
ローズガーデンダイアリー<第6回>バラの越冬作業 ~つるバラ&イングリッシュローズ
北海道のバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
曽根 浩太さん
岩見沢市にある「いわみざわ公園バラ園」勤務。工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理にあたる。
本格的に雪が降り積もり、皆さんも除雪に邁進する日々でしょうか…。今回は、バラの播種(はしゅ:種子を播く諸々のこと)についてお伝えしたいと思います。冬前に色づき、熟したものを収穫しておき、冷蔵庫で保管していたハマナシ(ハマナス:バラの原種の一つ)の実を今回使用してみます。
バラの種子は「低温要求性種子」と呼ばれるもので、発芽するために低温(5℃前後)、湿潤環境で2カ月程度置かないと発芽しません。種子を発芽できる状態にすることを「休眠打破」と呼びます。こういった性質は、発芽してすぐ冬になり、生育前の植物が低温の傷害を受けることがないように適応した結果だと考えられています。
具体的に休眠打破の方法として、
1. まず実を割り、中のタネを取り出します。
2. 次に、取り出したタネについている果肉を、アルコールティッシュできれいに拭き取ります。
3. 最後に、フタつきの容器にキッチンペーパーを敷いてタネを入れ、ひたひたになるまで水を入れて浸します。フタをして冷蔵庫で2カ月程度保管。
保管している間にカビが発生したり、水が少なくなったりするので、定期的に水の交換とカビが発生した場合はアルコールティッシュでの拭き取りを行なってください。
播種を行ない苗を育てることで、元のバラとは違ったさまざまな変化を楽しむことができます。花摘みを忘れて実が付いてしまったものや、実が付きやすい原種系やオールドローズを育てている方は、ぜひ採取してタネから育ててみてください。
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
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