第42回

ポタジェのつくり方.1 ~ポタジェとは?育てる植物の選び方

今回のテーマは、「ポタジェとは?育てる植物の選び方」。“心と身体、環境にも優しい”ポタジェのつくり方を4回に分けてご紹介します。~季節ごとの野菜やハーブ、果樹、お花など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。

プロフィール

藤井 純子さん

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとしてセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。野菜ソムリエ、ハーバルセラピスト。

 

 

雪解けが進み、ガーデニングや菜園をされる方は「今年は何を育てようかな?」と考えるだけでワクワクする季節がやってきましたね!
私自身、「ポタジェ」というスタイルで野菜やハーブを栽培するようになり20年ほど経ちました。毎年、新しいコンパニオンプランツを組み合わせたり、薬効成分があるといわれるハーブを育てたり、何かしら新しくチャレンジする中でいつも感じるのは、どんなときも健気に、そしてたくましく育つ植物から、たくさんの感動と気づきを与えてもらえているということです。

私が手をかけている「ポタジェ」。毎年新しいことにも挑戦を続けている
私が手をかけている「ポタジェ」。毎年新しいことにも挑戦を続けている

雑草や虫とも戦わず、農薬や肥料に頼り過ぎない“心と身体、環境にも優しい”ポタジェのつくり方を4回に分けてご紹介したいと思います。

今回は、Part1「ポタジェとは? 育てる植物の選び方」をテーマにお伝えします。

 

【ポタジェのつくり方 内容の予定】
・Part1. ポタジェとは?育てる植物の選び方(今回のテーマ)
・Part2. コンパニオンプランツ
・Part3. 植栽・レイアウトなどデザインの基本
・Part4. ポタジェのデザイン例

ポタジェとは?

「ポタジェ」は、フランス語で「菜園」という意味。「ポタージュ(混ぜる)」が語源ともいわれています。その歴史は中世の修道院から始まったといわれ、食料として野菜を育て、ハーブを薬として利用していたそうです。

ポタジェの特徴

野菜とハーブ、果樹、花など多品種を育てる

野菜とハーブをはじめ、花、果樹など、味わうのはもちろん、日々の健康面でも役立つハーブを混植した菜園のスタイルです。エディブルフラワーを料理に添えれば、見も華やかなひと皿に。リースやスワッグなどのクラフトの材料になる植物なども栽培して楽しむことができます。

野菜もハーブも楽しめるのが魅力
野菜もハーブも楽しめるのが魅力

 

②五感が豊かになる美しい菜園

一般的な畑と違い、真っ直ぐな畝(うね)にこだわらず、通路に敷石を置いたり、曲線を描いたりするなどガーデニングの要素も取り入れることでガーデンのような印象の菜園になります。視覚的な美しさも五感を豊かにしてくれる大切な要素の一つです。

野菜やハーブの味と香り、鳥のさえずりなど自然と五感が豊かに
野菜やハーブの味と香り、鳥のさえずりなど自然と五感が豊かに
小道をめぐらせてハーブや野菜、花や実ものなどの楽しい植栽を考えたり、ガーデン雑貨やアイテムでアクセントをつけたり、ポタジェにはガーデニング要素も加わる
小道をめぐらせてハーブや野菜、花や実ものなどの楽しい植栽を考えたり、ガーデン雑貨やアイテムでアクセントをつけたり、ポタジェにはガーデニング要素も加わる

 

③人と環境にも優しいエコロジカル

医学の祖と称されるヒポクラテスの言葉で、「自然こそ最良の医者である」といい伝えられいます。
相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせることで、肥料や農薬に頼り過ぎずに栽培できます。昆虫や微生物などの生物多様と共生した、自然を慈しむナチュラルな菜園です。

“病は気から”とあるように、心と身体は密接につながっているといわている
“病は気から”とあるように、心と身体は密接につながっているといわている
植物の持つ相互作用を取り入れた植栽はポタジェの特徴の一つ。環境に優しく、安心安全に収穫を楽しめる。自然や植物に触れることで、人にもよい影響を与える
植物の持つ相互作用を取り入れた植栽はポタジェの特徴の一つ。環境に優しく、安心安全に収穫を楽しめる。自然や植物に触れることで、人にもよい影響を与える

育てる植物を選んでみよう!

