つるアイスバーグの冬越し
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白い恋人パークから「ローズガーデン」で咲くバラたちや、シーズンごとのお手入れの様子などご紹介。北海道で育つバラの品種や、実際に育てて感じるその性質など、ぜひ参考にしてください。プロならではのテクニックなども聞けそうです。
11月中旬にローズガーデンの冬囲いが終わったと同時に、チューリップの球根を約6,300球を植え込みました。以前は球根を一度鉢植えにしてから鉢ごとガーデンに植えていたのですが、現在は球根を地植えするようにしています。
ローズガーデンのすべてのゾーンに球根を植え込むのですが、実はチューリップをガーデンに植えるのはバラにとってもよいことがあります。チューリップの開花が終わった後の球根を堀り上げる作業が、土壌の天地返しの役割を果たすのです。バラの芽が動き出す春にフカフカの土壌になるので、バラの生育にもとてもよいと考えています。
チューリップはたくさん方々が訪れるGW(ゴールデンウィーク)に合わせて咲くように、早咲きの品種も選んで植え込みしています。北海道の春を告げるチューリップの開花を楽しみにしていただければと思います。
さて、ローズガーデンの今の様子はというと、冬囲いが終わって雪が積もれば、外の作業は強制終了になります。そして、冬は温室作業がメインとなります。
温室では、北海道の野外で越冬ができない植物の管理をはじめ、来シーズンのガーデンで植栽する植物のタネまきやポット上げ(植え込みに使用するほとんどの一年草をタネから育てています)、鉢バラの土替え作業を行なったりしています。
鉢バラに使用する土づくりも温室の中で行ないます。腐葉土や赤玉土、馬ふん堆肥などをオリジナルの配合で混合した土をつくり、バラの栽培に使っています。
今年は馬ふん堆肥の代わりに、円山動物園で製造された「ゾウふん堆肥」を試験的に使用してみることにしました。このゾウふん堆肥は、円山動物園で飼育しているアジアゾウのふんを園内のバイオ発酵処理施設で発酵させて製造したもので、円山動物園ではアジアゾウのふんの全量を堆肥化しているのだそうです。
夏に白い恋人パークで剪定をしたポプラやシラカバの枝葉を円山動物園に運び、アジアゾウに食べてもらっていました。パークの樹木が姿を変えて帰ってきた堆肥を使って、鉢バラを育てみたいと思います。
【円山動物園 ゾウのフンたい肥化の取組み】
https://www.city.sapporo.jp/zoo/info/keikaku/2022taihi.html
※円山動物園動物園センターに設置している寄附用自販機でゾウふん堆肥を入手可能です。
また、土替えを行なわい鉢バラは野外で葉取り作業を行なって、冬囲いを施さずにそのまま横に倒して雪の中で越冬をさせます。結束をしないと雪の重みで枝が折れてしまうと思うかもしれませんが、意外に枝はしなやかで折れにくく無事に越冬しています。
耐寒性に心配がある場合は、地植えのバラと同じ方法で枝を結束し、地面に支柱を立てて鉢ごとムシロを巻いて越冬させてもよいかと思います。あと、ローズガーデンができたばかりの頃にやったことがある、雪が積もる前に鉢バラを横に寝かせて、鉢ごと地中に埋める方法もあります。雪解け後、鉢バラを掘り起こすのが大変ですが、この方法も凍害にはなりにくい越冬方法になるかと思います。
温室内には、これから土替えをする鉢バラが待っています。まずは剪定をしてから土替えを行なうのですが、その作業は次回お伝えしたいと思います。
2007年に石屋製菓入社。それまでは植物に興味がなかったが、入社を機に植物を手がけることに目覚める。「白い恋人パーク」のローズガーデンを含め、園内のすべてのバラを担当する。イングリッシュローズをメインに管理を行ない、バラの魅力を広めている。
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