
北海道の花育て【5月】―樹木・花木のこと。春の楽しみと、庭に合った樹木選び
森 正浩
北海道でのバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理を専門家が伝授。ここでは「芝生」についてお伝えしていきます。
赤石 恵一さん
造園店「エルガーデン」代表。個人の庭から、公共の緑地帯の緑地帯の維持管理・工事まで行なう。
私もそう感じるのですが、北海道の本格的な園芸シーズンの始まりは、やはりGW(ゴールデンウィーク)頃から。普段はなかなか時間が取れなくても長期間の休日を使って、庭作業をされた方も多いと思います。
さて、先月の<第16回>では、雪解け後の芝生管理の一連の流れを一例としてご紹介しましたが、今回はそれらの作業をする際に使用する道具、あれば便利なアイテムなどを使い方も交えながらお伝えします。
サッチングは、枯れて腐食した葉(サッチ)を取り除く作業です。かき出す道具や、集めた枯れ葉やゴミなどの回収にあると便利なアイテムを確認しましょう。
・熊手(レーキ)
プラスチック製・竹製は、軽いので使いやすく掃除用に最適です。金属製のものは、強度があるのでサッチ取りには適しています。
・プラスチックバッグ
サッチング後の枯れ葉やゴミの回収に一つあれば便利です。大きさも各種揃っていますので合うものを選んでみましょう。
・手箕(てみ)
農家でよく使われる道具ですが、落ち葉やゴミを集めたり、芝生の管理作業以外にも野菜や果物の収穫時にあると便利です。プラスチック製の軽くて使いやすいタイプもあります。ミレーの絵画でも手箕を使う姿は有名ですね。
エアレーションは、数年経過した芝生の更新作業です。より効果が大きい、作業にも適した道具を使ってみるのはいかがでしょう。
・ローンスパイク、ローンパンチ
エアレーションの際に踏み込んで使い、芝生に穴をあけたり、コアを抜いたりできます。芝主の更新作業にあると便利です。
・竹製のほうき
抜いたコアを掃除する際に使い、一つあると便利です。また、目土(めつち)散布後のすり込みや、施肥の際に肥料の塊などを落としたときにも使用できます。
目土散布は、エアレーション後に合わせて行なうとよい作業です。芝面を均し、サッチの分解を早めたり、地温を保つことで生育面にもメリットがあります。
・ふるい
目土用の土や砂をふるいにかける際に使用します。
・トンボ
芝面に目土をまいた際に、均等に土を敷き均すことができます。自作でも簡単に作れますので、一つ用意しておくと便利です。
芝生の栄養補給のために施肥を行ないます。施肥はその後の生育にも影響があるので、行なっておきたい作業の一つ。広い芝庭では便利なアイテムの使用がおすすめです。
・散粒機
広い芝生面積に施肥を行なう際に、この道具があると作業がスムーズに進むので便利です。目盛りがありますので、散布量も調整しながら散布できます。
最後に、自宅に集草バック付きの草刈り機がある方は、機械整備が終わったあとに試運転を兼ねて芝面を刈ってみてください。スイーパーの代わりとなって枯れ草などを吸い込んでくれますのでおすすめです。
春先の作業の一つとして枯れ葉やサッチ取りを簡略化したい場合に、刈り高を高めに設定して運転させるとよいでしょう。
今シーズンは道具類も見直してみるのはいかがでしょうか。春は特にいろいろな庭仕事に慌ただしくなりますので、道具一つを変えるだけでも、手間だった作業がスムーズに進むようになります。お手入れを少しでもラクに行なって、青々としたきれいな芝庭を維持したいですね。
この記事を書いた人
恵庭市にある造園店「エルガーデン」代表。公共の緑地来の維持管理・工事をはじめ、個人の庭の設計・施工などのも行なう。芝庭・バラの庭を得意とする。ご自宅の庭では、バラの庭づくりを長年楽しんでいる。
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