“限られたスペースの中で何を育てるか”はとても大切です。まずは野菜やハーブ、花や果樹など「自分が育ててみたい!」と思う植物を自由に、想像力を膨らませて選んでみましょう。その方法をいくつかご紹介します。

収穫後の楽しみをイメージしてみる

①テーマを決めてセレクト

例えば、赤シソジュースづくり、ゆで落花生(らっかせい)、ジェノベーゼ、味噌づくりなど、具体的なゴールを設定するのもおすすめです。

 

・フレッシュサラダを楽しみたい! シャキシャキとした食感でおいしいエンダイブ(レタスの仲間)やサラダ大根、ラディッシュ、エディブルフラワーなど。

エディブルフラワーは、エディブルフラワー用の苗を購入するか、タネから育てるようにする
エディブルフラワーは、エディブルフラワー用の苗を購入するか、タネから育てるようにする

 

・料理に利用したい! オレガノやパセリ、バジルなどのクッキングハーブで思う存分ハーブ料理を楽しむ。

ドライハーブにして保存すれば一年中楽しめる
ドライハーブにして保存すれば一年中楽しめる

 

・日々の健康維持に! ネトル、エキナセア、タイム、ヨモギなどの薬効成分が期待できるハーブを育てる。

ハーブティーや軟膏・クリームに活用して、ケアなどの効能を期待
ハーブティーや軟膏・クリームに活用して、ケアなどの効能を期待

 

・クラフトに活用! アナベルやホップ、ラムズイヤー、野ブドウ、麦などを育て、リースやスワッグづくりを楽しむ。

収穫したホップを使ったリース。植物に触れるひとときは、心を穏やかにしてくれる
収穫したホップを使ったリース。植物に触れるひとときは、心を穏やかにしてくれる

 

②旬を意識して野菜をセレクト

トマトやキュウリ、ズッキーニなど同じ野菜をたくさん植えると、食べ切れないことも。そんなときは“春夏秋冬”それぞれの時期に採れる野菜をバランスよく植えることで、旬を味わう楽しさが広がります。※以下は、寒冷地の収穫時期に合わせています。

 

・春:行者ニンニクやワラビ、フキなどの山菜類。アスパラガス、エンドウ類、レタス類、ジャーマンカモミールなど。

山菜類は手間がかからずに栽培できる
山菜類は手間がかからずに栽培できる

 

・夏:トマト、ピーマン、ナス、食用ホオズキ、キュウリ、ズッキーニ、スイカ、インゲン、エダマメ、ジャガイモ、トウモロコシ、オクラ、シソなど。

夏はたくさんの種類を収穫を楽しめる。冷凍保存できる野菜を育てると重宝
夏はたくさんの種類を収穫を楽しめる。冷凍保存できる野菜を育てると重宝

 

・秋:カボチャ、落花生、サツマイモ、ヤーコン、大豆、小豆、栗、コクワなど。

収穫も楽しく、秋の味覚も堪能
収穫も楽しく、秋の味覚も堪能

 

・冬:ダイコン、カブ、ハクサイ、キャベツ、ホウレンソウなどの葉物野菜。

カラフルな品種を選ぶのも楽しい
カラフルな品種を選ぶのも楽しい

手入れの頻度や難易度について

●育てやすい植物
ヤーコン、ジャガイモ、サツマイモ、アスパラガス、ニラ、山菜類、ルバーブ、宿根草ハーブなど。

食物繊維やオリゴ糖が豊富に含まれるヤーコン
食物繊維やオリゴ糖が豊富に含まれるヤーコン

 

●難易度が高めの植物
エンドウ類、スイカ、ニンジン、キャベツ、ブロッコリー、ハクサイ、ゴボウなど。

発芽と間引きに手間がかかるニンジン
発芽と間引きに手間がかかるニンジン

一年草と宿根草について

野菜は一年草が多いので毎年場所を変えて育てますが、宿根草の植物は一度植えると基本的には動かすことができないため、吟味して植えるようにしましょう。

●動かせない植物
・アスパラ
・山菜類(ミョウガ、行者ニンニク、ワラビ、フキなど)
・果樹(ブルーベリー、ハスカップ、ジューンベリーなど)
・花木(バラ、アジサイなど)
・宿根草ハーブ(ラベンダー、エルダーフラワー、コモンセージ、ヒソップ、コモンマロウなど)

菜園の縁取りにラベンダーを植えても素敵。漂う香りも魅力
菜園の縁取りにラベンダーを植えても素敵。漂う香りも魅力
ジューンベリーなど実を付ける植物を植えると、収穫を楽しめるだけでなく、可愛らしい実の色どりが演出の一部に
ジューンベリーなど実を付ける植物を植えると、収穫を楽しめるだけでなく、可愛らしい実の色どりが演出の一部に

野菜やハーブ、果樹、花など、さまざまな植物を植えることで生態系が豊かな菜園になります。イメージを膨らませて選んでみてくださいね。

 

次回、part2では病害虫予防やスペースの有効利用にもなる「コンパニオンプランツ」についてご紹介します。

この記事を書いた人

藤井 純子

藤井 純子

「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。

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