第33回

花材いろいろ~リース作り

今回は、リース作りに使ういろいろな花材についてお伝えします。 …香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。

プロフィール

かりの あさの

ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。

 

 

庭の冬支度にも目途が立ち、室内で過ごす時間が増えてきました。今年も残りあと2カ月ほど… と何となく気忙しくなりますが、クリスマスを前に「自分で飾りを作ってみよう!」と考えている方もいらっしゃるかと思います。

 

私の場合、庭の冬支度の少し前から花材集めやドライフラワーにする作業を始めて、冬囲いが終わると本格的に工房でオーダーいただいたリースやスワッグの製作をスタートします。

リースは数種類のヒバを使ってベースを作り込む
リースは数種類のヒバを使ってベースを作り込む
4種類のヒバ。少しずつ葉の色や形が異なる
4種類のヒバ。少しずつ葉の色や形が異なる

私が制作するリースのほとんどは、ヒバをベースにしています。数種類のヒバを混ぜて使うことで、ボリュームや色味に変化が出るので重宝します。ほかの花材は庭などで育ったものを秋になる頃から少しずつ収穫、乾燥させていき保管しています。

 

アジサイは、ドライにするともろくなってしまいます。花の色褪せも早いため、長期間飾りたいときには、リースを制作してからクリアラッカースプレーなどでコーティングすることをおすすめします。

アジサイ2種類。庭のアジサイをドライにする場合は、秋口に花色が変化してきてからカットして吊り下げる
アジサイ2種類。庭のアジサイをドライにする場合は、秋口に花色が変化してきてからカットして吊り下げる

サントリナやシロタエギクは、シルバーカラーとして役に立ちます! ヒバの代わりにシロタエギクでベースを作ることもできるので、来シーズンはぜひ庭の植栽に取り入れてみましょう。

ドライにしたサントリナ(上)とシロタエギク(下)。シルバーリーフの花材におすすめ
ドライにしたサントリナ(上)とシロタエギク(下)。シルバーリーフの花材におすすめ
サントリナとシロタエギクのシルバーリーフをベースにしたリース
サントリナとシロタエギクのシルバーリーフをベースにしたリース

コモンセージとアニスヒソップは、ともに庭に植えておくと便利です。香りがよいので、リースやスワッグに使うとほんのり漂う香りに癒されますよ。

コモンセージはドライにするとこんな葉の感じに。香りもよい
コモンセージはドライにするとこんな葉の感じに。香りもよい
アニソヒソップは香りもよく、花色が残ってくれる。尖った形状がアクセントになる
アニソヒソップは香りもよく、花色が残ってくれる。尖った形状がアクセントになる

夏から秋まで華やかな彩りを添えてくれたジニアも、きれいに咲いているうちにカットすると、美しいドライフラワーになります。

赤いジニア。形もユニークな花材に
赤いジニア。形もユニークな花材に

庭で育つ花以外にも、お花屋さんで購入した花もドライにするとよいでしょう。バラはやはり豪華さがアップするのでおすすめです。また、小花を加えると華やかな装飾になりますよ。

バラやスターチスなど
バラやスターチスなど

真っ赤な実を付けるローズヒップがあると「クリスマス」ムードが高まります。たくさんあればローズヒップだけのリースも作ることができますね。クリアラッカーでコーティングをすれば、くすんだ赤色に変わっていきながら数年楽しむことができます。

花材を購入したり、バラの庭を楽しんでいるという方はリース作りにも活用してみて
花材を購入したり、バラの庭を楽しんでいるという方はリース作りにも活用してみて
赤と緑、白のクリマスカラー。ローズヒップとバラ、スターチス、斑入りの葉はツルマサキ
赤と緑、白のクリマスカラー。ローズヒップとバラ、スターチス、斑入りの葉はツルマサキ

青い花の花材はあまり種類がありませんが、デルフィニウムの青色は褪色スピードが遅く、ほかの花材が色褪せても最後まで色が残ってくれます。枝ごと吊るしてもよいですし、シリカゲルを使って花だけをドライにすることもできますよ。

シリカゲルを使って乾燥させたデルフィニウム
シリカゲルを使って乾燥させたデルフィニウム

お花屋さんで気になった花たちも少し買ってきて、リースの花材用に吊り下げてドライにしました。木の実をはじめ、鮮やかな花色や形の面白い花など、リースの主役やアクセントになってくれるものたちです。そのほか、花材に使えそうなものも一緒に。

素敵なアクセントになってくれそう
素敵なアクセントになってくれそう
ユーカリの枝。主にスワッグ作りに活躍
ユーカリの枝。主にスワッグ作りに活躍
木の実、シナモンなどはリースやスワッグの装飾用に
木の実、シナモンなどはリースやスワッグの装飾用に
カラー着色した小枝も。どんな風に使おうかと、考えるのも楽しい
カラー着色した小枝も。どんな風に使おうかと、考えるのも楽しい
花材を上手に使って、立体的な動きを演出
花材を上手に使って、立体的な動きを演出

さまざまな花材があるとリース作りが楽しくなりますね。私の場合は秋に入る頃になると、お花屋さんで切り花を買う時には「ドライになるもの!」が、花選びの優先度として高まってきます。数日花瓶に飾って楽しんで、傷む前に吊るしてドライにしていきます。
「アリとキリギリス」のアリさんのように、コツコツと集めたドライフラワーや野山で拾ってくる木の実、庭にある使えそうなものを友人たちが声をかけてくれて、分けていただいたり。花材がどんどん増えていきます。

松ぼっくりやブドウのつるもリースの装飾用に
松ぼっくりやブドウのつるもリースの装飾用に
木の実や枝もの、ブドウのつる、香りのよい花材や彩りの花たち、いろいろ合わせて雰囲気の異なるリース作りを楽しめる
木の実や枝もの、ブドウのつる、香りのよい花材や彩りの花たち、いろいろ合わせて雰囲気の異なるリース作りを楽しめる

このような感じで、合わせる花材によって、違った雰囲気の違うリースを作ることができますね。皆さんもチャレンジしてみてください。

 

私は工房での11月中旬までのリースやスワッグ作りがひと段落した後は、12月あたまのスワッグ講座まで、植物たちと触れ合う時間がもう少し続きます。

玄関先にリースを飾ると、クリスマスまでの日々が楽しくなる
玄関先にリースを飾ると、クリスマスまでの日々が楽しくなる

この記事を書いた人

かりの あさの

かりの あさの

herbarist・ハーブ研究家。ハーブやアロマの指導員などの資格を有し、30年以上植物と向き合い得た知識・経験をもとに、企業のアンバサダーや商品開発に携わる。また、さまざまな講座開催や公共の場での「みどりのまちづくり」のサポートなど、幅広く「ハーブのある暮らしの魅力」を伝えている。かりの あさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。

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