第4回

ローズガーデンダイアリー<第4回>秋も美しい “三番花”の開花に向けて

バラの開花シーズンを通して、白い恋人パークから「ローズガーデン」で咲くバラたちを紹介していきます。北海道で育つ品種やその性質なども参考にしてください。手入れの際のエピソードや、テクニックなども。

秋バラとなる“三番花”に向けて

今年の二番花は、例年になく蕾(つぼみ)が多い状態で開花を楽しみにしていたのですが、蕾や花弁の中に潜む害虫「スリップス」が多発して、蕾の状態で花を落としてしまうバラが多かったです。また、夏に雨の日が多かったので、デリケートな花弁を持つ品種が多いイングリッシュローズは花弁が傷んでしまい、こちらも早めに花を落としてしまいました。

どちらにしても、三番花(秋バラ)を咲かせるためにお盆の時期にはバラ自体が花を落とすので、それに合わせて夏剪定を行ない、三番花がきれいに咲いてくれるように促します。

 

雨が多いということは、ガーデンにも雑草が目立ちます。天気予報を確認して、あまり暑くない、翌日が雨予報の日を狙って、ガーデンの中耕作業を行ないました。「中耕」作業とは、表土を浅く耕すことで除草と土壌の通気性をよくする作業です。「きれいに保って、三番花の季節を迎えたい」と思いながら作業をしました。

三番花の蕾が上がって、秋バラの開花を楽しめる季節に!
三番花の蕾が上がって、秋バラの開花を楽しめる季節に!

雨にも負けないバラ品種

ローズガーデンには、雨が多くても花弁が傷みにくいバラの品種もあります。深紅のバラで、フロリバンダローズ(四季咲性中輪種)の‛ラバグルード’(作出:コルデス)です。数年前まで黒点病にかかり夏には葉を落としていたのですが、活力剤の散布のお陰なのか、今では黒点病にもかかることなく秋遅くまでたくさんの花を咲かせます。

ピンクの花びらが波状に咲く‛ローゼンドルフ シュパリーズホープ’(作出:コルデス)は、シュラブ(半つる性)で大型にもなるのでつるバラとしても扱えますが、剪定をしてほかのバラと一緒に植栽しています。一番花の開花は遅咲きですが、開花後は次々と花を付け、シーズン中はずっと咲いてくれる品種です。

どちらも香りは少ないですが、雨にも負けずに非常に長く咲いてくれる、ガーデンには欠かせない品種です。

ラバーグルド Lavaglut 独・コルデス(作出1979年)
フロリバンダ/丸弁平咲き
名前の由来:溶岩の炎の意味
ラバーグルド Lavaglut 独・コルデス(作出1979年)
フロリバンダ/丸弁平咲き
名前の由来:溶岩の炎の意味
ローゼンドルフ シュパリーズホープ Rosendorf Sparriieshoop 独・コルデス(作出1988年) シュラブ(半つる性)/波状弁平咲き
名前の由来:コルデス社の所在地がある「バラの村シュパリースホップ」
ローゼンドルフ シュパリーズホープ Rosendorf Sparriieshoop 独・コルデス(作出1988年) シュラブ(半つる性)/波状弁平咲き
名前の由来:コルデス社の所在地がある「バラの村シュパリースホップ」

バラに合う一年草・宿根草の花

「バラに合う植物はなんですか?」と、来園者の方から聞かれることも多いのですが、白い恋人パークは限られた植え床しかありません。それでも植栽担当のスタッフが工夫をして、一年草や宿根草を組み合わせて植えています。ちなみに植えている一年草と宿根草には、植栽スタッフがタネから育てたものもあります。当園サッカー場側にある花壇のバラと一緒に植えている花をご紹介したいと思います。

バラ「ダフネ」に合わせる

ダフネ Daphne 日・ロサ オリエンティス 木村卓功(作出2014年)
シュラブ(半つる性)/波状弁八重咲き
名前の由来:ギリシャ神話の精霊ダフネから
ダフネ Daphne 日・ロサ オリエンティス 木村卓功(作出2014年)
シュラブ(半つる性)/波状弁八重咲き
名前の由来:ギリシャ神話の精霊ダフネから
半つるのナチュラルな枝振りに似合う、さわさわと揺れる花との組み合わせ
半つるのナチュラルな枝振りに似合う、さわさわと揺れる花との組み合わせ

