玉ねぎ?!のような姿 球根系の多肉「イントリカーナ」~土屋千尋さん
土屋 千尋
今回は、雪の積もった庭の様子と、入室した鉢植えのハーブについてお伝え。 …香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。
かりの あさの
ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。
12月に入って、寒気と積雪がセットでやってきました。ガーデニングシーズンが終わったあとは、少しゆっくり過ごせる時間となります。
庭に雪が積もると日差しが反射し室内が明るくなったり、落葉して寒々しい雰囲気だった頃とは違い、なんとなく白い雪の世界にうれしさを感じたりするものですね。
ロサグラウカのヒップは、ドライの花材には向かないのでそのままにしています。冬の戸外は色味が少なくなるので、赤い実と白い雪のコラボレーションがなんだか素敵に感じます。この実を食べに野鳥たちが頻繁に庭へやって来るのも、今時期の楽しみの一つ。
キッチンコンテナや鉢類は1カ所に集めて越冬させます。凍結させないように雪でしっかり覆うよう配慮し、除雪の雪をこのエリアにとばして大きなかまくら状にしています。
玄関の脇にある石積みの花壇エリアはバラやクレマチス、タイムやラミウムなどを植栽しています。ここにも雪を積むようにしています。石の蓄熱で雪解けが早いエリアなので、春早くから楽しめるように球根類も一緒に植えました。
我が家は札幌市内にあるものの、山々に囲まれている地域。そのため野生動物もたくさんいます。数年前には熊が出没し、家の前の道路を歩いてニュースになったことも…。冬の間はいろいろな小動物の足跡を庭で見かけるのですが、キツネ、うさぎ、アライグマなどさまざま。夜中に庭の中を行ったり来たりしているようです。
道路に面したメインデッキの下には、ツルニチニチソウが緑の絨毯のように育っています。ここは除雪の雪を被せてあげると枯れ込むことがないので、雪捨て場のようになっています。
さて、戸外越冬できない耐寒性のないハーブも結構多くあるので、これらは晩秋に室内に取り込んでいます。鉢植えで育てているので掘り上げ作業などはありませんが、年々株が大きくなり、歳を重ねる庭主の悩みでもあります(苦笑)。
株を更新して小さくしたり、鉢を素焼きからグラスファイバーにしたり、できることをして対策し、室内への移動は力持ちの知人に手伝ってもらうことも。何せ入手が難しい種類や、自分のハーブライフに欠かせないものばかりですので。
カレーリーフは成長が遅く、80cmくらいになるまで6年かかっています。
カルダモンも6年目。葉に独特の香りがあります。まだ実を収穫できていないので、来年はバックヤードのフカフカな土の周りに地植えしてみようかと思案中です。
ローズマリーは料理に欠かせないハーブの一つ。写真のように、ここまで木質化して大きくなれば、室内越冬もさほど不安はありません。
ローズマリーを室内で越冬させるために大事なのは、花を咲かせないこと。年が明けて3月頃までは花芽が付いてもカットして、体力を保持できるようにすると失敗が減ります。
ハーブゼラニウム類は、室内に取り込むときにかなりカットしています。それでも室内に入れてからの環境変化によって、葉が茶色くなって枯れるものです。枯れる部分が株の下方の葉なら問題ありません。新芽が元気に出てくるようであれば、気にしなくてよいでしょう。
ミントゼラニウムもアップルゼラニウムも、ガーデニングシーズンが始まる頃に土の中にタネを埋めておくと芽が出てきます。発芽率がよく、丈夫で香りもよいハーブゼラニウム類はおすすめです。写真のアップルゼラニウムも、親株のタネから育てた株。
三尺バーベナも北海道の庭での越冬は難しいのですが、レモンマートルの鉢植えに落ちたこぼれダネから育った株が年々木質化し、室内に取り込む際にカットした枝から新芽を出して3月頃に花を咲かせます。
北国以外のエリアでは、地植えの三尺バーベナをこんな感じで宿根草として楽しめるのね…、と羨ましい限りです。
レモンバーベナは、私の背丈くらいに育っている鉢と、50cmほどの鉢に植えているものと合わせて3鉢取り込んでいます。室内に入れる際、枝先はかなりカットして、必要最低限の光合成ができる枝葉は残します。それでも12月初旬には下方の葉が枯れてきます。これは、非暖房の部屋で管理しているので、休眠の準備に入ってきた…ということです。
レモンバーベナは葉がすべて落ちても、このように休眠状態かもしれないので、枯れてしまったかどうかは春まで様子を見てください。どうしても心配な場合は、先の細い枝(茎)を折ってみると枯れていないことがわかります。
クラベランディセージはレモンの香りがしてお料理に重宝するのですが、コモンセージより性質は繊細なよう。アブラムシがつきやすいですが、周りの植物に移っていかないので、私はそのまま管理してたまに水で洗い流しています。
我が家では基本、室内に入れた鉢植えは非暖房の部屋で越冬させています。「水やりは?」とよく聞かれますが、表土が乾いて葉がしんなりしていたら、湿らせる程度に与えます。鉢底からたっぷり水が出るまで与えるのは、3月頃になって新芽が一気に成長を始めてからになります。
気づけば、クリスマスがもう目前! 我が家は、玄関にクリスマス用のスワッグを飾りました。そして、クリスマスが過ぎると、新しい年まであと◯日…という時期。新年を迎える“お正月飾り”の準備も済ませ、飾り付けを待つだけです。
皆さまも、どうぞよいお年をお迎えください。
herbarist・ハーブ研究家。ハーブやアロマの指導員などの資格を有し、30年以上植物と向き合い得た知識・経験をもとに、企業のアンバサダーや商品開発に携わる。また、さまざまな講座開催や公共の場での「みどりのまちづくり」のサポートなど、幅広く「ハーブのある暮らしの魅力」を伝えている。かりの あさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。
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