第34回

ハーブが香るミツロウクリーム作り

空気が乾燥しがちで、手荒れが気になる冬の季節にぴったりな、カレンデュラを使った「ミツロウクリーム」をご紹介――。 季節ごとの野菜やハーブ、果樹、お花など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。

 

プロフィール

藤井 純子さん

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとしてセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。野菜ソムリエ、ハーバルセラピスト。

 

 

空気が乾燥しがちな冬は、手荒れが気になる方も多いのではないでしょうか? そんな季節にぴったりな、ポタジェで育てたカレンデュラを使った「ミツロウクリーム」をご紹介します。
カレンデュラは皮膚や粘膜の修復と保護作用があるといわれ、ミツバチの巣から採取したミツロウは皮膚をやわらかくするとともに、穏やかな抗菌作用があります。作る工程でお好みの精油を加えると、香りや効能もプラスすることができます。
キッチンにある道具で手軽に作ることができますので参考にしてくださいね。後半では、カレンデュラの栽培とドライにする方法、利用についてなどお伝えします。

カレンデュラ。和名はキンセンカ、キク科の一年草
カレンデュラ。和名はキンセンカ、キク科の一年草

カレンデュラオイルのミツロウクリーム作り

[材料]
・カレンデュラ(ドライ) 2g
・マカデミアナッツオイル 60ml
・ミツロウ 7~10g
・お好みの精油 5滴(ラベンダー、ローズゼラニウム、フランキンセンスなどがおすすめ)
・清潔なガラス瓶(オイル用)
・清潔な保存容器(クリーム用)

そのほか、キッチンスケール(はかり)、計量カップ、計量スプーンを準備しておきます。

栽培したカレンデュラは色鮮やか!
栽培したカレンデュラは色鮮やか!

[作り方]

1. まずカレンデュラオイルを作ります。清潔なガラス瓶にカレンデュラのドライハーブを入れ、マカデミアナッツオイルを注ぎ、フタを閉めます。温かい場所に置き、1日1回瓶を振って成分を抽出しやすくして2週間ほど浸け込みます。

作った日付を貼っておこう
作った日付を貼っておこう
2週間ほど浸け込むときれいな色に
2週間ほど浸け込むときれいな色に

 

2. 2週間ほど経ったら、茶こしやコーヒーフィルター、ガーゼなどでカレンデュラを浸けておいたオイルを濾(こ)します。

今回は、網目の細かい茶こしを使ってオイルを濾した
今回は、網目の細かい茶こしを使ってオイルを濾した

 

3. カレンデュラオイルができたら、いよいよミツロウクリーム作り。オイルとミツロウの割合は、5:1。ミツロウを多く入れると、かためのクリームになります。オイルが50mlの場合、ミツロウは10gになります。

ステンレス製の計量カップは、熱に強く、油汚れが落ちやすくておすすめ
ステンレス製の計量カップは、熱に強く、油汚れが落ちやすくておすすめ
オイルを入れた軽量カップに、ミツロウを量りながら入れてもOK
オイルを入れた軽量カップに、ミツロウを量りながら入れてもOK

 

4. フライパンにお湯を沸かし、ミツロウとオイルの入った軽量カップを湯せんしてミツロウを溶かします。

スプーンなどでよく混ぜてミツロウを溶かす
スプーンなどでよく混ぜてミツロウを溶かす
ミツロウの融点は60~67℃。意外に早く溶ける
ミツロウの融点は60~67℃。意外に早く溶ける

 

5. 粗熱が取れたら、溶かしたミツロウにお好みの精油を加えます。ラベンダーやローズゼラニウム、フランキンセンスなどは、リラックス効果もあるのでおすすめ。清潔な容器に素早く詰めて、完成です。

固まってくるので、素早く保存容器に詰める。小さめの容器をいくつか用意しておくと順に使えて便利
固まってくるので、素早く保存容器に詰める。小さめの容器をいくつか用意しておくと順に使えて便利

カレンデュラとミツロウの効能、ハーブの香りも感じながらミツロウクリームをお使いくださいね。添加物などが入っていないため、3カ月以内に使い切るようにしましょう。

 

ミツロウクリームの使用方法

体や手が冷えているとクリームが浸透しづらいので、お風呂に入り温まったあとにクリームを塗るとよいです。綿手袋を15分ほどはめると、しっかりと皮膚に浸透してくれます。手袋をしているとべたつきも気にならず、本を読んだり、家事などの作業もできるのでおすすめです。

心を落ち着かせる香りのフランキンセンスは、皮膚トラブルやエイジングにも効果的
心を落ち着かせる香りのフランキンセンスは、皮膚トラブルやエイジングにも効果的

カレンデュラの栽培について

カレンデュラは、キク科の一年草。「ポットマリーゴールド」とも呼ばれます。寒さに強いため、本州では秋にタネをまきすると2月頃から開花します。積雪がある北海道などの地域では、春にタネをまいて栽培します。水はけがよく、肥沃な土壌を好みます。

直まき、育苗でもどちらでもOK
直まき、育苗でもどちらでもOK

収穫のタイミング

花が咲き始めたら、咲き切る前の開花8分目ほどで収穫してください。収穫後は流水できれいに洗って、水分を取り除き、ガクから花びらを外してキッチンペーパーなどに広げ乾燥させます。しっかりと乾燥させたら、乾燥剤と一緒にビンに入れて保存しますが、念のため低温のオーブンで乾燥させてから保管するのがおすすめです。

揺らしながら汚れを洗い流す
揺らしながら汚れを洗い流す
乾燥後は、念のため低温のオーブンで加熱して乾燥させ、乾燥剤と一緒にビンに入れて保存
乾燥後は、念のため低温のオーブンで加熱して乾燥させ、乾燥剤と一緒にビンに入れて保存

 

カレンデュラはクリーム作り以外にも、お風呂に入れたり、生の花びらをエディブルフラワーとしてサラダに散らしたりして活用するのも素敵です。ドライカレンデュラのハーブティーは、胃炎や胃潰瘍などの症状の緩和や血液循環を促し、体内の毒素を排出する作用があるといわれています。

 

次回は、ハーブが香るミツロウクリームに引き続き、「ハーブが香るハンドバス」をご紹介したいと思います。

 

この記事を書いた人

藤井 純子

藤井 純子

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。

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