
トロリウス
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北海道のバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「宿根草・草花」についてお伝えします。
高林 初さん
苫小牧市にある観光庭園「イコロの森」勤務。宿根草のガーデンデザイン、園内の管理などを担当する。
宿根草ガーデンでは、次々と花の種類を変えながら開花が続いていく楽しい季節ですが、大きく育った宿根草は暑さや日照り、雨や風にさらされて、きれいに保つのが難しい時期でもあります。以下の作業を確認し、行なっていきましょう。
①花後の「花切り」
開花が終わった花は、それぞれの特性に合わせて順次「花切り」の処理を行なって、花壇の見た目をきれいに保ちましょう。詳細は<花育て「7月」>を確認してください。
花がたくさん咲くことで、その重みよって雨や風で枝(茎)が倒れやすくなる種類があります。タネの結実(シードヘッド)も残したいところですが、すべて残すのではなく、一部を切り去って軽くしてあげることで倒れにくくすることができます。茎や葉が茂って重たくなっている場合も同様に、少し間引いてあげると起き上がってきます。
②倒れるのを防ぐ「支柱立て」
倒れやすい種類は、添え木の支柱で支えてあげます。伸びた花茎に添うように支柱を立てて、ヒモで結びます。支柱はハンマーなどを使って地面に深くしっかりと差し込むことがポイント! 目立たない素材を使うことで、花壇の見た目を損なわないようにしたいところです。
雨後に倒れた宿根草は、水滴を払ってあげるだけでも少し起き上がります。寝ぐせのように乱れる前に、ひと手間かけてあげるとよいでしょう。
また、草姿が乱れやすい種類には、成長前(5~6月)にあらかじめ支柱を施してあげるのが肝心。今シーズンの株の姿を観察して、支柱が必要なものは来期に忘れないようにメモを残しておきましょう!
③暑さ対策の「マルチング」
ウッドチップなどで花壇を覆うマルチングを行なうことで、地温の上昇を抑えることができます。暑さに弱い種類や、コンクリートやアスファルトの照り返しが厳しい場所には必ず施しておくとよいでしょう。
また、マルチングは乾燥防止の効果もあり、日照りが続いてしまう場合にも時間の猶予ができます。できれば葉や茎が広がる前の春に施しておくのが理想です。
夏は特に植物の成長も旺盛で、次々と宿根草の開花が続いていきます。見た目をきれいに保ちながら、宿根草の庭を楽しみたいですね。
英国Writtle College(リトルカレッジ)にてガーデンデザインを学ぶ。現在は、苫小牧市にある「イコロの森」の勤務、ヘッドガーデナー 。設計からメンテナンスまで庭づくりの幅広い経験をもとに、宿根草ガーデンの管理・栽培等を担当。
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