北海道の花育て【5月】―樹木・花木のこと。春の楽しみと、庭に合った樹木選び
森 正浩
今回は、花粉症やデトックスに効果を期待できるメディカルハーブとその栽培についてお伝え。 ~季節ごとの野菜やハーブ、果樹、お花など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。
藤井 純子さん
「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとしてセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。野菜ソムリエ、ハーバルセラピスト。
本州では梅や桜の便りが聞こえる季節になりましたね。春の訪れはうれしいものの、花粉症に悩まれる方も多いのでは。そこで今回は、花粉症やデトックスに効果を期待できるメディカルハーブと、その栽培についてお伝えしていきたいと思います。
まず、アレルギーとは?
食べ物や薬、花粉やほこりなど通常は大きな害を与えない物質(アレルゲン)に対して、免疫系が過剰に反応することでアレルギー症状が起こります。アレルギー症状を抑える薬もありますが、冬から春へと変わる今の季節は、冬の間に体にため込んだ老廃物などを排出して体質改善の視点からアプローチするのもおすすめです。
花粉症予防には、花粉のシーズン前から飲み続けておくことで症状を抑える効果が期待できます。キク科アレルギーや持病をお持ちの方は、医師に相談してから利用してください。
●ネトル
イラクサ科、多年草 使用部位:葉
ヒスタミンを含むネトルは、花粉症やぜんそくなどのアレルギー症状の緩和に役立ちます。また、ビタミンCや鉄分、カルシウム、マグネシウム、葉酸などの栄養素も豊富に含むため、血液の汚れをきれいにする浄化作用や血流を促す効果があるといわれています。緑茶のような味わいで飲みやすいハーブです。
[ネトルの栽培]
ネトルの名前は、ニードル(針)に由来します。その名前の通り、葉や茎に細かなトゲがあり、刺さると激痛が走るため、ゴム手袋などをして扱いましょう。タネまき、または苗から育てます。地下茎で繁殖するため、スペースには余裕をもって植え付けます。耐寒性はありますが、高温多湿は苦手なハーブです。
[おすすめのブレンド]
・ペパーミント(シソ科、多年草) 使用部位:葉
・カレンデュラ(キク科、一年草) 使用部位:花びら
●エキナセア
キク科、多年草 使用部位:根と地上部
北アメリカの先住民が、虫刺されや傷の手当てに用いてきたエキナセア。免疫を活性化させる作用があるといわれ、花粉症対策に効果が期待できます。また、抗ウィルス作用もあるため、インフルエンザや風邪などにもおすすめです。ハーブティーは癖(くせ)がないので、ブレンドしやすいハーブです。
[エキナセアの栽培]
6月~7月にかけて赤紫色の花が咲き、ガーデンでも人気のエキナセア。メディカルハーブとして栽培する場合は、原種のアングスフォリア、プルプレアを選ぶようにしましょう。タネまき、または苗から育てます。日当たりがよく、水はけのよい場所に植え付けるようにします。
[おすすめのブレンド]
・ジャーマンカモミール(キク科、一年草) 使用部位:花
・コモンタイム(シソ科、多年草) 使用部位:葉
花粉症やデトックスに利用できるメディカルハーブについてご紹介しましたが、庭の片隅で薬草を育て、体調管理に役立ててみるのはいかがでしょうか。
次回から数回に分けて「ポタジェのつくり方」をご紹介します。土づくり、植栽のレイアウト、品種選びについてなど、春からのご参考に!
「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。
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