
わたしの庭どうぐ 繊維から染料まで天然素材「Nutsceneの麻ひも」
武藤 良幸
ガーデニングを快適に! 使いやすい道具やおしゃれなガーデニングウェアを身に着けて、庭しごとを楽しく行ないましょう。「庭どうぐ」の基本の選び方、豆知識、おすすめなどを、園芸グッズの企画・開発も行なう武藤良幸さんが伝授します。
タイトルの「ウェリーラック(Welly Rack)」とは、別名ウォールブーツラックという呼び方もあり、長靴を引っ掛けて収納する「壁掛け」を意味します。「ウェリー」という言葉は、ロングブーツやレインブーツを意味するイギリス英語のスラング(俗語・砕けた表現の言葉)で、イギリスで初めてロングブーツを考案したといわれているウェリントン公爵の名前が由来しているのだそうです。
自立しにくいやわらかな長靴を壁に掛けるだけでなく、レーキやフォーク、ショベルといった置き場に困るロングツールを省スペース(有効な空間利用)で収納できる便利なアイテムです。イギリスのツールショップでは完成品が販売されていると聞いたことがありますが、板に棒を挿し込むだけのシンプルなつくりのため、きっと自作しているガーデナーは多いはず。長靴や庭道具の収納で困っているあなた、DIYのご参考にいかがでしょう。
ウェリーラックは厚みのある板に「丸棒」という断面が円形の棒を数本挿し、それを壁に固定するだけのシンプルなもの。木材とノコギリと穴をあけるドリル、そして木工用ボンドとサンドペーパー、さらに壁に留めるビスや金具があれば比較的簡単に作ることができます。ただ、丈夫な材料で頑丈に作ることが不可欠。さらにウェリーラックの重さにプラスして、そこへ掛ける長靴や庭どうぐの重さに耐えられるしっかりとした壁や桟(さん)に取り付けることも重要です。
私のウェリーラックを作る際に使ったのは、木材店で端材として売られていた厚み約5cm、幅は約18cm、長さ約90cmほどある丸太のスライス板(羽目板)と、直径1.8cm×長さ約180cmほどの堅いブナの丸棒、そして壁のネジやピンに引っ掛けるためのプレート金具2枚です。この材料で作ったウェリーラック自体の重さは約5kg。分厚くて大きい板ほどウェリーラック自体の重さが増えるため、引っ掛けたい庭道具や取り付ける壁の強度も考えながら、板の幅や長さを決めましょう。
ホームセンターで手に入りやすい木材ですと、厚み3.8cmの2×材(ツーバイ材)が板として適しています。ただし、板の幅が狭いとウェリーラックに重みが掛かったときに安定しにくく、できれば2×6インチ(厚み3.8cm×幅14cm※)や 2×8インチ(厚み3.8cm×幅18.4cm※)サイズがおすすめです。
※cmの表記は木材が乾燥して収縮した規格サイズとなり、木材未乾燥時のインチサイズとは誤差があります。
次に、大雑把な私が作ったウェリーラックの工程を、ざっくりと簡単に説明しておきましょう。
1. 板に丸棒を挿し込む穴は、できるだけ深く垂直にあけます。穴は貫通させてもよいでしょう。穴と穴の間隔は6cm程度がおすすめ。この間隔が狭かったり離れすぎていたりすると、丸棒と丸棒の間に長靴が引っ掛かりません。穴あけには丸棒の直径20mmより少し大きい直径22mmの木工用ドリルビットを使いました。
2. 長さ約180cmの丸棒を20cmの長さでカットしました。それを板の厚さ分の5cm挿し込み、15cmほどのフックが板から出るように設定しました。切り口はサンドペーパーでなめらかにしましょう。
3. 1であけた穴に木工用ボンドを塗り、2でカットした長さ20cmの丸棒をしっかりと挿し込みます。
4. ウェリーラックを壁に取り付ける方法は、釘やビスを使って直接壁に打ち付ける方法もありますが、私の場合は、板の裏側の両端の2カ所に、丸棒用の穴をあけたドリルビットで深さ1cm程度の穴をあけ、その穴の上半分ほどが隠れるようにプレート金具を固定。壁に取り付けたピンにそのプレート金具を引っ掛けることで、ウェリーラックが取り外し可能になります。
興味がありましたら、ぜひDIYにトライしてみてください。ウェリーラックの重さや壁の材質などによって、取り付けの方法は検討してみるとよいでしょう。
玄関先なら庭作業のあとの収納に便利ですし、お庭にガーデンログがあれば壁面のおしゃれ収納も楽しめそうですね。
「momiji合同会社」代表。「momiji(もみじ)」は人と園芸、人と庭をつなぐための会社。若い園芸家や庭師を育て、彼らの道具や新しいガーデニンググッズの企画・販売を行なう。また、おしゃれな道具など介し、園芸・ガーデニングの普及活動に努めている。
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