第13回

わたしの庭どうぐ <第13回> 手や腕の負担軽減に「ミドルツール」

ガーデニングを快適に! 使いやすい道具やおしゃれなガーデニングウェアを身に着けて、庭しごとを楽しく行ないましょう。「庭どうぐ」の基本の選び方、豆知識、おすすめなどを、園芸グッズの企画・開発も行なう武藤良幸さんが伝授します。

 

グリップが長い「ミドルツール」は
テコの原理で手や腕の負担を軽減

右は一般的な移植ゴテ、左がミドルツール。グリップ部分だけが長く、腕力のない人にもテコの原理を利用して作業をラクにする便利な庭道具
右は一般的な移植ゴテ、左がミドルツール。グリップ部分だけが長く、腕力のない人にもテコの原理を利用して作業をラクにする便利な庭道具

ガーデナーは植物に愛情を注げばそそぐほど、庭の中で姿勢が低くなり、さらに独り言が増えていくような気がしています。その独り言に聞き耳を立ててみると、植物や土に向かって何か話していることが多いよう。そしてその話をじっくり聞いてみると、手塩にかける植物へ語りかける言葉はとても優しい一方、石混じりの土や固い土に対しては、辛辣な言葉が多いように思います。それをあるガーデナーに指摘したところ、「その指摘、そのまま返しますよ」と言われました。…私もでした。

皆さんの場合は、いかがですか?

 

ガーデニングの基本姿勢は「しゃがむ」スタイル。混み合った植物たちの中で植え替えをしたり、土壌改良や施肥(せひ:肥料を与える)をするときなど、周りの植物を傷つけないよう細やかな気配りと動きが必要で、おのずとしゃがんだまま片手で使える移植ゴテやハンドフォークが多く使われます。ですが、固い土やしっかりと張った根に片手の力だけで挑むと、腕や手首にかかる負担が大きく腱鞘炎になってしまうリスクもあります。姿勢が低くなるあまり、腰や膝だけじゃなく腕も痛めてしまうと、普段は優しいガーデナーだってつい辛辣な言葉を発してしまうのかも。

しゃがみながら小さな穴を掘ったり、根切りや土をほぐしたいときに片手よりも両手が使えたら、手や腕の負担は軽減できます。
そこで活躍するのが「ミドルツール」。ミドルツールとは、ハンドツールやショートツールと呼ばれる移植ゴテやハンドフォークと比べるとコテのサイズはほぼ同じで、グリップだけが長い庭道具です。一見すると使いにくそうに思えますが、長いグリップは両手で持つことができ、テコの原理も利用しやすくなります。

グリップが50~60 ㎝ほどと長い分、テコの原理でいう「支点」に大きな力がかかるため、ミドルツールはできるだけ丈夫なものを選ぶこと
グリップが50~60 ㎝ほどと長い分、テコの原理でいう「支点」に大きな力がかかるため、ミドルツールはできるだけ丈夫なものを選ぶこと

全長が長いということは小回りが利きにくく、例えばプランター使いにはあまり向きません。でも手や腕が痛い人、腕力に自信がない人がこれを庭で使いこなせるようになると、もう手離せなくなる庭道具です。

移植ゴテ、カルチベーター(小熊手)、フォークのミドルツール。グリップを両手でしっかりと持てるため、手や腕への負担が軽減できる。フォークは土の天地返しやエアーレーション、カルチベーターは除草や土寄せなどに使われる
移植ゴテ、カルチベーター(小熊手)、フォークのミドルツール。グリップを両手でしっかりと持てるため、手や腕への負担が軽減できる。フォークは土の天地返しやエアーレーション、カルチベーターは除草や土寄せなどに使われる

いよいよガーデニングシーズンも終盤ですね。寒さや日の短さも影響してか、これからの時期はケガや事故が増えるシーズンでもあります。寒さ対策や庭に出る前のストレッチ、そして庭で頑張りすぎない心のゆとりもお忘れなく。

この記事を書いた人

武藤 良幸

武藤 良幸

「momiji合同会社」代表。「momiji(もみじ)」は人と園芸、人と庭をつなぐための会社。若い園芸家や庭師を育て、彼らの道具や新しいガーデニンググッズの企画・販売を行なう。また、おしゃれな道具など介し、園芸・ガーデニングの普及活動に努めている。

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