第29回

おしゃれで機能的なポタジェのデザイン ~ハーブ編

ポタジェがおしゃれに見えるアイデア・機能的なデザイン<ハーブ編>をご紹介します――。 季節ごとの野菜やハーブ、果樹、お花など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。

プロフィール

藤井 純子さん

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとしてセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。野菜ソムリエ、ハーバルセラピスト。

 

 

野菜を育てる菜園がガーデンのように美しいと、お手入れの時間も楽しくなります。前回の<野菜編>に続いて、ちょっとした工夫でおしゃれに見えるアイデアと機能的なポタジェのデザインについて、「ハーブ編」をご紹介していきます。

 

写真は、私が手がけている今シーズンのポタジェの様子です。毎年レイアウトを変えながら、100㎡の敷地に野菜40種類、ハーブ40種類ほどを育てています。

いろいろな野菜とハーブを混植した菜園「ポタジェ」。多品目の野菜とハーブを、環境や相互作用も考慮して一緒に植栽し育てている
いろいろな野菜とハーブを混植した菜園「ポタジェ」。多品目の野菜とハーブを、環境や相互作用も考慮して一緒に植栽し育てている

●なだらかな曲線を描くようにして立体感を演出

菜園に背の高い植物ばかりだと窮屈(きゅうくつ)で狭い印象になってしまい、反対に背の低い植物ばかりだと平面的で物足りない印象になるため、全体的になだらかな曲線を描くようにデザインしています。徐々に高さを出すことで、優しい印象の菜園に。

植えたばかりの植物はどれも小さいので、植栽デザインを考える際は、育ったときの草姿をイメージするのがポイント
植えたばかりの植物はどれも小さいので、植栽デザインを考える際は、育ったときの草姿をイメージするのがポイント

入り口付近の通路は「ハーブの小路」と名づけています。ほふく性のツルニチニチソウと、ラムズイヤーやヒソップ、チャイブなどのハーブ、ホスタなど草丈の低い植物を育てています。

 

ツルニチニチソウは、雪解けとともに顔を出すほど寒さに強い植物。土を覆うようにして広がり、ブルーの小花が春一番に咲いてくれて素敵です。

色合いはブルー系をメインにして、差し色にピンク系を入れている
色合いはブルー系をメインにして、差し色にピンク系を入れている
ツルニチニチソウ。キョウチクトウ科、宿根草。街路樹の花壇でも、足元に広がる姿をよく見かける
ツルニチニチソウ。キョウチクトウ科、宿根草。街路樹の花壇でも、足元に広がる姿をよく見かける

菜園の正面は、野ブドウやタイム、アリッサムなど草丈の低い植物を植え、視線を遮らないようにしています。ほかとの高低差(立体感)が生まれ、広がりを感じる印象にできます。

野ブドウ。ブドウ科、宿根草。花壇の白い縁取りとのコントラストが美しい
野ブドウ。ブドウ科、宿根草。花壇の白い縁取りとのコントラストが美しい
斑入りの葉が清々しいものも。ターコイズブルーの実は、漢方にも使用されていたそう。野ブドウのつるはリースの土台にも活用
斑入りの葉が清々しいものも。ターコイズブルーの実は、漢方にも使用されていたそう。野ブドウのつるはリースの土台にも活用

レンガやブロックを置いた簡単なハーブコーナーも。奥に草丈が大きくなるミントを植えて、手前には草丈の低いチャイブとホーリーバジルを植えています。
また、オレンジや黄色などの賑やかな印象にまとめた「サラダコーナー」は、エディブルフラワーやリーフレタス、イタリアンパセリ、スープセロリ、ローズゼラニウムなどを混植。

繫殖力が旺盛なミントは、適宜刈り取るなどして繁茂しすぎないように!
繫殖力が旺盛なミントは、適宜刈り取るなどして繁茂しすぎないように!
密植気味にしてさまざまな品種のハーブを植えたおかけで、ボリューミーに育ってくれた
密植気味にしてさまざまな品種のハーブを植えたおかけで、ボリューミーに育ってくれた

そのほかにも、ハーブエリアの植栽にホスタやレディースマントル、ほふく性のローマンカモミールなどもおすすめです。

●草丈が高いハーブはグルーピング

草丈が高いものばかりが育っていると、圧迫感や窮屈さを与え、狭い印象になってしまいます。また、背が高いハーブが、ポツリポツリと点在しているとデコボコしたバランスの悪い印象に。
草丈の高いチコリやフェンネル、アニスヒソップ、バレリアンなどは、キュウリなどを育てているアーチの脇にグルーピングして(集めて)植えています。すると、構造物も植栽もバランスよく引き立ってくれます。

初夏の頃の様子。夏にはアーチにキュウリが育ち、周囲に背を伸ばす植栽が加わって、緑で埋め尽くされる
初夏の頃の様子。夏にはアーチにキュウリが育ち、周囲に背を伸ばす植栽が加わって、緑で埋め尽くされる
まるで背比べをしているかのように、アニスヒソップが本来の草丈よりも高く育っている
まるで背比べをしているかのように、アニスヒソップが本来の草丈よりも高く育っている
アニスヒソップはシソ科、宿根草。紫色の花穂が美しい。草丈は一般的に60~100cm
アニスヒソップはシソ科、宿根草。紫色の花穂が美しい。草丈は一般的に60~100cm

 

今シーズンから育て始めたハーブも。ドイツの「クナイプ(バスソルト)」に使用されていることでも有名なバレリアンですが、「どのようなハーブなのかな?」と興味を持ち、昨年タネを取り寄せて育てているところです。

今年は草丈150cmほどに成長し、初夏には白~薄いピンクの花が咲いてくれた
今年は草丈150cmほどに成長し、初夏には白~薄いピンクの花が咲いてくれた
バレリアン。オミナエン科、宿根草。その根には優れた鎮静作用があり、古代ギリシアでは芳香浴に使用されたそう
バレリアン。オミナエン科、宿根草。その根には優れた鎮静作用があり、古代ギリシアでは芳香浴に使用されたそう

丸く黄色い花が咲くタンジーは、草丈70~150cm。防虫効果に優れているため、ジューンベリーの果樹の脇に植えています。

タンジーはキク科、宿根草。花はドライにしてポプリとして利用できる
タンジーはキク科、宿根草。花はドライにしてポプリとして利用できる

今回は、主に宿根草のハーブをご紹介しました。ハーブコーナーを作ったり、グルーピングしたりして植栽しています。ラベンダーやローズマリー、ミントなどの宿根草ハーブは野菜との相性がよくないため、ポタジェで野菜と混植する際には一年草のハーブを多く利用しています。

 

次回は、色鮮やかに「バジル」を保存する方法をお伝えしたいと思います。

この記事を書いた人

藤井 純子

藤井 純子

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。

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