●オルラヤ

一番花のバラの時期に、オルラヤがふんわりとした白花が咲かせ、清楚でナチュラルな雰囲気がバラに合わせやすいです。本来は多年草ですが夏の暑さで枯れてしまうことが多いので一年草扱い。タネを採種するのは簡単なので、そのタネを保管し、翌春に花壇に蒔(ま)いて育てることも難しくはありません。

オルラヤ Orlaya  grandiflora
オルラヤ Orlaya grandiflora

 

●ネペタ ファセニー‛ジュニア ウォーカー’

「キャットミント」と言えばわかりやすいでしょうか。バラに合う植物の代表的な花ではないかと思います。バラには青色の色素がないため青バラは存在しませんので、青い花の植物を合わせたくなります。この‛ジュニア ウォーカー’は草丈が40cm程度と大きくならずに、バラの足元から涼しげなブルーの花色が覗かせ、バラを引き立てること間違いありません。花姿が乱れたら切り戻せばよいので、お手入れも簡単な宿根草です。

ネペタ ファセニー‛ジュニア ウォーカー’ Nepeta faassenii ‛Junior Walker’
ネペタ ファセニー‛ジュニア ウォーカー’ Nepeta faassenii ‛Junior Walker’

バラ「マニントン モーブ ランブラー」に合わせる

マニントン モーブ ランブラー Mannington Mauve Rambler 英(作出2001年) 
ランブラー 一季咲き/八重咲き
名前の由来:2000年にイギリスの庭園「マニントンホール」で発見された品種
マニントン モーブ ランブラー Mannington Mauve Rambler 英(作出2001年) 
ランブラー 一季咲き/八重咲き
名前の由来:2000年にイギリスの庭園「マニントンホール」で発見された品種
つるバラを引き立てる花色・姿の宿根草やクレマチスとの組み合わせ
つるバラを引き立てる花色・姿の宿根草やクレマチスとの組み合わせ

●デルフィニウム

本州の高温多湿と夏の暑さで一年草扱いのデルフィニウムは、北海道では比較的容易に夏越しができます。バラの一番花の時期とほぼ同じで、涼しげな青色がとても合います。花色も青色だけではなく白やラベンダー色など豊富なのが魅力かと思います。当園では6月中旬に開花する花が終わっても、花穂をカットすると8月には次の花が上がってくるので長く楽しんでいます。

デルフィニウム Delphinium
デルフィニウム Delphinium

 

●バーバスカム‛サザン チャーム’

大人っぽいの色の花穂を持つバーバスカム‛サザン チャーム’。草丈40cmほどで主張しすぎない花色・姿がなんとも可愛げです。開花が終わった後に主の花穂をカットすれば、脇からあまり大きくはないですが花が咲きます。手のかからない宿根草で、大株になれば分岐して花数も増えます。

バーバスカム‛サザン チャーム’ Verbascum hybridum ‛Southem Charm’
バーバスカム‛サザン チャーム’ Verbascum hybridum ‛Southem Charm’

 

●クレマチス ‛ロマンチカ’

バラに合う植物の代表格のクレマチス。‛ロマンチカ’はジャックマニー系で新枝咲きの品種です。バラの一番花の時期に花を咲かせ、黒に近い濃い紫色の大輪の花が魅力的です。花付きがとてもよく、一季咲きのランブラーローズ ‛マニントン モーブ ランブラー’に絡ませると相性がとてもよいと思います。

クレマチス ‛ロマンチカ’ Clematis‛Romantika’
クレマチス ‛ロマンチカ’ Clematis‛Romantika’

バラの品種はもちろん、一緒に咲く一年草や宿根草との植栽デザインについても、少しでも参考になればと思います。また、北海道にはいろいろなガーデンがあります。そちらを訪れて、実際に見て参考にするのもよいかもしれませんね。

この記事を書いた人

田川昌広

2007年に石屋製菓入社。それまでは植物に興味がなかったが、入社を機に植物を手がけることに目覚める。「白い恋人パーク」のローズガーデンを含め、園内のすべてのバラを担当する。イングリッシュローズをメインに管理を行ない、バラの魅力を広めている。

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