秋バラの見ごろ「いわみざわローズフェスタ秋」10月9日まで開催中
夏の暑さがようやくひと段落し、秋の足音が聞こえ始めたいわみざわ公園バラ園で、「いわみざわローズフ...
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バラの開花シーズンを通して、白い恋人パークから「ローズガーデン」で咲くバラたちを紹介していきます。北海道で育つ品種やその性質なども参考にしてください。手入れの際のエピソードや、テクニックなども。
今年のバラの二番花は蕾(つぼみ)が多く、花切りの作業が遅くなったため三番花の開花も少し遅れていますが、連続開花性の強い品種が「秋バラ」となる蕾をたくさん付けています。10月上旬から開花が始まり、それほど気温が上がらなければ10月いっぱいまで秋バラを楽しめそうです。
イングリッシュローズと呼ばれるバラは、シュラブ(半つる性)樹形の品種です。‘アンブリッジ ローズ’や‘レディ エマ ハミルトン’などのあまり大きくならないコンパクトなものは、秋遅くまで繰り返しよく咲いてくれますが、つるバラとしても扱える‘クラウン プリンセス マルガリーター’や‘ティージング ジョージア’などの大きくなる品種の中には、夏以降に枝がぐんぐん伸びて秋にはあまり花を付けないものもあります。
つるバラとして扱うものは、伸びた枝の中から次の年に必要な枝のみを残します。残す枝はその枝先をピンチ(枝の先端を折る)し、越冬ができるように木化(株・枝を充実)させて冬に備えます。もったいないからと全ての枝を伸ばし放題のままにしてしまうと、残した枝に体力をそれだけ使うことになりますし、枝先をピンチしていないことにより木化せずに、せっかく伸びた枝も冬に凍害に合うリスクもあります。
ご自分の庭にあるバラの性質を知ることも、バラ育ての楽しみかと思います。
秋バラは、低い夜温と日中の温度差でゆっくり開花をしていきます。花は小ぶりですが、花色や香りも一番充実するのが特徴です。本州のお客様が「このバラこんな花色なの!?」と驚く声を聞くことがあります。それほど北海道の秋バラは特別濃く花色が出るのも特徴かと思います。
白い恋人パークローズガーデンで、秋に美しいと感じるバラをご紹介したいと思います。
●ルイーズ クレメンツ
秋バラといえば、真っ先に思いつく「ルイーズ クレメンツ」。クラシカルな花形とオレンジの花色は、秋にはより一層濃くなります。咲き始めはオレンジ色で、散り際のピンク色に退色していく姿も美しいです。シュラブローズ(半つる性)ですが、直立によく伸びて病害虫にも強いです。名前の由来は、このバラを作出したジョン・クレメンツ氏の奥様の名前です。とても美しいバラなのですが、残念ながら入手困難なバラのようです。
●グレイス
「グレイス」の意味は、「優雅さ、優美さ、上品」と名前にぴったりと、いつも美しい花を見て感じてしまうバラです。ダリアのカクタス咲きのような花は、コンパクトな樹形でシーズンを通して株全体に花を付けてよく繰り返し咲きます。特に、秋バラはオレンジ色が濃く出て花期が長いので、開ききっても花を切るのがもったいない…と思うのですが、散ってしまうと花弁が多く拾うのが大変なので、ほどよいタイミングで花切りを行なうようにしています。
●クィーン オブ スウェーデン
美しいピンク色の中輪カップ咲きで、樹形も真っすぐな直立性に伸び、花も上向きに咲きます。トゲもあまりない扱いやすい品種です。秋にはイングリッシュローズ特有のミルラ香が特に強く香ります。夏剪定を深く切ると秋には花を付けないで枝を伸ばす傾向にあるので、夏剪定は浅めに剪定をするようにしています。名前の由来は、イギリスとスウェーデンの友好条約350年を記念して。
●ジュビリー セレブレーション
このバラはいつ見ても美しいと感じます。咲き始めから咲き終わりまで花弁がぎゅっと詰まった花姿は美しく、柑橘系を感じるフルーツ香は秋に一層強く香り、大輪種では珍しく秋でも株いっぱいに花を付けます。病気にもとても強く、秋まで葉を落とすことなく管理ができます。このバラは、先日96歳でお亡くなりになったエリザベス女王即位50周年を記念して名づけられました。
●ザ ダーク レディー
秋には黒バラを思わせるクレムゾン色がより一層濃く出ます。秋でも大輪の花を付けてうつむき気味に咲くので、剪定の際はなるべく花が上を向いてくれるように気をつけながら剪定をしています。うどんこ病に弱いところがありますが、こまめに活力剤を散布し続けると病気にもかかりにくくなり、樹勢も出て、大輪の秋バラをたくさん咲かせてくれるようになりました。名前の由来は、ウィリアム・シェークスピアの詩集の中に登場する謎の女性。
●エル ディ ブレスウェイト
一番花は大人の手の平くらいに大きな花が咲きますが、秋バラは子どもの手の平サイズに可愛らしく開花します。秋は特に引き締まったカップ咲きからロゼッタ咲きに変化して、香りは強くないですがオールドローズの香りがします。大輪種の赤色のバラには珍しく、よく繰り返し咲きます。病害虫に強く、秋までほぼ葉を落とさずに管理できます。名前は、イングリッシュローズを作出したデービット・オースチン氏の義理の父の名前から。
今シーズンは活力剤(微生物酵素素材)散布のみで、無農薬にチャレンジしました。病気で葉を落とすバラもありましたが、比較的よい状態で秋バラを迎えることができました。秋の優しいお日様に当たって輝くような葉、美しい花、強く香るバラは今月(10月)下旬まで楽しめるかと思います。そのあとは、雪国の宿命である越冬作業が始まります。それまで、シーズン最後の可憐に咲くバラを楽しんでいただけたらと思います。
2007年に石屋製菓入社。それまでは植物に興味がなかったが、入社を機に植物を手がけることに目覚める。「白い恋人パーク」のローズガーデンを含め、園内のすべてのバラを担当する。イングリッシュローズをメインに管理を行ない、バラの魅力を広めている。
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