第39回

part2・育て上手になる!数年分を一覧で記録「栽培カレンダー」作り

今回の[part 2]では、過去数年分のデータを一覧で記録する「栽培カレンダー」の作り方をご紹介。 ~季節ごとの野菜やハーブ、果樹、お花など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。

 

プロフィール

藤井 純子さん

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとしてセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。野菜ソムリエ、ハーバルセラピスト。

 

 

立春(2月4日)が過ぎ、少しずつ春が近づいていることを感じられる季節になりましたね。前回の[part 1]でお伝えした「育苗ノート」に続いて、今回[part 2]では、過去数年分のデータを一覧で記録する「栽培カレンダー」の作り方と使い方をご紹介します。

以前は、育苗と栽培が一つになった菜園手帳に記録していたのですが、かさばるため持ち歩くのを忘れがちに…。そこで、「栽培記録がミニサイズだったら、いつも持ち歩けるのでは?」とひらめいたのが、今回ご紹介する「栽培カレンダー」です。育苗と栽培は記録する内容が異なるため、分けておくことで過去の記録を参考に、微調整しながら栽培することができます。

 

育苗ノートや栽培カレンダーは、野菜だけではなく、花苗やガーデニングでも活用できます。「あれ? 去年はいつだったかな?」と迷うことがなくなり、毎年続けるうちに心に余裕が生まれ、とっさの出来事にも臨機応変に対応できるようになりますよ。

小さなクリアファイルに挟んで携帯しておくと、気づいたときに手軽にメモできるので便利
小さなクリアファイルに挟んで携帯しておくと、気づいたときに手軽にメモできるので便利

 

●記録をつけるメリット

1)翌年の参考になる
2)心の余裕ができ、植物の小さな変化などを受け取りやすくなる
3)年々育て上手になっていく

記録を続けるうちに心に余裕が生まれ、ポタジェのわずかな変化も受け取りやすくなる
記録を続けるうちに心に余裕が生まれ、ポタジェのわずかな変化も受け取りやすくなる

栽培カレンダー作り(栽培の記録)

「栽培カレンダー」は、過去(約5年分)の記録を一覧にするのが特徴で、全体を俯瞰(ふかん)してスケジュールを管理することができます。
普段持ち歩く手帳のポケット部分に入れておくと、サッと取り出せます。作業日に記入するのを忘れても、おおよその日にちを記入しておくだけでも翌年の参考になります。

手帳のポケットに入れておけば、いつでも記入できる
手帳のポケットに入れておけば、いつでも記入できる

[栽培カレンダーの作り方] 

A4サイズまたはB5サイズに曜日は記入せず、年度・日にちだけを記載しておきます。1枚に2カ月分を印刷し、ハサミやカッターで1カ月ごとに切ります。1年分なので、12枚となります。用紙はパソコンで作成して印刷しますが、記録は手書きで記入します。

栽培カレンダー。2カ月分を印刷して、月ごとに切り離して使用する
栽培カレンダー。2カ月分を印刷して、月ごとに切り離して使用する

[使い方]
記入するスペースが小さいので、短い文章で記入しましょう。

定植日や播種日(直播する野菜や植物を記入します。ジャガイモ、エダマメ、ニンニク、秋野菜など)
収穫時期(野菜やハーブ、果樹など)
開花時期(ハーブや花など)
気象(気温や春の遅霜、長雨が降った時期、台風、雪解け、初雪、寝雪など)
季節の手仕事(味噌づくり、梅仕事など)
春分などの二十四節や土用など
新月、満月(種まきや収穫の目安になります)
※2023年の土用や新月、満月については、次回ご紹介します。

そのほか、冬前の鉢上げや挿し木した日、気がついたことなども必要に応じてメモしておきましょう。

 

(メモの活用例)
・去年は、ニンニクはいつ収穫したかな?
・落花生の収穫が早過ぎたかも… 来年は2週間遅くしよう!
・孫にブルーベリーの収穫を食べさせたい。去年はいつだったかな?...etc.

ブルーベリーの収穫が待ち遠しくなる
ブルーベリーの収穫が待ち遠しくなる

 

[栽培カレンダーの記入例]

5月の記入例 
2021年5月30日~6月2日は最低気温10℃以下だったことや、2022年5月24・25日は最高気温27℃もあったこと、ジャガイモやニンジン、豆類など野菜の直まきをしたこと。5月29日に味噌(みそ)の天地返しをしたことまでメモしました。

新月や満月は、タネまきや収穫の目安になるので便利
新月や満月は、タネまきや収穫の目安になるので便利

 

6月の記入例 
カモミールの初収穫日は2021年は6月17日、2022年は6月12日。その頃が収穫のタイミングだということが把握できます。
2021年は6月2日まで最高気温が10℃以下だったのに、6月5・6日は26℃の夏日だったこと、2022年は6月2日~12日まで最低気温が10℃以下と、とても長く気温が低かったこともメモしてあります。そのことを参考にすると、「今年はビニールトンネルで保温しようかな」、「定植時期を見直してみようかな」などの対策方法が見えてきますね。

ハスカップの初収穫は、2022年は6月20日。数年分を一覧で確認できる
ハスカップの初収穫は、2022年は6月20日。数年分を一覧で確認できる

同じ品種の植物を育てていても、温暖地と寒冷地で栽培時期が異なるのはもちろん、同じ地域でも日当たりや気温など少しずつ違ってくるものです。毎年少しずつ微調整していくうちに、ご自分にぴったりの栽培カレンダーができあがります。はじめのうちは少し手間に感じるかもしれませんが、育て上手な“みどりのゆび”に近づく一歩かもしれませんね。

 

次回は、2023年の土用期間と新月、満月などの月のリズムについてお伝えしたいと思います。

この記事を書いた人

藤井 純子

藤井 純子

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。

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