豊平公園緑のセンターがクリスマスカラーに!「ハンドメイド・クリスマス展」開催
豊平公園緑のセンターでは、11月30日(火)~12月19日(日)まで「ハンドメイド・クリスマス展」を開催...

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今回は、クリスマス時期の定番の飾りの一つ「ポマンダー」を作ります。 …香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。
かりの あさの
ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。
日の出は遅く日の入りは早くなり、日々冬に向かっているのを実感します。北海道の季節が移り変わっていく早さには、驚きますよね。
12月は何かと気忙しい月となりますが、リラックスできる自分の時間もつくって、ぜひ手がけてみてほしいのが「ポマンダー」です。ポマンダーは中世の頃からヨーロッパで広く伝わってきた、クリスマス時期の定番の飾り。今のように医療が発達していなかったため流行病で倒れる人々も多く、修道士たちがポマンダーを“魔除け”として作り、腰に吊るしながら看病していたそうです。
ポマンダーは柑橘系の果物や小さめのリンゴに、スパイスのクローブを挿して作ります。クローブは甘い香りの中にスパイスの独特の香りを感じます。この香りが苦手……という方もいらっしゃるかと思いますが、50代以上の方なら子どもの頃、歯が痛くなったときに使った「今治水(こんぢすい)」という薬を覚えていらっしゃるかと思います。今治水はグローブの香り。そうです、グローブが持つ軽い麻酔作用を利用したものなのです。
クローブはフトモモ科の樹木の花蕾(からい・開花前のつぼみ)。気分を高揚させたり、集中力を高めたりするほか、抗ウイルスや抗菌作用があります。日本では「丁子(チョウジ)」として親しまれているスパイスです。
今回は柑橘類の一つ、ライムを使ってポマンダーを作っていきます。
まず、ライムにリボンを巻く位置をイメージしながら、マスキングテープなどを貼りつけます。ライムが冷えていると結露してテープがつきにくくなるので、作る前に冷蔵庫から出して常温にしておきましょう。
次に、ピックなどを使って、クローブを挿し込むところに穴をあけていきます。ポイントは、中の果実までクローブを挿して果汁が出るようにすること。作業時は手指に刺さないように注意しましょう。
果汁がたくさん出てきますが、この果汁をクローブが吸収して揮発しながら乾燥していきます。作っているときはクローブと柑橘の果汁がブレンドされたさわやかな香りを楽しめます。私は作っているときのこの香りがたまらなく好きです。
ピックを挿し込む際に果汁が飛び散りますので、目に入らないようにメガネをかけたり、挿し込む瞬間だけ目をつぶるなど(笑)、工夫してみてくださいね。クローブはできるだけ深めに挿し込みます。頭の部分を強く押しすぎると割れてしまいますので、微妙な力加減が必要です。
すべての面にクローブを挿し終えたらマスキングテープを外します。続いてビニール袋にシナモンパウダーを入れ、そこにマスキングテープを外したポマンダーを入れてよく振ります。まんべんなくシナモンがついたら、余分な粉を落としましょう。
仮の紐(ひも)で軽く縛って吊るしたり、お皿に置いたりして乾燥させます。表面の果汁の湿り気が減ってきたら、好みのリボンをあしらって完成です。飾りながらしっかり乾燥させていきます。
クローブの抗菌効果で10年経っても腐ることなく飾れます。乾燥し続けてドライフルーツになっていくイメージです。今の時期は暖房を入れているので、ポマンダー作りにはぴったりの季節と思います。こんなご時世ですから、魔除けとして作るのもいいかもしれませんね。
今回は大きめのライムを使用しました。柑橘系で作りやすいのは、皮が厚めのもの。サイズによって使用するクローブの量は変わります。作っている途中にクローブの頭の部分が割れてしまうこともありますので、業務用の袋で購入しておくと安心です。もちろん、お料理にも使えますよ。
おうち時間が長くなっていく季節ですし、12月にはクリスマスのイベントも控えています。スワッグやリースを手作りするという人は多いと思いますが、飾りの一つにポマンダーを手がけてみるのはいかがでしょうか。スパイスと柑橘を使った“手しごと”をぜひ楽しんでみましょう。
ハーブ研究家。(株)ルピシア グルマン顧問。ハーブを取り入れた植栽デザインや料理の提案、また、ハーブ講座の講師として活躍。日本園芸協会ハーブコーディネーター、JAISハーブ学習指導員、JEAJアロマテララピーアドバイザーほか。 自宅の庭で100種類以上のハーブの植栽、野菜栽培を楽しむ。かりのあさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。
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