第14回

北海道の花育て【2月】芝生 ~雪解け後の芝生の病気とその対処

北海道でのバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理を専門家が伝授。ここでは「芝生」についてお伝えしていきます。

教えてくれる人

赤石 恵一さん
造園店「エルガーデン」代表。個人の庭から、公共の緑地帯の緑地帯の維持管理・工事まで行なう。

赤石 恵一さん(エルガーデン)
赤石 恵一さん(エルガーデン)

雪解け後の庭の芝生に
発生しやすい病気と症状、対処について

北海道の2月は一年で最も寒い時期。積雪量も地域によっては背丈にも達するところもあり、芝生はじっと雪の中で春を待つ状態でしょうか。

冬真っ盛りの北海道の雪景色
冬真っ盛りの北海道の雪景色

さて、北海道では辺りは真っ白な世界ではありますが、春は必ず来ます。庭にある大量な雪も、来月になれば日差しが徐々に高くなるにつれ、少しずつ減って行くことでしょう。今回はそんな春に向けて、雪解け後の病気について考えてみました。

西洋芝 春先の病気の例

●雪腐れ病
「雪腐れ病」は積雪地方の根雪の下で起こる病気で、状態としては芝生の葉が白くベタっとなり、地面に張りついたように見えます。パッチ状になることも多く、厳密にいえば「雪腐れ菌」も数種あるのですが、気温がー2℃~5℃の低温と過湿の条件下で発生しやすい病気といえます。

【雪腐れ病 対処法】 この病気の対処法として先ず薬剤散布の防除があります。特にこの病気にかかり易い条件下では根雪になる前に適応のある殺菌剤を地面に散布するのが一般的ではあります。
ただ、病気の面積が小さく薬剤をあまり使いたくない人はこの病気自体が根雪期間の後半に起きる傾向にありますので、早めの融雪作業で芝生を日光に当ててあげるのも効果が大きいと思います。

 

●ブラウンパッチ

寒地型の西洋芝で春先から夏にかけて見られる病気ですが、これもカビの仲間の菌が悪さをし、芝生の葉を白く変色させたり枯らしたりします。見た感じがドーナツ状の場合も多く見られ、外縁の緑が若干濃く見えるのも特徴といえます。

【ブラウンパッチ 対処法】この病気も対応する薬剤が市販されていますが、まずは病気の部分を風通しをよくすること、そして過度な肥料を与えず、枯れた部分は撤去してきれいにしておきましょう。

病気になったからすぐに「薬剤散布だ!!」と急がず、まずは病気の箇所を風通しよくして、少し見守って状況を判断ことも大事です。なお、「フェアリーリング」といわれる病気も、ブラウンパッチと同類の病気といえますので、同様の対処法を行なってください。

 

●ピシウムパッチ

春先から見られる病気の一つで、これもカビ菌の仲間です。雪解けが遅くて、芝面が過湿な場合に発生しやすい病気で、見た目は枯れた葉が地面にへばりつくようにして、パッチ内にぱらぱらと緑葉が出ている状態が多く見られます。

【ピシウムパッチ 対処法】この病気もピシウム菌という菌が悪さをするので、効果のある薬剤を散布するのが一般的です。ただ、先に述べた病気の対処法と同じく小さな病気部分でしたら、その個所を風通しよくし、清潔に保つこともとても大事です。

ほかにも雪解け後の病気はありますし、特にキノコが発生して困る方も多く問い合わせもあります。キノコが発生する環境こそ、病気を増やす条件が整っているので、その場合はやはり環境の改善が求められますね。

我が家の庭。芝生の緑があると、バラや宿根草の花色も生きいきと映える。芝生を健康に維持して楽しみたいもの
我が家の庭。芝生の緑があると、バラや宿根草の花色も生きいきと映える。芝生を健康に維持して楽しみたいもの

春を過ぎて夏に向かうとまた違う病気も出てきますが、芝生も人と同じで風邪をひいたり、インフルエンザにかかったりします。人であればその際に安静にしたり、適応のある薬を飲んだりしますが、それと同じですよね。あとは病気にかからない健康な芝生を育てていくことも、とても大事なこととなります。

この記事を書いた人

赤石 恵一

赤石 恵一

恵庭市にある造園店「エルガーデン」代表。公共の緑地来の維持管理・工事をはじめ、個人の庭の設計・施工などのも行なう。芝庭・バラの庭を得意とする。ご自宅の庭では、バラの庭づくりを長年楽しんでいる。

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