第13回

北海道の花育て【1月】芝生 ~来春に向けて芝庭のプランニング

北海道でのバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理を専門家が伝授。ここでは「芝生」についてお伝えしていきます。

教えてくれる人

赤石 恵一さん
造園店「エルガーデン」代表。個人の庭から、公共の緑地帯の緑地帯の維持管理・工事まで行なう。

赤石 恵一さん(エルガーデン)
赤石 恵一さん(エルガーデン)

来シーズンに向けて!
冬の間に芝庭のプランを立ててみよう

さて、この冬の北海道の積雪量はどうなりますでしょうか…。昨年は、夏の時点で除雪機が売り切れ続出のニュースが流れるほど、納得せざるを得ないほどの積雪量となりました。今冬の降雪は緩やかな感じで始まったものの、12月下旬になると各地で大雪予報を多く目にするようになっています。

千歳市街から車で少し走ると、見渡す限り雪で覆われた農地エリアが広がる
千歳市街から車で少し走ると、見渡す限り雪で覆われた農地エリアが広がる

北国の冬の庭は、芝や土壌も凍結しているか、積雪の下になっているか、どちらかの状態となります。もちろん外に出て庭作業も叶わないので、この時期は来春に向けての庭づくりの計画をされてはいかがでしょう。

きれいに芝を管理されている方でも一つや二つの改善点はあるでしょうし、新規に庭をこれから自分でつくってみようと考えている方もいらっしゃると思います。そんな庭への思いや、ちょっと気になる点はノートなどに書いておくことをおすすめします。例えば、改善点を書き残してみましょう。

【例】 お庭の改善点
芝生の庭の中央部に、雨の多いときに水が溜まってしまう
植木が大きくなって日陰が増え、芝の育成がよくない
昨年コガネムシの幼虫が発生し、カラスに芝をぼろぼろにされた….etc

 

考えることは多くあり、庭をきれいにしようとすると維持も管理も必要となります。このように問題点を箇条書きにしておくと、来春からスムーズに改善点を解消するためにもよい方法と思います。

青々とした芝生を見られるのは、雪解けを待ってから…。ぼろぼろに剥げてしまった芝を来春に手直ししようなど、書いておくとよい
青々とした芝生を見られるのは、雪解けを待ってから…。ぼろぼろに剥げてしまった芝を来春に手直ししようなど、書いておくとよい

また、新しく芝庭を自分でつくろうと考えていたり、ある程度を業者さんに頼もうと考えている方も、簡単で構わないので図面に起こしてみることをおすすめします。今は庭園設計ソフトやCADもあり、使いこなせる方はそういったものも利用してかたちに残してみましょう。パソコンが苦手な方もフリーハンドで家の位置や庭の配置図を色鉛筆で描いてみるだけでも違ってきますので、ぜひチャレンジしてみてはどうでしょうか。

 

デザインを起こす際の流れ
1. ご自宅の庭の大きさの確認
2. 芝庭にする際の、どこに、どれだけの大きさの芝生にするかをイメージ
3. 芝生のほかに宿根草を入れたり、ほかの植物・野菜などは必要か

4. 庭の配置図を描いてみる。ほかの植物も一緒に描き込んでみよう

塗り絵感覚で図を描いてみよう。芝面は自宅側の手前に設けて、その左側に宿根草エリア、正面奥にはバラを。芝生に映えるアルケミラ モリスを芝の脇に…などイメージ
塗り絵感覚で図を描いてみよう。芝面は自宅側の手前に設けて、その左側に宿根草エリア、正面奥にはバラを。芝生に映えるアルケミラ モリスを芝の脇に…などイメージ
図面ソフトを利用してみると、庭の広さに合わせて、芝のエリアや植栽の大きさ、テラスを設けてみたいなど、ある程度の寸法などを反映してイメージできる
図面ソフトを利用してみると、庭の広さに合わせて、芝のエリアや植栽の大きさ、テラスを設けてみたいなど、ある程度の寸法などを反映してイメージできる

北海道の冬の戸外は寒くマイナスの世界ですが、自宅内はストーブで暖かです。運動不足がちになりはしますが、想像を膨らませる時間はたくさんあると思いますので、色鉛筆を持って塗り絵感覚で図面を作るとよいと思います。

この記事を書いた人

赤石 恵一

赤石 恵一

恵庭市にある造園店「エルガーデン」代表。公共の緑地来の維持管理・工事をはじめ、個人の庭の設計・施工などのも行なう。芝庭・バラの庭を得意とする。ご自宅の庭では、バラの庭づくりを長年楽しんでいる。

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