冬じたくが終わって雪が降るのを待つ庭
かりの あさの
今回は、リース作りに使ういろいろな花材についてお伝えします。 …香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。
かりの あさの
ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。
庭の冬支度にも目途が立ち、室内で過ごす時間が増えてきました。今年も残りあと2カ月ほど… と何となく気忙しくなりますが、クリスマスを前に「自分で飾りを作ってみよう!」と考えている方もいらっしゃるかと思います。
私の場合、庭の冬支度の少し前から花材集めやドライフラワーにする作業を始めて、冬囲いが終わると本格的に工房でオーダーいただいたリースやスワッグの製作をスタートします。
私が制作するリースのほとんどは、ヒバをベースにしています。数種類のヒバを混ぜて使うことで、ボリュームや色味に変化が出るので重宝します。ほかの花材は庭などで育ったものを秋になる頃から少しずつ収穫、乾燥させていき保管しています。
アジサイは、ドライにするともろくなってしまいます。花の色褪せも早いため、長期間飾りたいときには、リースを制作してからクリアラッカースプレーなどでコーティングすることをおすすめします。
サントリナやシロタエギクは、シルバーカラーとして役に立ちます! ヒバの代わりにシロタエギクでベースを作ることもできるので、来シーズンはぜひ庭の植栽に取り入れてみましょう。
コモンセージとアニスヒソップは、ともに庭に植えておくと便利です。香りがよいので、リースやスワッグに使うとほんのり漂う香りに癒されますよ。
夏から秋まで華やかな彩りを添えてくれたジニアも、きれいに咲いているうちにカットすると、美しいドライフラワーになります。
庭で育つ花以外にも、お花屋さんで購入した花もドライにするとよいでしょう。バラはやはり豪華さがアップするのでおすすめです。また、小花を加えると華やかな装飾になりますよ。
真っ赤な実を付けるローズヒップがあると「クリスマス」ムードが高まります。たくさんあればローズヒップだけのリースも作ることができますね。クリアラッカーでコーティングをすれば、くすんだ赤色に変わっていきながら数年楽しむことができます。
青い花の花材はあまり種類がありませんが、デルフィニウムの青色は褪色スピードが遅く、ほかの花材が色褪せても最後まで色が残ってくれます。枝ごと吊るしてもよいですし、シリカゲルを使って花だけをドライにすることもできますよ。
お花屋さんで気になった花たちも少し買ってきて、リースの花材用に吊り下げてドライにしました。木の実をはじめ、鮮やかな花色や形の面白い花など、リースの主役やアクセントになってくれるものたちです。そのほか、花材に使えそうなものも一緒に。
さまざまな花材があるとリース作りが楽しくなりますね。私の場合は秋に入る頃になると、お花屋さんで切り花を買う時には「ドライになるもの!」が、花選びの優先度として高まってきます。数日花瓶に飾って楽しんで、傷む前に吊るしてドライにしていきます。
「アリとキリギリス」のアリさんのように、コツコツと集めたドライフラワーや野山で拾ってくる木の実、庭にある使えそうなものを友人たちが声をかけてくれて、分けていただいたり。花材がどんどん増えていきます。
このような感じで、合わせる花材によって、違った雰囲気の違うリースを作ることができますね。皆さんもチャレンジしてみてください。
私は工房での11月中旬までのリースやスワッグ作りがひと段落した後は、12月あたまのスワッグ講座まで、植物たちと触れ合う時間がもう少し続きます。
ハーブ研究家。(株)ルピシア グルマン顧問。ハーブを取り入れた植栽デザインや料理の提案、また、ハーブ講座の講師として活躍。日本園芸協会ハーブコーディネーター、JAISハーブ学習指導員、JEAJアロマテララピーアドバイザーほか。 自宅の庭で100種類以上のハーブの植栽、野菜栽培を楽しむ。かりのあさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。
書いた記事を見る\ このページをイイネする /
※会員ログイン後はお気に入り登録されます。
\ この記事のタグ /