
北海道の花育て【10月】―樹木・果樹のこと。春咲き樹木の冬前の剪定は、花芽に注意!
森 正浩
北海道でのバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理を専門家が伝授。ここでは、「樹木・果樹」についてお伝えします。
森 正浩さん
樹木専門「森さんの所」代表。樹木の販売をメインに、植栽、剪定や冬囲いなどの管理業務を行なう。
北海道は庭仕事も一段落し、来季に向けていろいろとイメージを膨らませる時期。植物選びや庭の構想を練る人は多いと思いますが、庭仕事の〝道具選び″も、シーズンに入ってから慌てて購入するよりも、オフシーズン中にじっくり考えて自分に合ったものを選ぶことが、ラクに作業ができたり、楽しさにつながったりします。その中で樹木の剪定に使う道具として、剪定鋏(剪定バサミ)、植木鋏(植木バサミ)、剪定鋸(剪定ノコ)、時には刈込鋏(刈込バサミ)なども使うことがあると思います。
剪定鋏や植木鋏は、使う頻度の高い道具です。選び方としては、手に馴染むものを選びましょう。これが値段が高いからよいとか、安いからダメということは、本職で毎日使う人でなければほぼ気にすることはないと思います。
●剪定鋏(剪定バサミ)を選ぶ
グリップの大きさや形状が特に大切で、手の小さい人が大きなサイズのものを使うと、グリップが開きすぎて落としてしまったり、手から落ちないように気を遣うので疲れてしまったりします。逆に、手の大きな人が小さなグリップの鋏を使うと、グリップの間に指を挟んだり、手のひらを挟んでしまったりします。
また、グリップの形状によっても大きく変わってきます。海外の製品ですと、握った時の指のねじれに合わせてグリップが回るものもあります。
小さい鋏でも開きが大きく滑りやすいもの、親指と人差し指が当たる部分が盛り上がり滑りにくくしているものなどさまざまです。
●植木鋏(植木バサミ)を選ぶ
刃の長さもいろいろありますが、作業するうえで大切になってくるのは持ち手の大きさで、自分の手に合ったものを選ぶのが一番となります。小さすぎると指がグリップに挟まることがありますし、大きすぎると疲れたりするので、剪定鋏と同様にサイズ感が大切です。また、研ぐのが苦手という人などは、ステンレス製の鋏を選ぶと錆(さび)も少なく扱いやすいです。
●剪定鋸(剪定ノコ)を選ぶ
剪定鋸は大きく分けて2つ。柄と刃が一本になっているもの、刃の部分を柄の中に折りたためるもの、こちらは好みや性格で選ぶとよいと思います。コンパクトに持ち歩けたりするのは折りたたみの剪定鋸のメリットですが、慌てる人や気の短い人は折りたたみは選ばない方がよさそうです。というのは、僕も一度折りたたみの鋸を使ったのですが、たたむ時に指を挟みそうになってやめました。特に、折りたたむ軸の部分の動きが悪くなっていたりすると、力を入れてたたもうとして危険なので、普段の手入れはしっかりと行なう必要があります。
〝道具選び″で大切なのは、まずは手に取ってみて、サイズ感やグリップの開きなど手に馴染むものを選ぶようにし、そのうえで力の入れ具合や使い勝手のよさなど検討してみるのがよいと思います。
長年、造園会社に勤め、主に圃場にて樹木の管理・栽培、造園時の樹木の選定などを担当。2019年秋から樹木専門「森さんの所」開業、代表。樹木の販売をメインに、植栽、剪定や冬囲いなどの管理業務を行なう。現在、娘さんが同社で修行中。
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