
北海道の花育て【1月】宿根草・草花 ~庭をよくする!品種選びや作業の計画
高林 初
北海道のバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
曽根 浩太さん
岩見沢市にある「いわみざわ公園バラ園」勤務。工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理にあたる。
雪も少し落ち着いてきて暖かい日が増えてきました。徐々に春の兆しも見えてきましたね。
今回は、1月<第13回>にお伝えした、休眠打破の処理が終わったタネ(種子)の播種について行なっていきたいと思います。
単純にプラグトレーにタネまき用培土を詰めて播種してもよいのですが、その方法ですと毎日のように灌水しなければいけないので管理が大変です。一年草のタネとは違い、発芽時期にもかなりばらつきがあるため、できるだけラクな管理になるようしたいところです。
当園ではハマナシなどの地域個体群の保護に取り組んでおり、播種を行なったりしますが、私の場合は、給水トレーと水ゴケを使用しています。硬質プラスチックポットの底に、水で戻した水ゴケを3cmくらい敷いて、その上からタネまき用培土を詰めます。土を入れたらその上に播種し、少し指で押さえたあとタネが見えなくなる程度に覆土します。最後に何の実生なのか、何と何の交配か、播種した時期などがわかるようにラベルをつけて終了です。
また、端側が芽が出やすい、加湿にならないという意味で、土を詰める前に二回りほど小さいポットを中心に置いています。
水ゴケを使用することで保湿力が高まります。数日家をあけるようなことがあっても給水トレーに水を多く入れておけば、しばらく灌水しなくても大丈夫でしょう。ただ、水が腐ることもあるのでそこは注意が必要です。
当園では播種数が多いので密に植えていますが、余裕があればもう少し間隔をあけてタネをまくとよいでしょう。播種後は本葉が出てきてからポット上げ(ポットに植え替えること)が可能です。根を傷つけないように慎重にポット上げを行ないます。
タネを採種・保管して、休眠打破、タネまきにチャンレジしてみようという際には、ぜひ参考にしてください。
いわみざわ公園バラ園内には室内公園「色彩館」があり、ひと足早く春の開花が始まっています。2月中旬からミモザ、ハーデンベルギア、クリスマスローズの花や、3月中旬からは木香薔薇(モッコウバラ)の開花も。それに合わせて、人気のイベント「木香薔薇と奏でる二胡(にこ)の調べ」を3月21日(火・祝)に開催します(詳細はHPより確認)。花と音色に包まれる優雅な時間を過ごしてみてください。
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
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