第28回

この春からスタート!拓北の広い畑を使った「ハーブ畑」づくり

今回は、札幌・北区拓北の広い「ハーブ畑」づくりについてご紹介。  …香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんが綴ります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。

プロフィール

かりの あさの

ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。

 

 

今回は、「ハーブをたくさん植える畑を作りたいんです」とご相談いただき、お手伝いをすることになった札幌市内の北区拓北にある「ハーブ畑」のご紹介です。

 

就労継続支援Bすてっぷは、障がいを持つ方の就労をサポートしています。この事業所の理事長さんから、「5,000㎡(平方メートル)の畑を借りてハーブを植え、育てて、就労継続支援に役立てたい」とご相談を受けたのは、昨年の冬のことでした。事業所での製作物にハーブを利用することを含め、通所されている方々の“働きの場”としての役割なども説明され、私でお役に立てることならぜひに…と、アドバイザーとして関わることになりました。

5,000㎡の広い土地を「ハーブ畑」に。冬の間にプランを立て、春を迎えていよいよ着手
5,000㎡の広い土地を「ハーブ畑」に。冬の間にプランを立て、春を迎えていよいよ着手

春までの冬期間のうちに、5,000㎡の土地に、何を、どのように、どのくらい植えるのか、畝(うね)作りや株間、土壌検査と水源確保のための井戸掘りなど、通所する皆さんやスタッフが作業しやすい広めの通路なども含めて、理事長さんとプランニングし、打ち合わせを重ねながら冬を過ごしました。

 

春からは、地主さんが畑を耕すところまで行なってくれたので、その後は植え付け場所の畝立て、マルチングなどの作業をスタッフが行ないました。強風の中、雨の中かなりの重労働が続いて、さまざまなトラブルも発生しましたが、これらは“初めての取り組み”にはありがちなことでもあり、その度に対処法を見つけ、全身筋肉痛になりながら頑張ってくれたことに頭が下がる思いでした。

発注した苗は1,200株以上。大きな車の荷台にびっしり
発注した苗は1,200株以上。大きな車の荷台にびっしり

宿根草と一年草は製作物に活用できるもので、いずれは希望者や飲食店向けに販売することを視野に入れて品種をチョイス。発注した苗は1,200株以上になったので、レンタカーを手配して引き取りに行き、植栽する前には「どぶ漬け(水を張り、苗ごと根を漬けて給水させる)」するなど、さまざまな工程を経て、ようやく植え込みまでたどり着きました。

「どぶ漬け」の様子。苗ごと水に浸けて、しっかりと水分補給
「どぶ漬け」の様子。苗ごと水に浸けて、しっかりと水分補給

ここでも、ホーラーという植え付け器が大活躍しました(第27回で紹介)。立ったままで苗の植え付けができるので作業効率がよく、身体への負担も少なく作業を進められます。

ずらりと並んだ植え付け用の苗。これでも全体の一部
ずらりと並んだ植え付け用の苗。これでも全体の一部
植え付け時には、ホーラーという道具が大活躍。スタッフと通所者さんが役割分担をして、手際よく植え込んでいく
植え付け時には、ホーラーという道具が大活躍。スタッフと通所者さんが役割分担をして、手際よく植え込んでいく
畝に沿ってきれいに並んだ苗。すくすく育ち、日々収穫できるように
畝に沿ってきれいに並んだ苗。すくすく育ち、日々収穫できるように

畑の土壌検査の結果は問題がなかったので、まずは様子を見るために無施肥で栽培をスタートさせました。
ただ、ハーブ畑があるエリアはとにかく風が強く、防風林はあるものの真夏の青空の日でも暑いと感じることのない、ありがたい環境。ですが、春先の寒風にはずいぶんと悩まされたものです。風で強制脱水のような状態になってしまう苗もでてきて、水やりが必須の作業となってしまいました。

 

さて、このような広い畑で、水やりのための水源は…というと、クラウドファンディングで寄付を募り、無事に水源も確保することができたのです。

塔を立て、水源の掘削。水源調査を行なっていたけれど、水が出るかどうか…、遠くから見守る
塔を立て、水源の掘削。水源調査を行なっていたけれど、水が出るかどうか…、遠くから見守る
井戸掘り工事が大幅に遅れたので、貯水タンクの水で凌いだ
井戸掘り工事が大幅に遅れたので、貯水タンクの水で凌いだ
無事に水源にたどり着き、水が出た時の感動はこの上ない
無事に水源にたどり着き、水が出た時の感動はこの上ない
水を引いて水場の設置も。設備も充実した畑になってっきた
水を引いて水場の設置も。設備も充実した畑になってっきた

井戸のおかげで水やりもスムーズに行なえるようになり、夏に向かって植物たちはよく育ってくれたものや、そうでないものもありますが、今は花を咲かせたり、摘んで活用できるまでになりました。


次回は、夏のハーブ畑の様子や活用の仕方についてお伝えしたいと思います。つづく。

カモミールの小さくて可愛い花。香りがよく、摘むのも楽しい
カモミールの小さくて可愛い花。香りがよく、摘むのも楽しい
パープルバジル。バジルは数品種あり、葉色の違いも面白い
パープルバジル。バジルは数品種あり、葉色の違いも面白い

この記事を書いた人

かりの あさの

かりの あさの

ハーブ研究家。(株)ルピシア グルマン顧問。ハーブを取り入れた植栽デザインや料理の提案、また、ハーブ講座の講師として活躍。日本園芸協会ハーブコーディネーター、JAISハーブ学習指導員、JEAJアロマテララピーアドバイザーほか。 自宅の庭で100種類以上のハーブの植栽、野菜栽培を楽しむ。かりのあさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。

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