんにお話しを伺った

「北海道の庭を冬も楽しめるように」というコンセプトをもとにデザインされた「ミチノモリ」。北海道の庭にある樹木は雪から守る対策として、冬囲いをするのが通常です。しかし冬の庭にも彩りを与えられることをぜひ知ってほしいと考えました。

枝が折れないよう柔軟性のある樹木を選び、あえて冬囲いはせずカラーステムの種類を多く取り入れることで、モノクロの景色に彩りを演出しています。カラーステムにはコルヌスやサリックスなどを採用し、オレンジや黄緑、赤、黄色など、冬にはなかなか見られない枝や幹の色で冬のガーデンに賑わいを。より色鮮やかな枝にするため、老化した枝は伐採して、どんどん新しい枝の生長を促す工夫も怠りません。

まちの中の“森のさんぽ道”。日常の中でも気軽に訪れて、森のような雰囲気を楽しめる
まちの中の“森のさんぽ道”。日常の中でも気軽に訪れて、森のような雰囲気を楽しめる

もう一つこのガーデンが目指しているのが「まちの中の森」。山奥や大自然の中に行かなくても、日常の中でもすぐに訪れて“気軽に散歩できる森”です。「ミチノモリ」の名の通り、人が通る「道」もガーデンデザインの一つとなっているので、森の中を散歩している感覚を味わえます。季節ごとに咲く花や魅力を増す植物により、四季折々の雰囲気を楽しめる林床とういうのもここならではです。

木々の緑と足元に咲く花や植物に囲まれて、森を散策しているような感覚に
木々の緑と足元に咲く花や植物に囲まれて、森を散策しているような感覚に

理想の森として完成するのは10年〜20年後ではありますが、1年ごとに太く高く育ち、緑陰ができていくという森の変化を楽しんでみてはいかがでしょう。「ミチノモリ」の“ミチ”には散歩道の「道」と、森の生長過程で発見するであろう「未知」の意味が込められてるのです。

 

「花や緑に囲まれた、広くてのびのびとできる空間なので、自分の庭だと思って気軽に散歩しにきてほしい」と高林さん。また、「今遊びに来ている子どもたちが、10年後に『ミチノモリ』を見た時に、当初の風景を思い出して森の生長を感じてくれたら嬉しい」のだそうです。

季節ごとの花々や風景

森(林床)へと続いていくような風景。木々の下で咲く花々も季節を追って咲き変わる。その時々の彩りや風景を楽しめる
森(林床)へと続いていくような風景。木々の下で咲く花々も季節を追って咲き変わる。その時々の彩りや風景を楽しめる
秋の季節には、秋色の花やグラス類、樹木の紅葉も魅力の一つ
秋の季節には、秋色の花やグラス類、樹木の紅葉も魅力の一つ

Profile

高林 初さん
ヘッドガーデナー・一級造園施工管理技士。静岡県浜松市生まれ。立命館大学理工学部を卒業後、リトルカレッジでガーデンデザインを学び、英国ウィンザーグレードパーク庭園管理を経験。2010年から「イコロの森」に勤務。
高林 初さん
ヘッドガーデナー・一級造園施工管理技士。静岡県浜松市生まれ。立命館大学理工学部を卒業後、リトルカレッジでガーデンデザインを学び、英国ウィンザーグレードパーク庭園管理を経験。2010年から「イコロの森」に勤務。
北村 真弓さん
ヘッドガーデナー・一級造園施工管理技士。広島県呉市生まれ。9年間の銀行勤務を経て英国の農業大学リトルカレッジで3年間、ランドスケープデザインを学ぶ。2007年から「イコロの森」に勤務。

 

田辺 沙知さん
ICU教育大学で生物学、北海道大学院で植物生態学を学ぶ。のちにスコットランドのエジンバラ大学にてランドスケープアーキテクチャーを学び、現在、「イコロの森」に勤務。

【実績】「イコロの森」 「いわみざわ公園内色彩館」および「宿根草ガーデン」 ナチュラルサイエンス「ナチュの森」 デイハウス香風庵「空の庭」

この記事を書いた人

niwacul編集部

niwacul編集部

北海道のガーデニング&カルチャーWEBマガジン「niwacul(ニワカル)」編集部。ていねいな暮らしを楽しむガーデナーによる、北海道の生活情報発信メディアです。

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