第39回

自然素材で優しく、精油がふんわり香るボディークリーム作り

今回は、冬のスキンケアに役立つボディークリーム作りをご紹介。自然素材で優しく、精油がふんわりと香るクリームです。  …香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。「風葉香(ふうか)」は、風で葉っぱが揺れ香るハーブのことをイメージして。

プロフィール

かりの あさの

ハーブ研究家、ハーブ講座講師。ハーブのある暮らしの魅力を多方面から発信。

 

 

今シーズンの冬は、気温が低い日が多いような気がします。冬の間はお湯を使うことが増え、また、雪かき作業で手袋の中でも意外と指先が荒れてさかむけができたりと悩ましい乾燥…。お風呂上がりなどに使って、寝るときに布団の中でふんわりと香るボディクリームが最近のお気に入りです。

先日、自分が使う用のクリームを作ったので、それをご紹介したいと思います。基本的にはベースオイル(植物油)とミツロウを使って作っています。冬はやわらかめに仕上げるのがおすすめです。

・ホホバオイル 25ml
・アルガンオイル 5ml
・ミツロウ 5g
・シアバター 小さじ1/2
・フランキンセンス精油 1滴
・ダマスクローズ精油 2滴

 

ベースオイルには、ホホバオイルとアルガンオイルをブレンド。シアバターを入れることで、さらに乾燥対策をしています。前回<第38回>ご紹介したフランキンセンス精油のほかに、今回はダマスクローズ精油も贅沢に使ってみました。

ダマスクローズ精油
ダマスクローズ精油

ダマスクローズの精油は採油量が少なく大変貴重ですが、1滴に約50本分のバラの香りが凝縮されていて癒し効果は抜群です。クリームや肌水などを手作りして肌につける場合には、必ず「水蒸気蒸留法」で抽出されたローズ精油を使います。

バラを使ったスキンケアは西洋ではおなじみですが、中国の清の時代にも女性皇族がバラの花びらを浮かべたお風呂に入り、肌への作用を利用していて女性には欠かせない花だったようです。

精油は高価ですが、水蒸気蒸留法を用いて、庭で育つ無農薬の香り高いバラからローズウォーターを作ることもできます。

我が家の庭に咲くバラ‛クラウン プリンセス マルガリータ'。イングリッシュローズ(ER)、シュラブ樹形。フルーツにティーが混ざった香り
我が家の庭に咲くバラ‛クラウン プリンセス マルガリータ'。イングリッシュローズ(ER)、シュラブ樹形。フルーツにティーが混ざった香り

初夏になると、庭で育つ‛クラウン プリンセス マルガリータ'の花びらを蒸留してローズウォーターを作っています。肌水として使うのですが、洋梨のようなティーのような香りがとても素晴らしいのです。最近は小さめで扱いやすい蒸留器の種類が増えてきていますので、ネットで探してみるとよいでしょう。

さて、[クリームの作り方]です。
ポットウォーマーのキャンドルに着火します。静かに揺れる炎を眺め、ゆったりとした気分でクリームを作る時間は、香りに包まれながら少しの癒しタイムにも。室内で過ごすことの多い冬には、大切な時間と感じています。

キャンドルの炎がゆらゆらと、ゆっくりとした時間が流れる
キャンドルの炎がゆらゆらと、ゆっくりとした時間が流れる

ミツロウをポットに入れて、ベースオイルと混ざ合わせながらゆっくりと溶かします。ポットウォーマーがあると便利ですが、なければ湯煎でも大丈夫です。シアバターも一緒に溶かします。
ベースオイルを多めにすると、やわらかめのクリームができあがります。かためにしたい場合はミツロウを多くします。冬の間は気温が低いので固まりやすいですから、少しやわらかめに作るとちょうどよい感じに仕上がります。

ポットに材料(ミツロウ、ベースオイル、シアバター)を入れて、ゆっくりと溶かす
ポットに材料(ミツロウ、ベースオイル、シアバター)を入れて、ゆっくりと溶かす

すべて溶けて液状になったら容器に移します。熱いので気をつけること! また、キャンドルの炎は必ず消しましょう。
容器に入れると温度が下がり、ミツロウが固まり始めてクリームらしくなってきます。縁(ふち)の方がが白っぽく固まり始めたら、精油を加えて竹串などでよく混ぜます。

容器に移す
容器に移す
精油を数滴(上記の分量)加え、竹串で混ぜ合わせる
精油を数滴(上記の分量)加え、竹串で混ぜ合わせる

固まったらボディークリームの完成です! 乾燥する季節には、このクリームを使用してケアしていく予定です。今回は30mlを作りましたので、だいたい1カ月程度で使い切ります。精油は高価なので、使う分だけ少しずつ作って利用ことをおすすめましす。

ボディクリームの完成
ボディクリームの完成

また、精油を使うときの注意点ですが、肌に使用する場合には必ず薄めます。精油1滴に対して、水やベースオイルを5ml以上が目安となります。
お風呂で湯船に垂らす場合は、お湯の体積ではなく表面積で考えます。精油の種類やご自身の体質によって肌に向かないものもあるので、事前に調べてから正しく使用してください。

この記事を書いた人

かりの あさの

かりの あさの

ハーブ研究家。(株)ルピシア グルマン顧問。ハーブを取り入れた植栽デザインや料理の提案、また、ハーブ講座の講師として活躍。日本園芸協会ハーブコーディネーター、JAISハーブ学習指導員、JEAJアロマテララピーアドバイザーほか。 自宅の庭で100種類以上のハーブの植栽、野菜栽培を楽しむ。かりのあさのHP「ハーブまるごと生活」では、ハーブ&アロマのトータル情報をお届け。Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「かりのハーブ」も。

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