
北海道の花育て【9月】―宿根草・草花のこと。“秋植えの球根”の植え付けは今から!
高林 初
北海道のバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「宿根草・草花」についてお伝えします。
高林 初さん
苫小牧市にある観光庭園「イコロの森」勤務。宿根草のガーデンデザイン、園内の管理などを担当する。
北海道の庭では花壇が雪に覆われたり、土が固く凍ったりして、庭作業はお休みの時期に入りました。このオフシーズン中に、道内のガーデナーたちは来シーズンの庭をもっとよくしていくための計画を立てます。
花や庭を育てるうえで、適切なタイミングで適切な作業を行なうことがとても重要です。おいしいお茶でも入れながら、今のうちに暖かい室内で時間をかけてゆっくりと計画を立て、時期が来たらすぐに実行できるように準備しておきましょう。
もし庭や花壇の写真があればそれらを眺めながら、なければ花壇の様子を思い出しながら、できるだけ詳細に計画してみましょう。計画のポイントは大まかに以下の通りです。
①新しい苗を植える計画
花壇の中にさみしい場所や、花が少ない季節はありましたか? その場所や季節を補う宿根草を探してみましょう。
図鑑やインターネットは、大変参考になります。花の様子や開花の季節などを確認しながら、植える場所や季節に合う種類を選び、購入計画も立てておきます。春になれば店頭にはいっせいに花苗が並びますので、目的の種類は早めに購入するのがおすすめです。通販サイトも便利ですが、サイトによって販売期間は異なりますので、そのあたりもしっかりチェックしておく必要があります。
【作業の時期】・苗の購入(店頭)⇒4~5月 ・植栽⇒5~6月
※通販サイトでは予約販売が早くから始まるので、冬のうちからチェックを。
②株分け/掘り取り/移植の計画
植栽が混み合ったり、いろんな種類が混ざってしまったり、バランスが崩れてしまったと感じる場所があれば、株分けや掘り取り、移植などでバランスを整える計画を立てましょう。こぼれダネで増えすぎているものなども対象になります。写真などが残っていれば、具体的にどの株をどうするのかまで考えておくとよいです。
【作業の時期】・株分け/掘り取り/移植⇒4~5月(春先が適期)
③支柱の計画
雨や風で倒れてしまった種類はありましたか? そのような株には、成長前の5~6月に支柱を施しておく必要がありますので、今のうちにどの株に支柱が必要なのか確認しておきましょう。支柱の材料はさまざまありますので、適切な支柱材を選び、購入の計画を立てておきます。
【作業の時期】・支柱立て⇒5~6月(成長が始まる頃)
④施肥・土壌改良の計画
生長がよくない株や、花付きが悪い株があれば、施肥や土壌改良をすることで改善される可能性があります。そのような対応が必要な株があれば、具体的に拾い出し、肥料や土壌改良剤の種類、必要な量をあらかじめ把握しておきましょう。
【作業の時期】・施肥・土壌改良⇒4~5月(シーズン前の春先が適期)
雪が解けた直後はやりたい作業がたくさん! 焦らず済むよう、しっかり準備しておけるとよいですね。
英国Writtle College(リトルカレッジ)にてガーデンデザインを学ぶ。現在は、苫小牧市にある「イコロの森」の勤務、ヘッドガーデナー 。設計からメンテナンスまで庭づくりの幅広い経験をもとに、宿根草ガーデンの管理・栽培等を担当。
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