
プリムラ・デンティキュラータ
- #プリムラ・デンティキュラータ
- #宿根草
北海道のバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「宿根草・草花」についてお伝えします。
高林 初さん
苫小牧市にある観光庭園「イコロの森」勤務。宿根草のガーデンデザイン、園内の管理などを担当する。
秋を迎え、宿根草のガーデンはシーズンの締めくくり。アスターやユーパトリウム、ダリアなどの花の様子とともに、オーナメンタルグラスの穂や開花を終えた種類のタネの結実(シードヘッド)が、秋のやわらかい日差しにキラキラと輝く美しい季節です。特に北海道は、この季節の美しさは格別。今シーズン楽しませてくれたガーデンを思い起こしながら、のんびりと存分に堪能したいですね。
十分に秋の様子を楽しんだら、雪が積もる前に宿根草の地上部を刈り込んで、冬支度を始めましょう。早いところでは、10月末や11月初めに刈り込みを済ませる方も多いようです。
●刈り込みを行なう理由
1、病虫害予防
花壇に残る枯れた葉茎は、冬の間に害虫の住みかとなり、病害の原因にもなります。秋のうちに刈り込みを行なっておきましょう。
2、来春の庭をきれいに維持
来年の新芽や新葉をきれいに観賞するため、今のうちに枯れたものを取り去っておくとよいでしょう。
●刈り込みの方法
地際から5~10cm程度のところで刈り込みます。
2人で作業できる場合は、一人が株全体を持って支え、もう一人が刈り込みバサミで刈っていきます。
1人で行なう場合は、剪定バサミを使用して少しずつ刈り込んでいきましょう。場合によっては、刈り払い機などを使うことも可能です。
地上部が枯れてきたら、このように刈り取って花壇をきれいにしてあげましょう。来春を迎えた際に、出て来たばかり新芽や新葉が育っていく様子をじっくりと楽しむことができます。
ただし、宿根草の種類によっては、刈り込みを行なわなくてよいものもあります。
●刈り込みしない種類
宿根草には冬の間も地上部に葉を残し、越冬する種類があります。それらは茶色く枯れた部分のみ取り去れば、刈り込む必要はありません。例えば、クリスマスローズやヒマラヤユキノシタ、ヒューケラやラムズイヤーなどです。いずれも花は切りますが、葉は残してよいと思います。
また、刈り込んだゴミの処分についてですが、居住地域の決まりに応じて処分してください。
庭の中にコンポストがあるお宅や、これからコンポストを作ることができれば、そこに堆積し、定期的に上下を切り返すなどしながら、自家製の草堆肥を作ることができます。このとき、コンポストに雑草は入れないように心がけてください。ご自身の庭でもSDG’sを実践しながら楽しんでみましょう。
英国Writtle College(リトルカレッジ)にてガーデンデザインを学ぶ。現在は、苫小牧市にある「イコロの森」の勤務、ヘッドガーデナー 。設計からメンテナンスまで庭づくりの幅広い経験をもとに、宿根草ガーデンの管理・栽培等を担当。
書いた記事を見る\ このページをイイネする /
※会員ログイン後はお気に入り登録されます。