
北海道の花育て【5月】―樹木・花木のこと。春の楽しみと、庭に合った樹木選び
森 正浩
北海道でのバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理を専門家が伝授。ここでは、「樹木・果樹」についてお伝えします。
森 正浩さん
樹木専門「森さんの所」代表。樹木の販売をメインに、植栽、剪定や冬囲いなどの管理業務を行なう。
落葉樹は、夏の「夏季剪定」と冬に行なう「冬季剪定」があります。今は冬季剪定に適した時期で、冬季剪定は落葉してから樹木が水を吸い上げ始める頃までの期間に剪定を行なうことをいいます。樹木が水を吸い上げる時期は、樹種によって違いがあります。また、冬は病害虫も少ないので、切り口を保護されるのが苦手な桜や、病害虫がつきやすい樹木の剪定に最も適しています。
●フジやブドウなどのつる性植物
気候などにもよりますが、北海道では早ければ3月初旬、遅くても3月中旬には水を吸い上げ始めます。水の吸い上げが始まると、根から吸い上げた水が切り口から流れ出てしまうので、その前に剪定を終わらせ、切り口に癒合材を塗って保護しておくことが大切になります。
●梅やリンゴなどの果樹類
冬の間は、短く太い短果枝(花芽)がわりやすくなるので、実や花数の調整をすることも可能です。逆に、夏に果樹や春咲き花木などの剪定を強めにしてしまうと、樹勢が強まり花数が減ってしまうこともあります。
●モミジなどの落葉樹
モミジなどそのほかの落葉樹も、休眠しているこの時期だからこそ強剪定が可能になります。活動時期の夏季剪定に比べて樹木への負担が軽くなるので、強めに剪定をしたい樹木は、今のうちに作業しておくことをおすすめします。
●松やコニファーなどの常緑樹
一方、松やコニファーなどの常緑樹は、冬期間も葉を付けた状態で厳しい冬越しをしているので、冬季剪定はできるだけ避けて、夏の元気な時期に剪定をする方が樹木への負担が少なく済みます。
雪の上に脚立を立てることもあると思いますが、脚立が安定するようにしっかりと確認したうえで使用してください。また、雪の下に樹木がある場合はほかに比べて埋まりやすくなるので、そういった場所を避けて安全に作業できるようにしてください。雪があるから落ちても大丈夫!…そんな事はありません。見えない雪の中に隠れた危険な物があったり、落ち方によっては大ケガをしてしまうこともありますので、十分注意して作業してください。
長年、造園会社に勤め、主に圃場にて樹木の管理・栽培、造園時の樹木の選定などを担当。2019年秋から樹木専門「森さんの所」開業、代表。樹木の販売をメインに、植栽、剪定や冬囲いなどの管理業務を行なう。現在、娘さんが同社で修行中。
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